小学校のいじめ謝罪に…漫画
「悪人は悪人のままでいてよ!」感情のむなしさ
「わけわかめ」「冗談はよしこさん」……懐かしいギャグをナチュラルに使う彼女と、それをあたたかく見守る彼氏。漫画家・あまいろさん(@tentijin11)が描く漫画「すべてを肯定してくれる彼氏」がツイッターで人気です。偶然小学校の頃のクラスメイトに出会った彼女。この出会いをきっかけに、彼女の過去が明らかになっていきます。友だちが出来なかった理由、そして彼女の本心とは……。
「もう気にしてないよ! なーんて言うと思った?」
由香ちゃんが偶然出会ったのは、小学校の頃のクラスメイトです。その女の子は、クラスの子どもたちを従える「女王」のような存在でした。グループで群れない由香ちゃんは、彼女のターゲットになってしまったのです。
彼女の指示で、クラス全員からの「無視」が始まりました。由香ちゃんが話しかけると、仲が良かった友だちも走って逃げてしまいます。結局、由香ちゃんにはひとりも友だちができませんでした。
彼女の指示で、クラス全員からの「無視」が始まりました。由香ちゃんが話しかけると、仲が良かった友だちも走って逃げてしまいます。結局、由香ちゃんにはひとりも友だちができませんでした。
そんなつらい過去をつくった原因のクラスメイト。すぐに立ち去ろうとする由香ちゃんに、「あの頃は!……ごめん!」と話しかけます。
「ううん もう気にしてないよ!」と笑顔で答えた由香ちゃん。しかし、その直後に表情は一変「なーんて 言うと思った?」。ショックを受ける女性に「いまさら」とだけその場を後にします。
とぼとぼと外を歩く由香ちゃん。彼女の遅すぎる謝罪に「涙がちょちょぎれるわ」と、涙目で空を見上げるのでした。
「ううん もう気にしてないよ!」と笑顔で答えた由香ちゃん。しかし、その直後に表情は一変「なーんて 言うと思った?」。ショックを受ける女性に「いまさら」とだけその場を後にします。
とぼとぼと外を歩く由香ちゃん。彼女の遅すぎる謝罪に「涙がちょちょぎれるわ」と、涙目で空を見上げるのでした。
「悪人は悪人のままで」作者の思い
過去の行いに謝罪する同級生を、由香ちゃんは簡単に許したりしませんでした。その理由には、作者の過去の体験が影響していました。作者のあまいろさんに綴ってもらいました。
今回は由香ちゃんの過去を描いてみました。
テーマはいじめ。
私が小学生だったころ、クラスのみんなから無視されてた女の子がいました。理由はよくわかりません。
近づくと菌がうつる!とか言ってみんな彼女に近づきませんでした。私もその中のひとりです。
彼女はかわいい顔をしてましたが、一度も笑顔を見せたことがありませんでした。
当たり前です。
誰も近づかず話し相手もいない毎日。苦痛しかなかったと思います。
担任はすごくいい先生でしたが、いま思い返すと、彼女をどうしたら救えるのか迷いがあったんじゃないかな。30年以上前のことですが、今でも時々彼女のことを思い出し、胸をかきむしりたくなります。
どうして助けてあげられなかったのだろう。彼女に会ってあやまりたい。
……勝手ですね。彼女は私のことなんか覚えてないだろうし、2度と会いたくない人間のひとりでしょう。
この漫画ではいじめっ子があやまります。ですが由香ちゃんは許しません。
これは私のなかに、許されちゃいけない、一生背負っていく罪だ、という認識があるからです。
そしてラスト、由香ちゃんは涙します。
憎んでた相手が反省し謝罪してきたことに彼女は憤りをおぼえています。
悪人は悪人のままでいてよ! 私はあなたを憎み続けたいのよ!
そういった感情のむなしさに彼女は涙します。