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いじめからの奇跡の学び直し塾、人気の秘密!

発達障害、うつ、ひきこもり。自らの困難に満ちた人生経験を活かし、再チャレンジのための塾「キズキ共育塾」を起業した安田祐輔さん(キズキグループ代表)。先日初の著書『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理由』を上梓した安田さんが、バングラデシュなど途上国発の人気ファッションブランド・マザーハウス主宰のイベント「マザーハウスカレッジ」に登場しました。学生時代から安田さんを知る山崎大祐さん(マザーハウス副社長)が、道を切り拓くヒントをひも解きます。

僕の人生は、子ども時代から高校まで、ほとんど底辺

山崎 安田さんの人生曲線ですが、まるでジェットコースターですね(写真グラフ)。

安田さんの人生曲線

安田 僕の人生は、子ども時代から高校までほとんど底辺って感じでした。両親も仲が悪くて家に居場所がなく、発達障害、特にアスペルガーがある関係で学校にも居場所がなかった。

山崎 ずっと我慢してたんですか?

安田 はい。そして、寮がある中学校を見つけて12歳で家を出ました。でも、中学でも発達障害傾向が原因でいじめられて。

山崎 中退したんですよね。

安田 中2の終わりで中退して寮を出て祖父母に預けられました。祖父母とも合わず、再婚した父たちと暮らしたら継母にもいじめられ、家に帰れなくなった。「なんで自分だけがこんな目にあうのかな?」とずっと考えていました。「なんでこんなに人生キツイんだろう」って、ずっと悩んで。

ヤンキーのパシリから、国連を目指す受験生に転身

山崎 人生曲線を見ると、「大学入学」というのがあります。この高校時代のヤンキー写真からは想像できないけど。

安田 高校はほとんど出席しなくても、追試や補修を受ければ卒業できるような学校。しかも、僕は地元の暴走族のパシリのような存在でした。

高校時代の安田さん

山崎 なぜ、そんな状況で、大学入学に至ったの?

安田 進学する人もあまりいない普通の全日制で、それでも進路は決めなきゃいけない。でも、当時生活費のためにしていたバイトも、すべて3ヵ月ぐらいでクビ、または居づらくなってやめてたんです。(働くのが難しいので)「就職を先延ばしにする」というのが、進学を考えた一つ目の理由。それに加えて、ここで努力をすれば自分の人生変わるかもしれないし、努力しないと今のどん底の人生がこの先も続いちゃう──なんとか変えないといけない、と思い始めたのが二つ目の理由です。

山崎 大学はICU国際基督教大学)ですよね? 「とりあえず、どこかの大学に行けばいいや」というのではなかったんですね。

安田 勉強の仕方が分からなかったので、ニュース=真面目という短絡的な理由でテレビのニュースを見るところから始めたんです(笑)。そこで、アフガニスタン空爆イラク戦争の報道で子どもたちが泣き叫んだり、傷ついたりしている姿を見て。世界にはこんな不条理なことがあるのかと思い、勝手にシンパシーを覚えました。これを解決できる人間になるためには、大学に行かなければ、と。国連へ入るなら東大かICUがいいと知り、その二つを目標にしました。

山崎 受験勉強はどうしたんですか?

安田 当時、小学生レベルの基礎学力しかありませんでした。偏差値30くらい。はじめに行った予備校では、「君みたいのがいると風紀が乱れる」って言われて、入塾拒否されました。バカだと思われるのが怖くて、「勉強のやり方が分からないから、教えてください」とも言えなかった。その後、1日13時間、2年間ほとんど誰ともしゃべらず、眠いときは椅子に足をしばりつけたりして勉強しました。とても効率が悪かったとは思いますが、「量で勝負すればなんとかなる」と二浪してICUに合格しました。その経験が今につながっています。

大学卒業後、一流商社への就職したものの……

山崎 大学に入ってからはハッピーだったんですか?

安田 めちゃくちゃ楽しかった。それまであまり人に優しくされたことがなかったから、大学の入学式は「もうこれ以上、周りになめられちゃいけない」と思ってサングラスかけて行ったんですけど(笑)。ICUのクラスメイトが優しくていい人ばかりで、大学は居心地がよかった。思いっきり勉強もできたし、成長していくのがすごく楽しかった。

山崎 大学に入っても、勉強し続けたんですね。

安田 そうですね、勉強はやればやっただけ、成果が出る。自分の成長を最も感じやすい。努力したら、何があってもいつでも「ここ」に戻ってくることができるっていう、純粋な喜びがありました。

山崎 卒業後は?

