娘の習い事がキッカケではじまったママ友いじめ
子どもが生まれることになり、夫の望みで専業主婦になった私。
仕事は特に引き止められることもなく、あっさりと退職。
そして出産。子どもの誕生はうれしかったけれど、これまでよりもさらに私自身は、誰からも注目されなくなっていったのです。日々孤独を感じていたからこそ、私は一緒に遊んだり、悩みを打ち明けられるママ友が欲しいと思っていました。
ある日、バレエを習っている千夏ちゃんのママに「一緒に習わない?」と誘われて嬉しかったのですが…
多くの人から囲まれて祝福された私は、自分が主役になったような気持ちでいっぱいでした。
だからこの時、周りのママの微妙な表情、さらに千夏ちゃんママの言葉の意味をまったく理解できなかったのです。
今思えばこのときから「ママ友いじめ」の芽は出ていたのかもしれません。
娘の主役抜擢で一気に注目の的になった私。これまでの人生で「私が主人公」と思えたことは一度もありません。そんな私が多くの人から賞賛の言葉を浴びる日が来るなんて!
喜びで胸がいっぱいになっていた私。周囲の変化にはまったく気が付いていませんでした。
何かが起きている…だけど、原因が何かがわからず私は何もできませんでした。私が何かわるいことをしたの? この後、私は夫からある衝撃的な言葉をかけられるのです…。
次第に幼稚園では私たち親子がそばにいくと、みんなが離れていくようになりました。もちろん、今まで声をかけてもらっていたお茶会のお誘いもなければ、公園での遊びにも誘われなくなったのです。
私から声をかけようとしても避けられる日が続き、このままではまずいと思い始めました。
私や美紗は被害者であって、いじめているのはママ友たちです。それなのに、私が『悪い』とする夫に信じられない気持ちしかありませんでした。
いつも、おどおどしていた私がようやく舞台にあがったのに…。
私はこれまで自己主張はあまりせず、ママ友さんたちに意見をすることはありませんでした。だから自分が標的になるなんて思いもせず、被害者意識に支配されてしまっていました。
ママたちは、それぞれが心のうちに抱えていたプレッシャーや、誰にも見せたくない弱さを持っていると思います。無視をする側、された側で立場は違えど、今回のようなことは誰にでも陥る可能性があるのかもしれません。
私たちはこのお茶会以降、誰かの悪口を言ったり、マウンティングしたりすることもなくなり、ママの意識も大きく変わったように思います。しかし、私の心の溝は一部埋まることがなく、その時のママ友とは疎遠になってしまいました。
私が悪かったことはわかっているのですが、「ママ友いじめ」に娘が巻き込まれたことがどこか許せなかったのかもしれません。今回のことで、自分たち親の感情が子どもにどんな影響が出るのかを、強く反省する出来事となりました。