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「どこおるんや」公立中いじめ事件 送りつけたLINE

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コロナ禍を理由に対応が放置されていた深刻ないじめ恐喝事件が、家族の訴えにより大きな問題となって浮上しています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では著者で現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、福岡県の公立中学で発生した当案件の詳細を報告するとともに、放置だけに留まらぬ学校サイドの信じがたい対応を厳しく糾弾。さらにすべてのいじめ加害者に対して強い言葉による呼びかけを行なっています。

 

福岡県いじめ恐喝事件

2019年当時、福岡県の公立中学校に通う中学1年生の女子生徒(被害者Aさん)が、2020年2月に事態が発覚するまで同級生らにおよそ30万円を強請り取られていたことがわかった。

また、恐喝発覚後、学校側はコロナ禍を理由に問題対応を放置し、Aさんの保護者が市の教育委員会に申し出て、現在重大事態となっている

 

いじめの内容

Aさんの保護者によれば、2019年6月ごろからAさんは男子女子生徒のグループから、およそ8ヶ月間に渡り、コンビニエンスストアや100円ショップ、カラオケやゲームセンターなどに連れ出され、交遊費などを支払わされていたという。

記録によれば、「(Aは)またトイレの窓から逃げるんじゃないの」などの加害生徒らの発言が確認でき、Aさんは何度も逃げ出していたというが、そのたびにLINEや口頭で酷く罵られ、恐怖によって支配されていったという。

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Aさんは、事態を証拠に残すために録音などをしようとしたが、加害者に見つかり、データを消されたというが一部の記録が保存されていた。

実際のLINEのメッセージ

実際のLINEのメッセージ

また、Aさんは、学校、土曜の部活下校中、同じ部活の加害者の家に強制的に寄らされ、そこで荷物を全て置いていくよう指示されていた。その際、財布の中身も確認され、加害者は私服に着替え、Aさんは制服で加害者に付き合わされていた。また、荷物を加害者宅に置いていくように指示されていたため、Aさんは帰宅するにもできず、途中で逃げ出すこともできなくなっていた。

そこで、Aさんは被害状況の影響もあって体調不良が続くようになるが、加害生徒らはAさんの自宅に直接訪問し、Aさんの保護者が「Aは体調が悪い」といっても、しばらく自宅の前で居座るなどしていた。

Aさんは、精神的な苦痛から自傷行為に及んだが、学校はいじめに対応するどころか、登校を促していた。

私は一部電話の内容などを入手したが、加害の中心となった女子生徒らの声は高圧的であり、被害側が言う返答の一切を許さないという口調であった。

こうした所謂強要が加害者らの自宅の部屋という密室の中で行われ、その様相は粗野であり被害者にとっては屈辱的であったはずだ。

一方、こうしたいじめ行為というより恐喝という犯罪行為に及んだ生徒の中には、男子生徒もおり、威力的背景があったものとも想像できる。

中心となった生徒は警察に補導されたというが、当然のことであろう。

 

もはや教育の限界だ

多く、学校のいじめ対応では、いじめの申告があった場合に、いじめに関する事実関係の調査が実施されるが、問題を最小限に留めるために個別聞き取りが実施される。

 

これは第三者委員会の調査でも問題なるところではあるが、いじめ認定があったとしても、被害側が申告した内容のうち、言い逃れができない一部のみが採用されている場合がほとんどなのだ。

特に、個別の聞き取りは加害者に対して行われるが、素直に認める加害者はほとんどいないと言えるだろう。また、教員らは調査においての経験も基本もないため、個人的経験に基づくところが多く、その成果は期待できないであろう。

こうして、なぜか加害者が認めたいじめ行為のみが認められるという異常な事態が起こるのである。

 

本件においても、加害者らは「奢ってくれるから」という理由を述べていたという。事態が大問題であると知り、証拠が残っていると知るや、一部を認めたに過ぎない。

こうした加害者は嘘を重ねることで「自分の嘘を事実だと信じ込んでしまう」病的虚言症のようになってしまうのだ。

一方で、保護者の方は、我が子の嘘を信じ込もうとする傾向が強い。ニュースや他人事で耳にすれば、「馬鹿な親が子どもの幼稚な嘘を信じてやがる」と考えられるのに、我が子のこととなれば、幼稚な嘘だと気が付いているであろうに、万が一でも幼稚な嘘のシチュエーションもあったかもしれないと信じ込むのだ。

