北海道旭川市で2021年3月、当時中学2年の女子生徒が遺体で見つかり、市の第三者委員会がいじめの調査を進めている問題で、市は8月30日これまでの状況を公表しました。 この問題は3月、旭川市の公園で当時中学2年の広瀬爽彩さん(当時14)が遺体で見つかったもので、市はいじめはなかったのか、第三者委員会を設置し、調査を進めてきました。 広瀬さんの遺族は8月18日に記者会見を開き、実名と手記を公表。代理人を通じて「情報共有があまりにも少ない。現在の状況では、不信感と違和感しかない」と市の対応への不満を訴えていました。 萩生田文科相は27日に「迅速かつ適切な調査」を進めるよう旭川市などに求め、市教委が30日に会見で状況を説明しました。
会見では、これまでに行った6回の対策会議の内容と今後の予定を説明しました。詳細は以下の通り。 ・5月:全ての小中学校でいじめアンケートや教育相談を実施 学校いじめ防止基本方針に関わる校内研修、「いのちの大切さやいじめ防止」に関する授業を実施 ・7月:市教委と道教委がすべての中学校を訪問 ・8月末までに「生命の安全教育」に関わる授業を実施予定 ・9月に管理職・教諭などを対象にした研修会を実施予定 このほか、児童生徒が主体的になっていじめ防止の取り組みを実施してきたとしています。 遺族側が公表した手記に生徒や教頭の対応が書かれていたことについて「そういった発言があったとしたらあってはならない。すべて対策委員会に提出していて今後明らかになっていく」と回答。 いじめに関係したとされる生徒への聞き取り調査は「今のところ行われていない。学校職員のアンケートで行われる」とし、聞き取った内容は調査委員会に提出したとしています。 また、関係した教職員への聞き取りや、アンケートの実施もまだ行われておらず、今後の時期は未定としています。 旭川市は「調査の状況をお知らせするのが重要と考え、支障のない範囲で伝える。具体的なことにはお答えできないこともある」と会見冒頭で説明し、調査の状況の詳細は概要を伝えるにとどまった形です。 当初11月をめどに報告書をまとめるとしていましたが、このめども立っておらず、黒蕨真一教育長は「(遺族側の)不安や不信の払しょくに努めたい」としています。