安田 大学時代ってすごく人生に迷う時期だと思うんですけど、当時僕は(仕事をするための)ミッションが見つからなかったんです。でも、それが見つからないってことは、どの仕事しても本気になれない気がして……その一方で僕は結構発想が短絡的なところがあるので、時給換算して一番高い企業に入ろうと(笑)。

山崎 いきなり振れますね(笑)。(入ったのは)結構大きい総合商社ですよね。

安田 一番苦痛だったのがランチタイム。12時になると社員が一斉に出るからエレベーターになかなか乗れないし、帰りも早めに切り上げないとエレベーターに乗れない。「俺は一体何やってんだろう」って疑問に思ってしまって、心がどんどん沈んでいきました。

山崎 学生時代が自由だから、ギャップを感じるよね。

安田 さらに配属先が中東とアフリカの油田の投資をする部署で。「油田を巡る紛争に企業がコミットするのは正しいことなのか?」と悩んで、ある日、上司に質問してみると、「俺、そんなことを考えたことなかった」と言われて……とてもいい方だったんですけども、(その感覚に)すごくギャップを感じてしまって。ある日、冷や汗が止まらなくなって頭が真っ白になって、本格的にうつになり休職。1年間もひきこもり生活が続きました。

働かないと食べられないなら、起業するしかない

山崎 何がきっかけで、その生活から抜けだせたんですか?

安田 僕の場合、親と疎遠なので、働かないと生活が成り立たない。就活をしても「前の会社を4ヵ月で休職」って履歴書に書いたら、どこも弾かれた。ひきこもりから1年くらい経ったころ、「自分で起業するしかないのかな」と思い始めたんです。

山崎 起業しようって思っても、社会人生活4ヵ月しかやってないじゃないですか。

安田 本にも書きましたが、僕なりの思考法で自己分析をしたんです。その中で思い出したのは、「大学へ行こう」と決めたときの辛さ。あの時代に適切なサポートがあったら、自分はもっと楽だったなぁって思った。だから、これをビジネスにしたらニーズがあるんじゃないかなと。そこで、ビジネスコンテストで稼いだ資金で、駅から徒歩20分・築50年・家賃3万円のマンションを借り、塾を始めました。

1回でも来てくれたら、支援の半分は終わったも同然

山崎 どうやって生徒を集めたの?

安田 そういう(ひきこもっている)子はウェブをよく見ているから、ウェブサイトを見たときに「ここだったら通いたい」と思ってもらえる工夫をしています。ウェブマーケティングを勉強して、「ひきこもり」「不登校」「中退」などのキーワードの検索順位を上げて行って……少しずつ生徒が増えました。1回でも家を出てキズキへ来てくれたら、支援の半分は終わったようなもの。家を出たことが半分くらいの前進で、残り半分は現場で支援していく。だから、ウェブには力を入れました。

山崎 ひきこもっている状態から、塾へ通いだした子は、最初はどんな様子ですか?

安田 初めは宿題をやってこなかったり、時間通りに来なかったり……でも、それは当たり前。最初は来てくれるだけでいい。一進一退を繰り返しながら、だんだん勉強するようになって成長を実感すると、(塾が)居場所になる。そして、最終的に大学に入れると、新たな居場所ができる……やがて講師として戻ってきてくれた卒塾生もいます。

挫折経験のある子を再び挫折させるわけにはいかない

山崎 普通なら、学校にも行ってない子を、どうやって高認試験を受けるところから大学受験まで導いて、大学まで通えるようにするのか──本当に奇跡に近いのに、どうやってビジネスにしていったのですか?

安田 無限に時間とお金があったら支援は難しい話ではないけれど、ビジネスだから人件費もかかるし、少ないリソースの投入で最大限の効果を上げなければならない。一方で、キズキに来るのは学校や大手の塾で挫折してひきこもった子が多いので、ここで挫折してしまうと、その経験が立ち直れない傷になる可能性がある。だから、「退塾率」と「退塾理由」を見ています。例えば、キズキを辞めて「東大受験予備校に行きたい方」であれば退塾してもオッケーですが、「再びひきこもる」という退塾を作り出してはいけない。それを、冷静に数字で見ています。数字を分析して、改善する余地があれば改善していく。それとともに、完全個別制のため、塾生と講師のシフトをはじめ、うまくオペレーションを効率化していくなどして、気を使っています。

山崎 講師の人たちの価値観は、どうやって合わせているんですか?

