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戦争といじめ

15日は終戦記念日。戦後76年、日本は二度と戦争をしない誓いを守ってきました。でも、今も世界では戦争が絶えず、多くの子どもが犠牲になっています。日本でも「いじめ」などの暴力に苦しんでいる人は少なくないでしょう。どうしたら戦争もいじめもなくせると思いますか。 (吉田瑠里)

◆児童文学作家・あまんきみこさん 本当に正しい?本質を考えよう

小学三年の国語の教科書にも載っている童話「ちいちゃんのかげおくり」。戦争中に空襲で家族とはぐれ、独りぼっちになった女の子の物語だ。作者の児童文学作家あまんきみこさん(89)=写真=も子どもの頃、かげおくりの遊びが好きだったが、「空襲で空が怖いところになった」と振り返る。
 あまんさんは旧満州中国東北部)で生まれた。十四歳の時に現地で終戦を迎えるまで、学校の習字で「聖戦」と書き、正義のための戦争と習った。だが戦後に日本に戻り、図書館に通って旧満州のことを調べてショックを受けた。日本が攻めて土地を取り上げ、もともと住んでいた中国の人たちを日陰に追いやった…。「後ろめたさがずっとある」。昨夏、旧満州での体験を基にした絵本「あるひ あるとき」を出版した。
 「戦争は、どちらも自分たちが正しいと言う。そして始めたら、殺される前に殺す」とあまんさん。「小学校に入ってしばらくしたら戦争のことも少し知り、本質を考えていってほしい」と呼び掛ける。

◆「暴力の肯定」は同じ

 いじめは法律で、「行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義されている。国が早期発見を促していることもあり、全国の小中高校などで二〇一九年度に認知されたいじめは約六十一万件で、五年連続で過去最多を更新した。内容は「からかい、悪口」「遊ぶふりをしてたたかれたり蹴られたりする」「仲間外れ、集団で無視」の順に多かった。
 なぜ起きるのか。一一年に中学二年生がいじめを苦に自殺した大津市で一九年、小中学生に聞いた調査では、「気に食わないところがある」「一緒にいじめないといじめられる」という答えが目を引いた。
 「いじめも戦争も、暴力を肯定すること。自分たちが気に食わない人たちを暴力で排除することから始まり、周りの人は居場所を失いたくないから合わせて行動するようになる」。いじめ問題に詳しい立命館大大学院の春日井敏之教授(68)は指摘する。暴力を振るう側が、不安やストレスを抱えていることも多い。
 子どもたちが話し合い、いじめの防止に向けた「宣言」を作る取り組みも各地で広がる。春日井さんは「いじめを止めるために自分に何ができるか考えることは、暴力に対するブレーキを強くする」と話す。