当然、本音では詰問されれば言い逃れても不自然になってしまうと思うから、それこそ素直に謝罪を申し出て、我が子に更生の道を進ませようとする正道をとるか、無為な理論武装をして、代理人などを立てるなどして過度に守ろうとする邪道の選択をすることになる。

こうした邪道の行きつく先は、慶応大学の学生が何度も強姦などを繰り返しては不起訴となって逃げ遂せる常習的犯罪行為者の予備軍となろう。しっかり反省し、二度と加害行為をしないと更生を誓い、教育を受けていく機会を愚かな保護者らが奪うという見方もできる。

特に本件のような、行為自体は、長期間の恐喝や強要、相当額な事実被害が出るような犯罪行為が行われている被害が起きている場合、これを「いじめ」の枠内に収めること自体にも様々な意見があろうが、学校や教育委員会の領域を超えていると言っても過言ではない。

学校関係者らは「学校は警察ではない」とよく言うが、その言葉が出よう問題は、教育の枠を超えた警察問題として、児童相談所家庭裁判所を含めた法の仕組みの中に委ねたらどうかと思うのだ。

対応に限界を感じているならば、自然の委任と言ってもよいはずだ。

 

文科省重大事態いじめガイドラインと市教委対応の差

Aさんの保護者によれば、当初学校長は、第三者委員会が設置されると言っていたが、市の教育委員会に説明を求めると、第三者委員会ではなく「いじめ対策委員会」を設置したということであったそうだ。

 

この市はいじめ防止対策協議会の他、いじめ防止等調査委員会の規定があり、いわゆる常設委員会の準備があると想定できるが、Aさんの保護者が受けた説明によれば、学校が調査し、教育委員会を通じて「いじめ防止対策委員会」が判断するということで、委員について職業職種は聞いているが、どこの誰なのかは教えてもらっていないとのことであった。

条例等々を確認したが、公開された範囲でわかることは、いじめ防止対策推進法第14条に基づくいわゆる常設委員会を設置するとあり、経緯不明でいじめ防止対策推進法第28条第1項に基づく調査の再検証などを担当する特別委員会を設置する旨が出てくるのであるが、いじめの第三者委員会は常設委員会の場合はそもそもの任期があって、教育委員会の直下で迅速な対応ができるように調査委員会などが設けられていることになるが、法第28条第1項基づく第三者委員会はその都度設置されるものであり、文科省ガイドラインによれば、度重なる学校や教育委員会による隠ぺい問題を受けて、委員の選任についてなどは「被害側の理解を得る」必要があり、14条に基づく委員会とは全く異質なものなのである。

地方自治の中でいじめ条例を設置し運用する仕組みであるいじめの法の仕組みは、これまでも多くのいじめ問題で、いじめ防止対策推進法といじめ条例の差が浮き彫りになっている。その根幹にあるのが、そもそもの大前提である「被害者に寄り添った対応」が反映されていないことにあり、教育委員会など学校の設置者が、これほど隠ぺい問題が報じられ問題となっているにもかかわらず、勝手に委員を設置してよいと考えていたり、重大事態いじめという概念を文科省が基準を示していても、判断するのは自分たちであると勝手な解釈をしているある種の専横問題がある。

 

Aさんのケースも、委員会が設置されているのであれば、そういう委員会でどういう決まりがあるのかなど、少なからず中立公平の担保のために、丁寧な事前説明が必要であったろうが、これはなかった。Aさん側はしっかりやってくれるのであれば、特に問題としない意向であるようだが、行政の事務や担保的作業という面では杜撰と言わざるを得ない。

 

いじめ解消の定義

いじめ解消の定義は「いじめ行為が止んでいること」「いじめの被害者が心身の苦痛を感じていないこと」の2つである。この2つの基準が満たされてはじめて「いじめが解消」と言えるのだ。

 

Aさんは、まだ成長する段階でいわゆる犯罪行為を伴ういじめ被害を受けた。こうした被害は経験豊富な大人であっても酷い精神的被害を受けるものであり、これがまだ人生経験わずかな子どもが受けたのであるから溜まったものではない。