安田 熱い思いもありながら、(冷静に)よい支援をしていくためにどうすればいいかを考えてくださっている方を採用できるように、面接でかなり細かく徹底的に聞いています。大学生、社会人、主婦、定年退職した元大学教授の方など、本当にバラエティーに富んでいます。採用基準には入っていないんですが、結果的に講師の半分くらいが、うつやひきこもり、不登校、中退経験者です。いろんな生き方をしてきている人たちだからこそ、当事者に勇気を与えている側面もありますが、ひきこもりな等を経験していない講師も半分います。

不登校や中退の若者に必要なサービスが足りていない

山崎 ストレートに聞いちゃうんだけど、生徒さんの塾代の未払いの問題は? 代金回収はとても大事だと思うけれど、結構ドライにやらざるを得ないですよね?

安田 基本的には前払い制なのでお金が止まったら授業できないんです。ですが、「本当はお金のない家庭の子も支援したいのに、できない」というもどかしさもあったので、塾代を払えない子のために寄付制度を始めました。キズキ(グループ)が塾代の寄付を募り生徒に補助するんです。

山崎 それは本来なら、行政側がやらなければいけないことですね。

安田 今の社会は不登校や中退の若者に必要なサービスが足りていない。そんな人たちのためのサービス(事業)があったら、今苦しんでいる人たちを助けられるのに──キズキは、そういった「この世界に必要だけれども、まだ社会に存在していない事業を作る」ことを大事にしています。

山崎 現在、キズキグループは、株式会社とNPOに分かれていますが。

安田 起業当初、塾代が払えなくて助けられなかった子が何人かいて、いまだに後ろめたいんです。だから、それに対する寄付の仕組みを作りたいと思ったんです。不登校・中退(の人たち)ってお金を持っている人も、持っていない人もいるので、お金を持っている方にはしっかりビジネスとしてサポートする。そこは株式会社でやっていく。一方、お金を持っていない方にはNPOで寄付をしたり、行政の政策を変えて行くようなアプローチをしていく。「塾代が払える世帯にはサービスするけど、払えない世帯にはサービスしない」ってことはキズキが掲げたミッションと違う。やっちゃいけないことだと思っています。

その苦しみはいつか今の自分を生かしてくれる

山崎 そしてまさに軌道に乗ると。組織が大きくなるとさまざまなこともあったと思うけれど。

安田 起業当初は会社を軌道に乗せる努力をしながら守ることに必死で、僕自身、楽しめませんでした。そして、スタッフが増えてくると、みんなキズキの価値観に共感して入社してくるんで、そこのぶつかり合いみたいなこともあって、派閥ができたり──生徒たちが大学に受かって、いきいきと大学に通ってくれることは楽しいけれど、ホントは何がやりたかったんだっけなぁって……。

山崎 ソーシャルビジネス(ビジネスの手法を使って社会問題を解決しようとする事業のこと)というのは、特にそういうのが起こりやすいですよね。価値観の違いとか考え方の違いとか露呈してくる。でもここ数年で、業績がぐっと伸びてきてますよね?

安田 会社としては順調といえば順調です。僕のメンタル的にも、ここ半年くらいはすごく軌道に乗っていて。書籍の出版についても執筆に3年かかりましたが、当事者やその親御さんなどからメッセージをいただけてうれしかった。

山崎 単なる経営者の成功体験本ではないですよね。

安田 「俺も成功したからお前も頑張れ」みたいな話にはしたくなかった。頑張れないことが苦しいので。苦しいことばかりだったけれど、その苦しみはいつか物語になって今の自分を生かしてくれる、と伝えたかった。

山崎 それは僕もすごく納得感があって。この本を読んで、ある種の爽快感みたいなのがありまた。ところで、34歳の今、改めて自分の人生曲線を振り返るとどうですか?

