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「いじめの経験」歌うシンガーソングライター

関川村に、かつて“いじめ”を受けた、シンガーソングライターの女性が暮らしています。新型コロナウイルスの影響で音楽活動が制限されるなか、歌を届ける姿を取材しました。

シンガーソングライター・小澤いずみさん

7月のある日、雨が降るなか晴れやかな気持ちで阿賀野市の高校を訪問したのは、関川村に暮らすシンガーソングライターの小澤いずみさん(27)です。

歌い始めたきっかけ

つらい経験を歌に

〈♪後ろから聞こえる バカ消えろ ウザいマジで死ねば良いのに〉 時に心が痛くなるような言葉を選んで歌にする小澤さんは、小中学生のとき教室へ入ることができず、高校ではいじめの標的にされた経験があります。 小澤さん:「(高校の教室で)一番前の席だったので、本当に後ろから聞こえてきた。“死ねよ”とか」

誰かの救いに

『昔の自分と同じように悩みを抱えている人は今も…』 そう考えた小澤さんは“経験を歌うことで誰かの救いになれば”と、2年ほど前から音楽活動を始めました。 小澤さん:「自分と同じ(いじめの)経験をしている人や、怯えながら生活している人に(私の歌が)届いてくれたらいいなと思っている」

“届けたくても届けられない”

単独ライブは延期に

そんな小澤さんの思いを阻んだのが、世界で猛威をふるう新型コロナウイルスです。 小澤さんは4月から毎月1回、新潟市中央区にあるLive Bar Mush(ライブ バー マッシュ)で単独ライブを開く予定でしたが、延期となってしまいました。 小澤さん:「この状況がすごく苦しい。(ライブを)やりたくてもできないし、(歌を)届けたくても届けられない」

Live Bar Mush・本間伸二さん

小澤さんへステージを用意したLive Bar Mushを運営する本間伸二さんは、新型コロナウイルスの影響で活動に制限が生じても、音楽の未来を信じています。 本間さん:「こんな時代だからこそ“いい音楽”をつくって、『音楽ってやっぱりすごいね』とみんなに言ってもらいたい」

 

 

 

ついに半年ぶりのライブ

リハーサルの様子

緊急事態宣言が解除され、学校でも新しい生活様式が定着するなか、阿賀野市の高校を訪れた小澤さん。ようやく歌を直接届ける機会がやってきました。 本来は3月に開く予定だった高校生に伝えるライブ。小澤さんが多くの人を前に歌うのは半年ぶりです。

校長がライブを依頼した理由

阿賀野高校・小畑智嗣校長

一方、歌う小澤さんの顔をスクリーンに映すためカメラをセットしていたのは、阿賀野高校の小畑智嗣校長です。 小畑校長:「密にならないよう、(椅子の)間隔を空けている。後ろの生徒にも小澤さんの表情を見せたい」 高校に小澤さんを招いたのは、ライブを見たことがある小畑校長の発案でした。 小畑校長:「私では(生徒に)伝えられないことも、小澤さんは伝えてくれるのでは」

つらい経験を赤裸々に告白

生徒の前で歌を披露

〈♪言葉は毒針のように 人の心を麻痺させていく〉 伝えたくても伝えられない時期を経て奏でられる歌声。この高校で全校生徒が一堂に集まるのは、新型コロナウイルスで休校してからこのライブが初めてでした。 小澤さん:「私はもうだめだなと、死のうかなと思って自殺未遂もした。でも自分の人生は一回しかないから」 歌の合間には小澤さんから生徒へ赤裸々な告白も。 小畑校長:「(小澤さんの歌から)自分が発した言葉や行動を相手がどう感じているのか(生徒に)考えてほしい。そして実践してくれれば、もっと高校生活は楽しくなると思う」

“声をかける勇気を持ってほしい”

生徒に伝えたいこと

そして、ライブの後半では小澤さんの歌う表情に変化が見られました。 〈♪想像を遙か超えたような未来〉 新曲『その先にある青』は、本間さんが苦しそうに歌う小澤さんに“新しい世界観を”とオーダーしたものです。 小澤さん:「もし、いじめられている人がいたら『大丈夫?』と声をかける勇気を持ってほしい。その人がいじめられたら、また誰かが『大丈夫?』と声をかけてほしい。

そうしたら一人になることはない」

ライブ休止中も歌うことをやめず

延期していた単独ライブ開始

Live Bar Mushでも延期になっていた月1回の単独ライブが始まりました。 感染症対策として基本は予約制で定員も半分に。この日のお客さんは8人と、ライブバーの収益はわずかですが… 本間さん:「(店の収入は)キツいのはキツいけど、お金ではないので」

CD制作に挑戦

そう話す本間さんは、新型コロナウイルスの感染が拡大する最中、小澤さんと共同でCD制作に挑戦していました。 6月に本格的なレコーディングを行っていて、9月にCDを発売する予定です。 小澤さん:「こんな時期でも、私は歌い続けていくぞという気持ち。家の中にいる人たちにも『届け!』と思いながら、レコーディングをした」

言葉の力を信じて

「言葉には救う力も」

言葉によって傷つけられた小澤さんが誰かのために紡いだ言葉と歌声。 小澤さん:「(心を)傷つける威力を持っている言葉だからこそ、救う力も言葉にはあると思っている」 不安が続く今、乗り越えた歌声は力強さに優しさを添えて響きます。