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(5)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

「死ぬから画像を消してください」

 

川へ飛び込んだ事件で、警察も出動

 さらに取材を進めると、2019年6月22日に爽彩さんがA子ら10人近くに囲まれた挙げ句、
4メートルの高さの土手を降りて、川へ飛び込んだ事件が起きていたことがわかった。
この件では、警察も出動した。

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この“飛び込み事件”は、地元の情報誌「メディアあさひかわ」(2019年10月号)が報じている。

 記事は「自身の不適切な写真や動画を男子生徒によって
SNSに拡散されたことを知った女子生徒が精神的に追い詰められ、
橋から飛び降りて自殺未遂を図った」と伝えている。

 爽彩さんの母親の親族が説明する。

「記事は主犯格の人間を間違えていたり、事実と異なる部分もありますが、
爽彩が川に飛び込んだことは事実です。
現場は、彼女が過去に凄惨なイジメを受けた、
小学校近くの児童公園の前を流れるウッペツ川でした」

 

 取材班も現場を訪れた。
川沿いの遊歩道は柵で通行止めされており、乗り越えなければ川岸には近づけない。
川岸の土手は川面から4メートルほどの高さがあり、コンクリートで舗装されている。
ウッペツ川は、川幅3メートル、水深は1メートルほどの小さな川だ。
近隣に住宅はあるが、人通りは少ない。

 

 

「助けてください」爽彩さんは
中学校に電話したが…

「その日は雨が降っていたんです。
夕方6時頃、加害グループのA子、C男、別の中学校の生徒や小学生ら計10人以上が
ウッペツ川の土手の上に集まった。
これは事件後に爽彩の母親が本人から聞いた話ですが、
1人の生徒が笑いながら、『今までのことをまだ知らない人に話すから。
画像をもっと全校生徒に流すから』などと爽彩に言ったそうです。
『やめてください』と爽彩がお願いしたら『死ね』と言われたと……。

『わかりました。じゃあ死ぬから画像を消してください』と爽彩は答えたそうです。
しかし、別の生徒が『死ぬ気もねぇのに死ぬとか言うなよ』と煽った。
そこから集まった全員に煽られ、爽彩は柵を乗り越え、
コンクリートの土手を降り、ついに川へ飛び込んだのです。
“自殺未遂”というより、イジメグループたちから逃げるためには
川に飛び込むしかなかったのです」(同前)

イジメをうけた後に爽彩さんが描いた絵

 川へ飛び込む直前、爽彩さんは中学校に「助けてください」と、
助けを求める電話をしていた。
すると、連絡を受けた学校から母親の元にも「
今から公園近くの川にすぐに来てください」と電話があった。
母親は急いで現場へ向かったという。

「母親が川に着いたときには、爽彩は男の先生たちに抱えられていました。
着ていたジャージはずぶ濡れで、川から引き揚げられた直後だったそうです。
爽彩は『もう死にたい』と泣き叫んでいて。
その様子を、他の加害生徒たちは
公園側の遊歩道から柵越しに見ていただけだったそうです」(同前)

「川に飛び込むとき、
みんなが携帯カメラを」目撃証言

ウッペツ川 ©文藝春秋

 

この“事件”の一部始終を川の対岸から目撃していた人物がいたという。

「その方(目撃者)が川に飛び込んだ爽彩を心配して、警察に通報したのです。
その方は『私見てたの、1人の女の子をみんなが囲んでいて、あれはイジメだよ。
女の子が川に飛び込んだときにはみんなが携帯のカメラを向けていた』と
爽彩の母親に話したそうです」(同前)

 取材班はこの目撃者にも話を聞こうとしたが、
すでに亡くなっていることが現場周辺の聞き込みでわかった。

 

イジメ発覚を恐れた加害少年らは警察に虚偽の証言

 幸い川に飛び込んだ爽彩さんに大きな怪我はなかった。
だが、イジメの発覚を恐れた加害少年らは、のちに駆け付けた警察に対し、
「この子はお母さんから虐待を受けていて、虐待がつらいから死にたくて飛び込んだ」と
虚偽の説明をしたという。

爽彩さんの幼少期の写真(母親提供)

 最悪なことに、加害少年の虚偽証言を警察が鵜呑みにしたため、
爽彩さんの母親は、爽彩さんの病院へ付き添うことを止められたのだという。

「しかし、その後になって警察が調べて、虐待の事実はないことがわかり、
母親は入院する爽彩と面会できるようになりました。

川へ飛び込んだ日の夜、爽彩のスマホが母親へ返却されました。
母親が電源を入れましたが、当時ウッペツ川周辺で警察に
『爽彩の友達だ』と証言していた生徒らからは、心配するメッセージや着信も一切ない。
不審に思い、念のために爽彩のLINEを開くと、
そこには、A子やB男、C男らによるイジメの文言や画像が残っていたのです」(同前)

加害少年のスマホから上半身裸や下半身露出写真も

 この“事件”をきっかけに警察もイジメの実情を認識した。
事件から数日後、爽彩さんのスマホのデータからイジメの事実を掴んだ旭川中央署少年課が
捜査を開始。
当初、加害少年らは自身のスマホを初期化するなど、イジメの証拠隠滅を図ったが、
警察がそのデータを復元し、彼らが撮ったわいせつ動画や画像の存在が明らかになった。

自宅に飾られていた爽彩さんが描いた絵

 そして、刑事らによってイジメに加わった中学生と小学生ら全員が聴取を受けた。
母親も警察から事件の概要を聞かされて初めて、
爽彩さんが受けていたイジメの全容を知ることとなったという。前出・親族が続ける。

「母親は、警察から『爽彩さんで間違いないか』と
加害者が撮った写真の確認をさせられたそうです。
その写真というのが酷いものだった。
爽彩の上半身裸の写真や、下半身を露出させた写真や動画があったのです。
上半身裸の写真には、爽彩の顔は写っていませんでしたが、服は爽彩のものでした」

 

 

C男は児童ポルノ法違反も、14歳未満で刑事責任を問えず

 捜査の結果、わいせつ画像を送ることを強要した加害者であるC男は、
児童ポルノに係る法令違反、児童ポルノ製造の法律違反に該当した。
だが、当時14歳未満で刑事責任を問えず、少年法に基づき「触法少年」という扱いになり
厳重注意を受けた。
A子、B男、D子、E子らその他のイジメグループのメンバーは
強要罪にあたるかどうかが調べられたが、証拠不十分で厳重注意処分となった。
現場となった公園はその後、小学生の立ち入りが禁止されたが、
加害者側は誰一人処罰されることはなかった。

イジメの現場にもなったたまり場の公園 ©

「しかし、彼らは反省すらしていなかったのです。
捜査終了後、警察を通して、爽彩の画像や動画のデータは
加害者のスマホからすべて削除させたのですが、
翌日に加害者のひとりがパソコンのバックアップからデータを戻して
加害者たちのチャットグループに再び拡散。
その後、警察がパソコンのデータを含め拡散した画像をすべて消去させても、
データを保管したアプリからまた別の加害者が画像を流出させたりと、
その後もわいせつ画像の流出が続きました」(同前)