安田 ここまで上下があると、また下がったとしても上がるんだろうなぁと思えるから楽です。今、本当にとても楽しいけれど、5年後どうなるか分からない。でも、その時もまた一生懸命やれば上がるというのが分かるから、不安はありません。

山崎 社会的成功だけでいいなら、起業じゃなく、また大企業に再就職なりして、方向転換があっただろうし、そういうことではないんでしょうね。

安田 はい。自分の中では誰とも比較していなくて「自分の理想像」みたいなものがあります。この事業をやって、こういう社会問題を解決するとか、それに向かってずっと頑張るだけだなと思っています。

山崎大祐(やまざき・だいすけ)マザーハウス副社長。1980年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券を経て、株式会社マザーハウスの経営への参画、取締役副社長に就任。途上国にある素材や人材の可能性に光を当てたモノ作りを行う株式会社マザーハウスの副社長として、年間の半分は途上国を中心に海外を飛び回っている。
安田祐輔(やすだ・ゆうすけ)1983年横浜生まれ。キズキグループ(株式会社キズキ/NPO法人キズキ)代表。複雑な生い立ちを乗り越え、偏差値30から国際基督教大学ICU教養学部国際関係学科入学。大手商社へ入社するもうつ・ひきこもりとなり、2011年にもう一度勉強したい人のための個別指導塾「キズキ共育塾」開塾(2018年現在全国に5校を展開)、多岐にわたり若者を取り巻く社会問題を解決する活動を行う。『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理由』講談社)発売中。
 
 

子供に好かれる保育士は同僚に嫌われる

男性彼女にしたい職業の上位に常にランクインする保育士幼稚園教諭。子供好きなところや、清楚で素などいいイメージも多いが、職場は女の園。世間で騒がれている低賃よりも、陰湿ないじめで退職する人も少なくないという。そのいじめはいかほどのものなのか。過去に陰湿ないじめにあった元保育士さんにその実態を聞いた。

  2児の現在は専業主婦として庭を支えているSさん(30歳)は黒髪を後ろに1つに束ね、化粧気はないものの鼻立ちがハッキリとしたかなりの美人彼女短大卒業後に幼稚園教諭として1つのところで2年間正規として働き、その後1年ほど属託として働いていた過去を持つ。

「1つの職場は新卒で採用されて、周りは母親ほど年齢の離れた人たちばかりでした。だから最初は本当に色々親切に教えてくれたりしていたんです。子供たちが帰ってからピアノ練習する時なんて、練習にも付き合ってくれていました」

 しかし、子供たちから好かれたことで職場の雰囲気は一転したという。

「2人で1つの教室の担当になっていたのですが、もう1人の先生より自由時間になると私のほうへ子供たちが集まることが増えていったんです。そしたら急に態度がガラっと変わって、いじめに遭うようになっていきました。

 私は2人組のサポート側だったので、そこから子供たちに関わる時間のほとんどで雑務ばかりを命令されましたね。子供たちとの接点をくされたんです。さらに、1日で終わらない作業を命じられるのは当たり前、1日の保育終了時に先生同士での話し合いの会があったんですが、作業が遅いとか、どこかダメだったかを逐一他の先生に報告されていました」

 さらに、女性同士だから黙認されてしまうようなセクハラまがいのことも受けていた。

「『子供を産んでないくせに』と男性から言われたら明らかセクハラになる言葉を浴びせ続けられていました。子供がいないから、子供の気持ちがわからないと。ニュースでは子供を産む順番があるなんてものが流れたりしていましたが、私の園では逆でしたね」

 最後には子供たちのにSさんの失敗エピソードを膨らまして言われたり、失敗したことの一覧にまとめられ、園長や他の先生に配られたこともあったそう。

 続いて話を聞いたのは、保育士として3年前まで働いていたIさん(28歳)。彼女の職場では多勢によるいじめが行われていたという。

「そこは経営者と園長がズブズブで、絶対的な権限を持っていたんです。他の先生たちがいかに園長に気に入られるのかの合戦が毎日行われていました。その園は2つの職場で、1つ平和だった分、その流れに気付くことができなかったんです」

 Iさんはたった一度だけ、経営者家族へのお呼ばれを断ってしまったことでいじめの対になってしまう。

「お呼ばれの時は家族の用事でどうしても参加できませんでした。断った時は園長は笑顔で理解してくれたのに、次の日出社すると今まで仲良くしてくれていた同期先生から視されて……。話しかけられる時は用事の時だけ。パソコンなどで作った園だよりなどの資料のデータが消されたことや、手書きで作った保育室の装飾物を破かれていたこともありました。トイレ掃除も新人の分担なのですが、私だけやらされ続けましたね。

