いじめニュース速報@イジ速

いじめ事件 ・イジメ ニュースを発信中!スマホいじめが増加!子供達をいじめから守ろう!

「〇〇菌」と呼ばれた男の子。

どこかでA君の気持ちに寄り添えた瞬間があったはず…

 

 

これは私が小学校の頃に体験した出来事。今でもふと思い出します……。

【前編】「〇〇菌」と呼ばれた男の子。
A君は物静かな子で、すぐにクラスに馴染むような活発な子ではなかったけれど、絵が上手で休み時間になると自由帳を開いて絵を描いていました。珍しい転校生ということもあって、A君の周りにはクラスのみんなが集まりました。

ノートに描かれたキャラクターの絵は、クラスの誰よりも上手くてA君はあっという間に輪の中心になりました。質問攻めになりながら、A君はもくもくとリクエストされた絵を描いていました。

【前編】「〇〇菌」と呼ばれた男の子。
A君は先生に気づき準備を始めましたが……焦る様子もなく、マイペースな表情は変わりません。クラスはA君の態度を不思議がる反応でいっぱいになりました。

「あいつ、先生に怒られてるのに……わかってんの?」
「何ですぐ片づけないの?」
「てか、怒られてんのに、絵の話するか?」

冷静なA君と、焦る私たちの温度差が目立ちました。

【前編】「〇〇菌」と呼ばれた男の子。
しかし、ある日を境にA君のクラスでの立場はさらに変化していきます。A君が給食当番で配膳していたときのこと。活発な男子が「A君菌がうつるぞ~」と茶化し出したのです……

「A君菌」お調子者の男子が発したその一言からでした。

 

ほんの悪ふざけの言葉だったのかもしれません。でもクラスの雰囲気はそれから変わっていきました。
【後編】「〇〇菌」と呼ばれた男の子。
「これっていじめじゃない……?」そんな意識はクラスのみんなあったと思います。でも誰もA君とペアになることはありませんでした。だって「A君菌」がうつったって言われるから。次は自分が菌って言われてしまうから……。きっと、はじめはそこに明確な悪意はなかったはずなのに。クラスがA君をいない存在のように振る舞うようになっていきました。

【後編】「〇〇菌」と呼ばれた男の子。
クラスはA君が教室に来なくなった後も、まるで転校前と変わらない日常のようでした。A君の給食を保健室に運ぶ当番も最初は日替わりでクラスのみんなが運んでいましたが、しばらくすると固定のクラスメイトだけが運ぶようになりました。

【後編】「〇〇菌」と呼ばれた男の子。
あのとき、A君に話しかけることができていたら……。体育の授業で「ペアになろうよ」そう言えていたら……。A君菌と誰かが言ったときに「そんなつまらないこと、言うのやめなよ!」と、言えていたら……。どこかでA君の気持ちに寄り添えた瞬間はきっとありました。でも怖くてその一言を発することはできませんでした。

人から中傷されたり、のけ者にされていい理由なんてありません。しかし当時は私も、クラス全体が次は自分がターゲットになってしまうかもしれない……そんな見えない恐怖に支配されていたように思います。あのとき、ほんの少しの勇気を持てたなら……。大人になった今、より一層強く思います。