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成人式見たかった… いじめ苦に自死した娘の肖像画を使って…

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「成人していたら、こうなっていたんだろうな」。熊本県北部の高校3年だった2018年、いじめを受けて自殺した深草知華さんは、絵の中でほほ笑んでいた。今年迎えるはずだった成人式に合わせ、両親が画家に頼んだ肖像画。絵の中でしか晴れ着姿になることができなかった長女を思うと、会いたい思いがさらに強まった。

 肖像画を頼んだきっかけは、昨年夏に聞いた支援者の話。同様に子どもを亡くした支援者は、成長した姿を想像で描いてもらっていた。知華さんの母親、志乃さん(47)は「娘はどんな雰囲気の大人になっていたんだろうと思うと、私たちも描いてほしい気持ちが強まった」と振り返る。

小中学校の友人たちが「知華と一緒に成人式に出席したい」と両親に話していたため、昨年10月に連絡した神戸市の画家には式に間に合うよう頼んだ。画家とは無料通信アプリ「LINE(ライン)」や電話でやりとりし、耳の形や首筋、顔の輪郭などがはっきり写っている10枚の写真を送った。好きな色や着せたい晴れ着のイメージも伝えた。

 縦46センチ、横38センチの油絵が手元に届いたのは元日の午後。青を基調にした晴れ着に身を包む知華さんの肖像画を目の前にすると、志乃さんら家族には喜び以外の感情も押し寄せた。「完成を待ちわびていたはずなのに、会いたい気持ちが強まり、とても苦しくなった。皆で泣き崩れてしまいました」

 「成人の日」前日の10日にあった成人式には、肖像画の知華さんを友人らが会場まで連れて行ってくれた。一緒に記念写真に納まった友人の隅倉瑞穂さん(20)と中川七海さん(20)は「いつも優しく、みんなを笑顔にさせてくれる子だった。絵からも、そんな雰囲気が伝わる」と知華さんをしのんだ。

 肖像画は、月命日などのお参りに訪ねてくれる友人らを出迎えられるよう、自宅のリビングに飾った。「楽しそうにしている家族や友達を見るのが好きな娘だった。私たちも毎日泣いているわけにはいかない」。両親は涙を拭き、笑顔の知華さんを見つめた。