 本当に辛かったのは、休憩時間は私以外のみんなが輪になって聞こえるように文句を言われること。居場所がなくて、トイレロッカー、外にある階段の隅っこで時間を潰していましたね……」

 Iさんは正規雇用だったこともあり、いじめにあう前から属託の同期には「正規なんだから」と数々の作業を負担させられていたとか。男性がいるところではあまり行われない女性の陰湿いじめ。もちろんいじめなどない園のほうが多いだろうが、働く前に見極めることが難しい。あの癒し系笑顔の裏にはこんな苦悩が隠されているのかもしれないのだ。

 

ファンの名のもとにオンラインいじめ

Ariana Grande, Pete Davidson, Rose Tico Cosplay, Nicki Minaj

米歌手アリアナ・グランデさんと婚約しているコメディアン、ピート・デイビッドソンさんが最近、インスタグラムのアカウントを消した。

 

人気コント番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演するデイビッドソンさんは、「インターネットは邪悪な場所だ。自分にとって気持ちのいい場所じゃない」と最後に書いて、インスタグラムを後にした。

アリアナさんも、自分も同じようにするつもりだという。ソーシャルメディアの攻撃性は本当に「いやになる」とツイートした

ピートさんは、アリアナさんと祖父の写真に「なんて可愛い子ちゃん」と書いたのを理由に、アリアナさんの一部の熱烈ファンから標的にされていた。そしてインスタ・ストーリーに次のように書いた。

「いや、なんでもない。いや、なにもなかった。いや、なぞめいたことはなにもないよ。ただ単にもうインスタグラムはやりたくない、それだけ。ほかのソーシャルメディアも。インターネットは邪悪な場所だ。自分にとって気持ちのいい場所じゃない。リアルな人生は最高なのに、なんでネガティブなエネルギーに時間をさかなきゃならないんだ。こんなことわざわざ言わなきゃならない、そのこと自体、僕の言ってることの証明になってる。みんな大好きだし、いつかはまた戻ってくるはずだよ。

皆さんおなじみのまぬけ

ピート」

Pete Davidson Instagram story grabImage copyrightINSTAGRAM / PETE DAVIDSON
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2人が今年5月につきあうようになってから、ピートさんは前にも「アリアネーター」と呼ばれるアリアナ・ファンに攻撃されていた。

そして、攻撃的なファン集団の出現は、これが決して最初ではない。

カナダ人作家ワナ・トンプソンさんも、この攻撃的なファン集団心理を身をもって経験した。ラップ歌手ニッキー・ミナージュさんのファンとして、ツイッターでニッキーさんをやんわりと批判したからだ。

ワナさんは、「ニッキーがもっと大人っぽい内容を出したら、すごい最高なのに。だってそうでしょ。単にこれまでの恋愛を振り返ったり、部下がいるってどういうことかとか、何が大変だったかとか。もうそろそろ40なんだし、新しい方向性が必要」とツイートした。

Wanna ThompsonImage copyrightWANNA THOMPSON
Image captionワナ・トンプソンさんは、ニッキー・ミナージュさんがもっと大人にふさわしい歌詞を書くべきだとツイートしたため、ファンに攻撃された

ワナさんはBBCニュースビートの取材に対して、「ありとあらゆる過激な表現で攻撃された」と話した。

「(ニッキーさんのファンは)娘の写真を見つけてきて、娘の外見を攻撃していた。まだたった4歳なのに。何よりそれが一番きつかった」

ニッキーさん自身も参加したようで、ワナさんにツイッターのダイレクトメッセージで直接接触し、自分が「金持ちで有名で頭がいい」からワナさんは嫉妬しているのだと書いてきたという。

ニッキーさんはダイレクトメッセージで、「ブスのあんたが24のとき、あんたはそろそろ30だったの? 私は34。それでそろそろ40って?w それにそれが私の音楽と何の関係があるの?(中略)私が金持ちで有名で頭がよくてきれいだから嫉妬してるだけだって、そう認めて失せな!」とワナさんを罵倒したという。

Nicki Minaj direct messageImage copyrightTWITTER / WANNA THOMPSON
Image captionワナさんはこのメッセージのスクリーンショットを投稿した。ニッキー・ミナージュさんが書いたものに見える。