それこそ、回復できるかどうかわからないほど、重篤な被害を受けた事になるのだ。

Aさんの保護者によれば、学校は人事異動などがこの対応中にあり、主体となって対応してくれていた3人もの教職員が異動になってしまったことなどで、対応の熱量は下がっていると感じることが度々あり、今となっては「早く終わってくれ」と投げやりな対応をされているということであった。

 

しかし、いじめ解消に基準が示されている以上、被害者が安心して学校に通える体制を早急に確保し、基準を満たすように効果的な対策をしなければならない。

安易な謝罪の会で終わったふりをしないように願うところだ。

そして、何よりもAさんのために、支援体制をしっかりと確保し、丁寧な対応をしてもらいたい。

 

編集後記

被害経験などがない人は、「逃げればいいじゃないか!」と言いますが、Aさんから詳しく聞けば逃げようがなかったことがわかります。

 

私は暴力団のフロント会社であった同業者に監禁されたことがあります。1度目は、酷い恫喝を受けました。一緒にいた従業員は腰が抜けてしまい、表情も酷く固まっていました。当の私は、彼が横にいたから、守らなければという意識が働いて、どうこの場から抜け出すかを観察するなどできましたが、もしも一人であったら、どうなっていたかはわかりません。

結果としては3時間ほどの恫喝の間、隙をついて、従業員を抱えて振り切ったわけですが、恫喝を受けると思考が固まりやすく、考えを巡らせることが難しかったのを覚えています。

Aさんの話を要約すれば、加害者の自宅に学校帰りなどに連れていかれ、その場でカバンや財布を取り上げれてしまいます。もしも出さなかったり抵抗すれば、集団で酷い恫喝を受けるわけで帰り道で逃げたりしても、自宅まで押しかけてくるわけです。

 

外での買い物はAさんに行わせます。もしも、お金が足りなかったら、やはり恫喝されるわけです。一部の加害者は10円とか100円を出して、あとは出しておいてと会計を任せるようにします。恫喝と脅迫、金銭や物品をたかる恐喝行為を長期間受けていたわけです。

酷い恫喝は精神を追い込みます。事実被害が出ていますから、複雑な心理状況は相手の言いなりになる方向で動いてしまうわけです。冷静さもあとのことを考えることもできず、ただただその場から逃れるための策として、お金を何とか用意するようになるのです。

さらに、Aさんは学校から、被害者が黙っていればよいという指導を受けたと言います。

しかも被害者だけが聞き取り名目で7回以上、数時間も指導を受けています。これは一体、どういうことなのでしょう。

口調は穏やかであったようですが、呼び出されること、話が無意味に長時間であること、まだ子どもの被害者一人に大人である教員二人がかりで行われる聞き取り名目の指導そのものが、いかに苦痛であり、被害者をどんなに苦しめた事か、教育者であろう教員は気づきもしなかったのでしょうか。

田舎の、のんびりとした土地柄、こんなところで未成年による恐喝など起きないとでも言いたのでしょうか。ハッキリ言って異常です。

しばらくすれば新聞報道が出ると思いますが、被害者はいつまでも苦しむのです。中には、加害者はいつまで反省すればいいのだという人もいますが、では、被害者は忘れることができない被害でいつまで苦しめばいいのでしょうか?加害者と同様、被害者にも人生があります。

三者は読み終われば、観終われば終わりかもしません。加害者は禊ぎを済ませ、事件が忘れられれば終わりかもしれません。しかし、被害者はどこまでも苦しめられて過ごすのです。

乗り越えられる人もいるかもしれませんが、きっと多くの被害者は乗り越えたのではなく、被害のトラウマなどへの対処法を見つけ、なんとなくやり過ごすことができるようになっただけのように思います。

失われた時間は戻ることはありません。

どうしようもないことだからこそ、二度と起こさせてはならないのです。

そして、あえて書きますが、加害者は一生自分のやったことを忘れるな。被害者は生涯苦しむのです。別に人生を楽しむのは結構です、それは人の勝手なことですが、自分のしたことで、生涯苦しんでいる人がいることを忘れるなと言いたいです。

被害者は貴方のしたことをいつまでも覚えています。

Aさんがいつか自然に笑顔で過ごせる日を願って、支援を続けていこうと思います。私側にいる人が多くなればと、切に願います。