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差別を受ける「コロナ差別」

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療関係者や家族らが中傷、差別を受ける「コロナ差別」「コロナいじめ」が大きな問題となっている。感染者やその近親者も同様だ。リスクを負い、最前線で働く人たちの足を引っ張るような行為、感染者への非難はマイナスでしかない。市民一人一人の言動が問われる。
 「感染症に対する偏見や差別、特に医療・福祉従事者をはじめとする社会のために働く方々に対する偏見や差別は、絶対にあってはならない」。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は4月22日、提言で強く訴えた。
 医療・福祉だけでなく、外出自粛要請の中、運送業なども含め社会生活維持にかかわる人々の子どもが、登校自粛要請や登園拒否をされ、いじめを受けるなどの差別が明らかになっている。医療従事者がタクシーに乗車拒否された例もあるという。
 宮城県でも村井嘉浩知事が4月13日、同様のメッセージを出し、警鐘を鳴らした。
 差別や偏見について、日本赤十字社はホームページ(HP)上で、新型コロナウイルス感染症が持つ「三つの顔」として、動画やアニメ、イラストなどで分析。「病気」という「身体的感染症」に加え、「不安や恐れ」という「心理的感染症」、「嫌悪・偏見・差別」という「社会的感染症」の側面を指摘した。
 未知のウイルスが生む病気への不安や恐れから、本来の「敵」であるウイルスではなく、病気にかかわる人を直接的な嫌悪対象に、偏見、差別して安心感を得る。それがさらに病気の拡散につながる。この負の連鎖が、感染症が持つ怖さだという。
 感染者や家族が、不用意な行動を責められる例もある。ただ、症状を自覚しても受診を尻込みする人を生み、感染拡大につながりかねない。負の連鎖は、社会全体の団結力や抵抗力を弱めてしまう。
 2011年の東日本大震災による東京電力福島第1原発事故では、福島など東北の人々が「原発いじめ」や「風評被害」にさらされた。不当な中傷や差別を受ける苦しみを知る人は多いはずだ。
 今必要なのは、医療現場の最前線で闘う人への支援だろう。世界的に、建造物を青にライトアップしたり、決まった時間に一斉に拍手したりして、感謝とエールを送る活動が広がりを見せている。
 ネット上では、クラウドファンディングなどを通し、現場で不足するマスクや防護服などを調達する資金を集める動きなども活発だ。アスリートや芸術家、文化人らが、さまざまな形で協力している。
 自分が感染しないとは誰も断言できない。医療関係者らへの差別は、社会生活の「とりで」の破壊行為だ。冷静に、感染症を正しく怖がり、「中傷や差別」ではなく、「支援や感謝、敬意」を抱いて、できることをしていきたい。