ソーシャルメディアやメールで送られてくる内容のストレスはすさまじく、ネットを離れてもワナさんの生活に影響した。本を読んでいても、何かを書いていても、運動をしていても集中できなくなったという。

BBCニュースビートは、ニッキー・ミナージュさんの所属レコード会社にコメントを求めている。

「私は強いけど、もし強くなかったら?」

悪質なファン行動がどれだけの危害をもたらすか、発言していく「社会的責任がある」とワナさんは考えている。

「私は自分がとても強い人間だと、それを誇りに思っている。でももし私にその強さがなかったら?」

希死念慮のある人、自傷的な人にこんなことがおきたら、とても危険なことになりかねない」

「オタクども、ほかにやることみつけろ」

Mark Hamill and Kelly Marie TranImage copyrightGETTY IMAGES
Image captionスター・ウォーズ 最後のジェダイ」に出演したケリー・マリー・トランさんは、インスタグラで人種差別の攻撃を受け、ソーシャルメディアを離れた

「ファン」という大義名分をふりかざして極端な行動に出るのは、ポップスターの若いファンに限らない。中年男性も同じようなことをする。

今年6月には、米女優ケリー・マリー・トランさんが人種差別的な攻撃を受けて、インスタグラムを追われてしまった。昨年公開の映画「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」にローズ・ティコ役で出演したケリーさんは、41年続いてきた人気シリーズが抱える分厚いファン層の力をもろに浴びてしまったのだ。

そうした事態に、公開第1作から主役ルーク・スカイウォーカーを演じてきた米俳優マーク・ハミルさんは怒り、ソーシャルメディアで共演者を攻撃する「オタクども」に「もっとほかにやることを見つけろ」と告げた。

「最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督も、ケリーさんを攻撃するようなファンを「manbabies(おとなの赤ちゃん)」と呼ぶなどして批判し、ケリーさんを擁護した。

今年7月のサンディエゴ・コミコンでは、アジア系女性の集団がローズの扮装をしてケリーさんを応援した。

Rose Tico cosplayImage copyrightRAY QUAN

衣装を手配したキース・チャウさんはBBCニュースビートに、「『最後のジェダイ』についてなにかしら文句を言いたいファンボーイたちが、ケリーを標的にしてしまった。作品へのファンの文句に言い分があったかどうかはともかく、ケリーに嫌がらせしたのはまったく許されない」と話した。

キースさんはケリーさんと同じように、アジア系米国人だ。スター・ウォーズという巨大人気シリーズに、ローズ・ティコというアジア系キャラクターが重要な役回りで登場するのは、多様性にとって「とてつもない」瞬間だったという。

しかし、ハードコアなファンにはその多様性が許せず、そのせいでケリーさんが狙われる羽目になった。キースさんはそう考えている。

「作劇の上でキャラクターについて批判するのはともかくとして、その作劇上の問題を人種や性別のせいにするのは、別の話だ。映画について何をどう思うからといって、それを理由に誰かをオンラインでいじめたくなるなんて、そんなことはおかしい。単純な話だ」

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舞台裏の対策は

リビアエドワーズ=アレンさん(24)は、英国の大手レコード会社に所属する複数の「メインストリーム」なポップスターのソーシャルメディア対応を支援する。

ソーシャルメディアによって、一般人と大好きな有名人の関わり方は変わった。中には、双方向の関係性があると考える人もいるとオリビアさんは言う。

接触の機会がとてもたくさんあるし、スターの好みを知る方法もとてもたくさんある」

「そのおかげでファンは、自分が相手のことを知っているような気になる。そして、自分は相手のことが分かっていると思うようになると、相手が自分にどういう行動を期待しているか自分は分かっていると、そう思うようにもなる」

ワナ・トンプソンさんは、有名人のファンが特定の個人を攻撃しはじめた場合、その有名人には、間に割って入る責任があると言う。

「だれかがやりすぎだと思ったら、『ちょっと、もうそこまでにして』と言うべきだ」

2017年に米歌手レディ・ガガさんのファンが集団で英歌手エド・シーランさんを攻撃し、シーランさんがツイッターから撤退した際には、レディ・ガガさんはインスタグラムでシーランさんを称え、「第一線にいるからといって、ただそれだけでアーティストを攻撃していい理由なんかない。みんな、もっと優しくなれるようがんばって。それが人類への最初の責任であるべき」と書いた。

