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(16)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

「報道されている言葉が本当であれば、ふざけんなって思います」

 

 爽彩さんが加害生徒から受けた凄惨なイジメの実態を報じた文春オンラインの記事について、その真偽を問う質問も集中した。

「報道されていることは事実なんですか? 
過剰なんでしょうか?
子供に『お母さん私どうしたらいいの?』と言われて正直悩みました。
先生方は命の大切さとおっしゃっていましたが、言葉の重みというものも子供達に伝えて欲しいです。
報道されている先生が発した言葉が本当であれば、ふざけんなって思います。
今回報道されなかったら誰も何もしなかったのか」(在校生の母親)

 

 校長はこう答えた。

「言葉の重みというものにつきましては、本当に重く受け止めて参りたいと思っております。今回の報道に関わる部分ですけれども、当時の学校の対応に関わる部分の中で、食い違っている部分もあります。その部分も含めてこの後の第三者による調査の中でしっかりと検証されていくと思っております」

 

学校側はイジメについて子供たちに「話はしていない」

 爽彩さんが受けたイジメの事実について、これまでY中学校は保護者、在校生らに詳しい説明をしてこなかった。
ネットで事件を知った子供から事件について聞かされた保護者たちは混乱していた。質疑応答は白熱していった。

 

「今回の件について、生徒たちには学校からどのように説明しているのでしょうか。
子供に質問された時に私たち親はなんて答えればいいんでしょうか、教えてください!」(在校生の母親)

「今回の件につきましては、先ほども申し上げましたように、
今後第三者による調査によりまして学校の対応を含めて色々な面が明らかになったら、今後学校としてどういうふうにして受け止めて、指導にいかしていかなければならない。
そのことをしっかりと受け止めて参りたいと思っております」(校長)

 

スマホタブレット、パソコンでどんどん情報が入ってきて、
子供たちは私が教えなくてもネットを見て知っていくという状態です。
学校側は今日この説明会があるまで子供たちに対して何の説明をして、
どういう対応をしたんですか?」(3年生の母親)

「この事案に関わるお話は公表できない事になっておりますので、お話はしておりません。学校が行っている対応は警察と連携しながら登下校の時に巡回をしていただくとかですね、安全安心に関わる部分の対応を行ってきているところであります」(校長)

 

 

「Y中学校を爆破する」と脅迫電話が…

 実はこの日の朝、何者かが市役所に「Y中学校を爆破する」と脅迫電話をかけてきたという。
そのため、市は警察と相談し、この日は学校周辺をパトカー数台が一日中警戒に当たるなど、終日緊張感に包まれていた。
保護者からはこの点についても不安の声が出た。

 

 

「今日、爆破予告が入っていたというのは本当ですか?」(1年生の母親)

 

「今お話にありました爆破予告と言いますか、そういうような愉快犯は市役所の方にそういう情報が入っていたということは聞いております」(校長)

 

「私は不安を抱えたまま子供を送り出しましたし、学校に行った子供も不安だったと思います。
そういう(爆破予告の)事実があったら、まず(爆弾が校内にないか)確認して大丈夫なのか、少し登校時間をずらすとかできないのか、せっかくメールを登録しているのでご連絡いただきたいです」(1年生の母親)

 

「わかりました。警察、教育委員会と連携してですね、施設も一度全部点検していただいて、安心だということでこのまま対応させていただいております」(校長)

 

学校側の煮え切らない態度に、飛び交う怒号

 いつしか会場には怒号が飛び交うようになっていたという。
学校側の煮え切らない態度に怒り、途中退席する保護者も大勢出るなど、保護者会は大荒れとなった。
保護者の非難の矛先はイジメ問題の当事者でありながら、今回の保護者会には姿を現さなかった前校長や当時対応にあたった現教頭に向けられた。

 

「2年前にいた校長先生は、今日この場にいらしてないんですか? なぜですか?」
(1年生の母親)

 

「来ておりません。お気持ちはよくわかるんですけども、いま本校の職員でないので、そのような状況にはならなかったです。
大変申し訳ございません」(校長)

 

「最初に、報道に対しての説明をするという話で開始しましたよね。SNSでの誹謗中傷、(子供は)当然みんなSNSや報道も見ている。文春オンラインの記事の内容を見て僕は涙が出た。この学校に子供を通わす親として、本当に大丈夫なのかと。
それに事件に関して何の説明もない。
『第三者委員会』を繰り返して、あのおぞましい行為をイジメじゃなかったと判断している学校。
この中途半端な説明会でどれだけみんなが納得すると思いますか。
そしてやるからにはきちんと記者会見して、イジメはなかったと言えるくらい胸張っていてくださいよ。
教頭先生、生徒のスマホ画面をカメラで撮ったそうじゃないですか。
これも第三者委員会じゃなくては分からないことなんでしょうか」(在校生の父親)

 

教頭は「私自身は法に反することはしていない」と主張

 

「……」(教頭)

「今あったお話にこの場でお答えできないことが本当に心苦しいですけども、
私どももお話できない状況になっておりますので本当に申し訳ございません」(校長)

 

「教頭先生にお話はしていただけないのでしょうか?」(在校生の母親)

 

すると、教頭はこう答えた。

「私の方からお話できることは、第三者委員会の調査の中では、私の知っていることは全て誠実にお伝えさせていただきたいと思っております。
1つだけ今回の報道等に関することは、個別の案件に関わることですのでお答えすることができませんが、私自身は法に反することはしていないということはお伝えさせていただきたいと思います。このあと捜査を受けることになるか分かりませんけども、しっかりと対応していきたいと思っております。現段階では私のお話は以上です」(教頭)

 

教頭、担任教師は一度も頭を下げることはなかった

 1時間30分に渡って行われた保護者会は20時30分に終了。
20名を超える保護者から学校側に厳しい意見が突き付けられたが、
学校は「第三者委員会の調査」を理由にほとんどの回答を拒否。
保護者からは「何のための保護者会だったのか」
「まったく意味がなかった」などの声が洩れたという。

 事件当時を知らない校長は何度も陳謝し、保護者に頭を下げたが、
爽彩さんや母親が必死に助けを求めた
教頭、担任教師は一度も頭を下げることはなかったという。

 

 

爽彩さんの幼少期の写真

 爽彩さんの遺族は、文春オンラインの取材に対して以下のコメントを寄せた。

「事前に連絡はなく、説明会のことは知りませんでした。
どんな説明会だったのかはわかりませんが、ほかの関係のない子供たちが巻き込まれてしまっているのは、とても辛いです。
学校に対しては、イジメと向き合って、第三者委員会の調査に誠実に向き合っていただきたいです」

 保護者会の翌日の4月27日、旭川市教育委員会は定例会議で「女子生徒がイジメにより重大な被害を受けた疑いがある」と、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」に認定。5月にも第三者委員会による本格的な調査を始めると発表した。
Y中学校の誠実な対応が求められるだろう。

 

 

 会議を終え、取材に答える北海道旭川市西川将人市長(右)
と黒蕨真一教育長=22日午後、旭川市役所