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(4)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

 
 

 

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

 

C男が脅迫《動画送って》《写真でもいい》

旭川東警察署 ©文藝春秋

 一体、爽彩さんの身に何が起きていたのか。
のちに母親らが警察やイジメグループの保護者などに聞きとって判明したのは、
C男が爽彩さんに対して、しつこく自慰行為の動画や画像を送るよう
要求していたことだった。
取材班も現地関係者に取材する中で、C男が爽彩さんに対して送っていた
LINEのメッセージを確認した。

 6月3日、C男は爽彩さんに対して、次のLINEメッセージを送っている。

《裸の動画送って》

《写真でもいい》

《お願いお願い)

《(送らないと)ゴムなしでやるから》

 C男は爽彩さんに自慰行為の写真を携帯のカメラで撮って送るようしつこく要求。
まだ12歳だった爽彩さんは何度も断ったが、上記のような暴力をちらつかせ脅迫するようなメッセージもあり、恐怖のあまり、自身のわいせつ写真をC男に送ってしまったという。
それを機に、A子、B男、C男らによるイジメが目に見える形で露骨になってきた。

 

 

母親が何度も相談したが、担任教師は「イジメはない」

「A子はそのことがあった後に、爽彩に『大丈夫だった?』『私はあなたの味方だから』と言って、親切な友達のように装っていました。
しかし、その一方では、C男が爽彩のわいせつ画像を入手したことを知ると、
『私にも送って』と催促。
C男はA子に爽彩の画像を転送したそうです。
その後、複数の中学生が入っていたグループLINEにその画像が拡散されたこともありました」(前出・親族)

自宅に飾られている幼少期の爽彩さんの写真

 怯える愛娘の異常な様子に心配した母親は、何度も中学校の担任教師に
「娘はイジメられているのではないか」と相談したという。

「4月に1回、5月に2回、6月に1回、担任の先生に
『イジメられていますよね? 調べてください』とお願いしたが、
担任の先生からは『あの子たち(A子ら)はおバカだからイジメなどないですよ』
『今日は彼氏とデートなので、相談は明日でもいいですか?』などと
言って取り合ってくれなかったそうです」(同前)

複数で取り囲み、その場で自慰行為をするよう強要

 イジメは、さらに凶悪で陰険なものとなっていった。
6月15日、爽彩さんはA子らにたまり場の公園に呼び出されたという。

「当時、公園には緑が生い茂り、外から園内は見えにくくなっていました。
A子、B男、C男に加え、C男と同じZ中学校のD子、E子も後からやってきました。
さらに公園で遊んでいた小学生も居合わせ、複数人で爽彩を囲んだのです。

 そして『爽彩が男子中学生に裸の画像を送らされたり、
わいせつなやりとりをしていた』という話を男子生徒が突然し始めると、
周りを囲んだA子やD子、E子ら女子中学生が
『それ今ここでやれよ。見せてよ』と、爽彩にその場で自慰行為をするよう
強要したのです。

爽彩さんが呼び出された、たまり場の公園 ©文藝春秋

 その後、『公園では人が来るから』とA子らは、爽彩を公園に隣接する小学校の多目的トイレに連れ込み、再び自慰行為を強要しようとしました。
複数人に取り囲まれ、逃げ出すことも助けを呼ぶこともできず、
爽彩は従うしかなかった」(同前)

 爽彩さんは、この“事件”が起きたころから自暴自棄になり、
執拗なイジメに対して「もう好きにして」「わかった」と、
答えるようになった。
もはや抵抗する気力も残っていなかったのだろう。

爽彩さんがイジメをうけた後に描いた絵のトーンは暗い

 誰にも相談できず、凄惨なイジメに耐え続けていた爽彩さんだったが、
その後、イジメはさらにエスカレート。
ついには、4メートルの高さの土手から川へ飛び込むという事件にまで
発展してしまうのだ――。