Lady Gaga and Ed Sheeran on InstagramImage copyrightLADY GAGA / INSTAGRAM

こうした問題に、自分たちは舞台裏で対応しているのだとオリビアさんは言う。

「こういうことが起きていないか、常に気にして目を光らせている。今のソーシャルメディアでは、巨大な感染症みたいにこういうことが広がっていて、ほんの些細なことからでも重大な影響が出ることがあるので」

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いきなり攻撃し始めるかも

Greg James and Taylor Swift
Image captionグレッグ・ジェイムズさんはテイラー・スウィフトさんのファンに攻撃された

DCコミックスのファンも最近、醜い側面をむき出しにした。新しいテレビ・ドラマ「タイタンズ」の最初の予告編が公表され、米女優アナ・ディオップさんの出演が発表されると、セネガル出身の女優がオレンジ色の肌の異星人を演じることに多くのファンが反発したのだ。

人気アニメ「リック・アンド・モーティー」に登場するマクドナルドのソースを、マクドナルドが限定的に復活させた際には、手に入らなかったと怒るファンがマクドナルドの店員や利用客に嫌がらせをした。

オンラインゲームのコミュニティでも、白人男性が女性や有色人種の利用者に嫌がらせをするケースが頻発していると言われる。

BBCラジオの司会者グレッグ・ジェイムズさんも今年、米歌手テイラー・スウィフトさんのファンに猛攻撃された。ラジオの公開録音で激しく歌い、踊った直後のテイラーさんに、「シャワーを浴びた方がいいかも」と声をかけたからだ。

ソーシャルメディアのプラットフォームにできることは

ツイッターは「攻撃的な行為」を容認しないと表明している。インスタグラムは、他人の人種や民族性、性的指向性自認を理由にした個人攻撃は「絶対に許されない」と定めている。

しかし、特に嫌がらせや個人攻撃がさかんに行われているのも、ツイッターとインスタグラムだ。

シンクタンク「ウェブルーツ・デモクラシー」のアリーク・チョウドリさんは、フェイスブックの企業ページで求められるような「半匿名性」がツイッターやインスタグラムでも役に立つのではないかと考えている。

「半匿名」が条件の場合、たとえプロフィール上では匿名でも、そのプラットフォームを利用するには身元を証明しなくてはならない。

「実生活では絶対にやらないようなことを、オンラインでもやりにくくする効果があるかもしれない」とアリークさんは言う。

Facebook, Instagram, TwitterImage copyrightGETTY IMAGES
Image captionどのソーシャルメディアにも、いじめや嫌がらせ対策はあるが、いじめ行為があった後にしか手を打てないのがほとんどだ

アリークさんは、ツイッターで相手をミュートしたりブロックしたりできる機能も悪くないが、問題そのものの対策にはなっていないと言う。

「どれも事後の対応なので。予防的な対応が何もない」

しかし、究極的な責任はソーシャルメディアのプラットフォームと同じくらい、攻撃的な投稿をする当事者にあるはずだとオリビアさんは考えている。

「誰でも自分の言動について、責任をとるべき。通りすがりの誰かに決して言わないようなことを、オンラインなら言ってもいいはずがない」

 

青森の中2自殺「いじめが主な原因」

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青森市立中学2年の葛西りまさん(当時13)が2016年8月に自殺した問題は、市いじめ防止対策審議会が「いじめが主な原因」だと2日に最終答申し、葛西さんが受けたいじめの深刻さと、とりわけSNSとのかかわりが浮き彫りになった。答申後、関係者たちが相次いで会見を開き、心情を語った。

「どこかで止めることはできなかったのか」。最終答申後の会見で、審議会の野村武司会長は語った。

 答申では、いじめと自殺との因果関係を明確に認定。210ページの報告書から浮かび上がったのは、中学入学直後から自殺する直前までの、長い期間にわたる中傷だった。

 その多くの舞台となったのが、LINEやツイッターだ。答申はSNS上のいくつものやり取りをいじめと認定し、「サイバー空間と日常生活両方での重なったいじめの方が心身症やうつのより強い原因となる」との考察も示した。

 SNS上の中傷は、クラス替えをしても学校を休んでもついて回る。葛西さんの苦境を「悪口や暴言の拡散で非常に強いダメージを受け、逃れられない意識と強い落胆の念を抱いて将来を悲観した」と推測した。

