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いじめっ子とクラスを離してほしい

保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第8回は「いじめっ子とクラスを離してほしい」。

画像はイメージ

クラス分けの依頼を承諾すると
後々トラブルに


 4月の始業式の日、子どもも親も期待と不安の入り混じる複雑な心境でいるはずです。「素敵な先生が担任になったら…」という思いと共に「評判の悪い先生にはなってほしくない」という思いもあるはずです。教師に対するものとは別に、クラスメイトに関する思いもあります。「〇〇さんと一緒のクラスになりたい」「〇〇さんとは一緒のクラスになりたくない」というものです。

 ところで、クラス替えに関し、親から「いじめっ子とクラスを離してほしい」という依頼を受けることがあります。親がクラスを分けてほしいと言う程なので、担任も把握している関係であることが多いです。そういった場合、もちろん承諾してしまっては後で問題となります。親のネットワーク(SNSなど)で「クラス分けで自分の言い分が通って、嫌な子どもと別れることができた」ということが流れるようになったら、大変です。次の年から、そういった申し出がたくさん来るようになってしまいます。すべての申し出に対応することはできないので「不公平だ」「ずるい」「ひいきだ」ということを言われてしまいます。教師不信、学校不信に繋がることになります。

 クラス分けの依頼があった際は「事情はお聞きし、了解しました。ただそれらに対応できるかどうかは別の話となります。クラス分けは総合的に判断して行うものとなっています。そのように理解をして頂けると助かります。」という感じで答えておくことが良いでしょう。

クラス分けの仕組み


 実際のクラス分けでは、可能な限り依頼があったものは別のクラスにするようにします。小学校のクラス分けでは、学力を基準に分けていくことが多いと思います。そういったものに従って分けたものに微調整を加えていくことになります。たとえば、「人間関係」「リーダー性」「運動能力」などです。

 その際にとても参考になるものが「配慮事項の記録」です。その学年の子どもが入学時からその時までにあった大きなトラブルなどが記録されているものです。いじめなどによって同じクラスにしない方が良い組み合わせなどを書いておくものです。私が勤めている時には、各学年に一冊のノートがあり、クラス替えをする際にそれを参考にしていました。子どものトラブルだけでなく、仲の悪い親の情報などを載せておく場合もあります。普段は書庫(金庫)などに保管されていました。

 学校の教員は一定の年数で異動をします。数年前のトラブルなどはわからないこともあります。特に高学年(5、6年生)になると、低学年の時の情報などはわかりにくくなってしまいます。記録が残されていれば、後から担任をした人が把握し、対応することができるようになります。こういったことで未然にトラブルを防ぐことができるようになります。

 法的には「指導要録」などの帳簿があります。ただそこには細かなトラブルなどまでは書くことはしません。開示請求の際の対象でもあるので、あまりマイナス面のことは書くことを避ける傾向にもあります。それなので、公簿ではない形で情報を伝えるものがとても意味あるものとなってきます。近年、情報化社会となってきています。私が小学校で働いていた時のような「紙のノート」でなく、電子的なものでも良いのかもしれません。ただかなりデリケートなものなので、扱いには注意しなければ、大きな問題となってしまいます。その点への配慮を忘れないようにしたいです。