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新型コロナウイルスによる偏見差別いじめ

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■病気と偏見差別いじめ

歴史の中で、いくつもの病気が偏見差別の対象になってきました。

私たちは恐れています。コロナの感染だけでなく、人から責められ、恥をかくことを。

「我が社(店、学校)から一人の感染者も出すな」。そんなスローガンも掲げられます。それが感染予防に努めようという意味なら良いのですが。

ある種の病気は、スティグマ(烙印)になります。慰められるべき病なのに、責められるべき失態、悪による報い、業(ごう)になってしまいます。

ハンセン病、精神病、エイズ。多くの人々が、社会からの不当な扱いで苦しんできました。

人々は病気自体で苦しみ、病気による偏見差別で苦しんできました。その偏見差別は、社会全体を蝕むことにもつながります。

それは今、新型コロナウイルスの感染爆発が起きている世界で、日本で起きています。中国人やアジア系の人が欧米で偏見差別の対象になり、また流行地の移動に伴って、ヨーロッパの国同士でも起きています。

日本でも、感染者に対してだけでなく、医療従事者への偏見差別、その家族へのいじめ問題なども起きています。

医療従事者の子供が、学校で「バイキン」と言われたという報道もあります。子供だけでなく、大人も、医療従事者や家族を不当に避ける人々がいます。

宅配の配達員さんへの心ない言動も、話題になっています。「バイキン扱いされた」と嘆いている人もいます。

このような偏見差別いじめが、医療従事者や働く人々の心を痛めつけることにもなります。

普段でも偏見差別いじめはだめですが、感染拡大の非常時にそんなことになれば、社会の混乱は増し、かえって感染の危険性を高めることにもなるでしょう。

だから、何とかしないといけません。

新型コロナウイルスによる偏見差別を止めるために

アメリカ心理学会は、新型コロナによる偏見差別を止めるための発言をしています。日本心理学会がそれを翻訳して公開しています。

病気の流行は、偏見差別を生みやすいものです。「チャイナウイルス」「武漢ウイルス」などの名称は偏見差別につながりやすいと、アメリカ心理学会は指摘していますが、幸い日本ではほとんど聞かれないネーミングです。

それでも、日本でも世界でも、病気による偏見差別は起こり続けています。しばしば社会的弱者が偏見差別の対象になり、そのことでさらに彼らの健康が悪化してきました。

■コロナヘイト、コロナによる偏見差別いじめを防ぐために私たちができること

では、私たちに何ができるのか、アメリカ心理学会は次のような提言をしています。

○事実を伝えること

私たちはみんな、すでに偏見を持ってしまっています。少数者、病人、障害者、外国人に対して、決まり切ったステレオタイプ的な見方もしがちです。

感染症の流行時などは、正しい情報を十分に伝え続けないと、歪んだ偏見が強くなりがちです。

感染症がはやる前から差別されやすい人々に対する配慮を、最初の段階から忘れてはいけません。

日ごろからいじめの対象になりやすい子は、このコロナ騒動の中でまたいじめられていないか、注意して見守らなければなりません。

新潟県三条市の郵便局の職員が感染したと報道された時です。この人は、郵便配達の業務をしていました。郵便局はいったん閉めて消毒が行われましたが、この職員がどの地域に配達していたかは発表されませんでした。

新潟県の担当者と専門家が、郵便物を介しての感染はまず考えられないときちんと説明をしたのです。

もしも、この正しい事実を説明しないままに配達地域を発表などしていたら、地域の人は余計な不安に駆られたでしょうし、郵便局職員への偏見差別が生まれていたかもしれません。

危険は危険と伝え、安全は安全と伝える、正しい情報が必要です。

○社会的に影響力を持つ人たちを巻き込む

感染症を特定の国や人々と結びつけることが、偏見差別につながります。みんながそんな誤った考えを持たないように、政治家、有名人、リーダーたちが、まずしっかりとした正しい考え方をもつことが必要です。

このような社会的に影響力の強い人々が、偏見差別を受けている人と積極的に交流している姿を見せることも、偏見差別防止に効果的だとアメリカ心理学会は勧めています。

この方法は、今回に限りません。

たとえば、対立する2つの民族の、それぞれを代表するような人が笑顔で語り合い握手をする姿を見せることで、民族間対立を和らげる方法などが、これまでも実践されてきました。

〇感染経験者の声を広める

感染しても、ほとんどの人が回復します。そのような人たちの生の声を聞くことは、冷静さを保つために必要なことです。

医療従事者をみんなでたたえることも、彼らへの偏見差別いじめ防止につながります。

放置すれば、ひどい非難や偏見差別いじめが起きやすいのですから、心ある人が積極的に良いことをしましょう。

〇民族の多様性を示す

感染予防のためには、いろんな人たちが協力し合う必要があります。いろいろな職業、様々な国、多様な社会的立場の人たちが協力し合わなければ感染予防は進まないことを示しましょう。

偏見差別は、多様性の軽視から生まれます。「日本人は規則にうるさいまじめな努力家」と諸外国からは見られているかと思いますが、国内いる私たちは、いろんな日本人がいることを知っています。

明るいとか、うるさいとか、不潔とか、ある人々のことをそう思うのですが、実際は様々な人がいるのです。

〇倫理的な報道の推進

感染者や所属組織を悪いと言っているかのような報道は避けなくてはなりません。

〇根拠のない話、うわさ、ステレオタイプを正し、偏見を助長する言説に異議を唱える

偏見差別を広げるような、無責任なうわさ話、ツイートなどをしない。むしろ、そんなことは間違いだと発言していく責任が、私たち一人ひとりにあるでしょう。

■いじめが起こりやすい環境

上記のアメリカ心理学会からの提言とは別に、教育心理学の分野で、いじめが起きやすい環境の研究が行われています。

いじめたい衝動を持った子が、いじめを許容される環境に置かれたときに、いじめは発生します。

様々な不安や不満を、どこかにぶつけたいと感じている子がいます。たまたま、ちょうどよい攻撃対象をみつけます。そして、その子をいじめることが許される場で、いじめは起きます。

もちろん、どの場所での「いじめはだめ」なのですが、心が感じる環境は違います。

たとえば、高圧的な担任のもとでいじめは起きます。子供が先生の真似をして、弱肉強食の、力でねじ伏せるような雰囲気ののクラスで、いじめは起きるのです。

一方、ただの友達のような頼りない担任のもとでも、いじめは起きます。先生がクラスの統制をとれないので、クラスは無法地帯になってしまい、いじめが起きるのです。

これは、大人の世界も同じかもしれません。みんなが不安を感じ、様々な欲求不満を感じているそんなとき、国のトップが自国のことしか考えない態度を取れば、国民も他国民に対する偏見差別を強めるでしょう。

一方、リーダーシップを取れない頼りない人がトップになれば、少しでも感染の危険を感じる人々を平気で排除し、弱者を押しのけて強者だけがマスクやトイレットーペーパーを手に入れる社会ができてしまうのでしょう。

強い者だけが生き残るような社会では、困ります。感染が広がる中、私たちは社会的距離を取らなければならないのですが、心には絆が必要なのです。

国内でも都道府県境を越える移動を控えましょうと、各地域の知事が要請していますが、それは日本全体での感染拡大を防ぐためです。

自分の地域や国を守るのは当然ですが、移動自粛要請は、自分の地域だけを守り、他地域の人を嫌っての行為ではないはずです。

新型コロナウイルスとの戦いは、戦争です。戦いに勝つためには、仲間同士が良いチームにならなければなりません。