 答申では学校の対応の不備も厳しく指弾された。「『生徒間のよくあるトラブル』とされ、対応は担任」という状況が多かったと分析。学校へのスマホ持ち込みを禁じるのではなく、積極的に生徒のコミュニケーションに関与する対策が必要だと訴えた。

 旧審議会全委員が退任し、やり直しになった今回の調査。いじめと自殺の因果関係は判断できないとした旧審議会の見解と大きく異なる内容になったが、旧審議会についての検証を答申に盛り込むことはしなかった。野村会長は「(旧審議会の)検証は今の報告書を正当化する行為にしかならない」と説明した。

女子生徒の父「再発防止に全力」

 葛西さんの父、剛さん(40)は「根本的ないじめの解決にかなりの効力を持つと思う」と答申の内容を評価する一方、市教委や学校への不信感を募らせる。

 不信の根源は、審議会が昨年4月にまとめた報告書案。「思春期うつ」が自殺の背景の一つに挙げられ、遺族側は「根拠を示してほしい」と求めたが、納得できる回答がないまま任期満了で審議会委員全員が退任した。剛さんは「思春期うつという判断に不満があった訳ではないのに、私たちのわがままで交代させたと思われ傷ついた」と言う。

 剛さんはこの日、葛西さんの死後初めて中学の校長から謝罪を受けた。しかし、「『報告書にこう書いてあったので謝罪します』という、形だけの謝罪。大きなショックを受けた」。

 葛西さんが命を絶ってから、もうすぐ2年。剛さんは「教育現場や前の審議会の問題の解決が再発防止につながる。りまが(遺書で)残した『また会いたい』という言葉に後押しされている。今後は再発防止に全力で取り組みたい」と話した。

教育長ら謝罪「対策を組織的に講じられなかった」

 市教委の成田一二三教育長は校長とともに会見し、「ご遺族の気持ちに寄り添った対応ができず、尊い命を守れなかったことをおわびする」と謝罪した。答申でいじめが自殺の主因だと指摘されたことについて、「生徒間のトラブルととらえて、対策を組織的に講じられなかった」と話した。

 校長も「いじめがあったこと、いじめが(自殺の)原因だということを深く痛感している」とし、「のぞましい人間関係作りにこれまで以上に取り組みたい」と話した。

 最終答申までに2年かかったことについて、成田教育長は「審議会委員が交代し、新しい委員の選任にかかった半年のブランクが大きかった」。いじめにかかわった当時の同級生たちは既に卒業しているが、「早いうちに子どもたちと面会して(答申の)記載内容を伝えたい」と話した。

いじめの問題に詳しい大谷良光・元弘前教育学部教授(子どものネットリスク教育研究会代表)の話

 今回はインターネットいじめの典型例。SNS上の文言は際限なく広がり、苦痛は増え続け、心が休まる時間はなかったはずだ。SNSへの知識を深め、いじめは起こるという前提で生徒と向き合うことが必要だ。また、本来は市教委事務局のいじめ対策を指導する立場の審議会が、いじめ対策の検証も担う方式には、適切な指摘ができない可能性がある。いじめの重大事態の調査の在り方については再考が必要だ。

 

教師にやめてほしいこと

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性のことを勝手に暴露する「アウティング」で悩む人は少なくありません。トランスジェンダーであることをツイッターで公表している漫画家の小西真冬さん(@mahuyu524)は「それだけはやめて」と訴えます。先生向けの講演もしている真冬さん。学校で「絶対にやってはいけないこと」を聞きました。

こにし・まふゆ 大阪生まれの35歳。漫画家になる夢を追って上京し、現在は歯科助手をしながら、ギャグテイストの漫画を描いている。今年3月には「性転換から知る保健体育」(KADOKAWA)を発行。性別適合手術やホルモン治療で自身の体に起きた変化や、トランスジェンダーの就労問題などを、軽やかなタッチで描いている。Twitter@mahuyu524

  

「男らしく」過ごした中学時代

――どんな10代でしたか?

髪を伸ばしていたので、小学生のときは「オカマっぽい」といじめられました。
学校は嫌いだったけど、分かってくれる友だちもいたので、救われました。

でも「もういじめられたくない」と思って、中学生からは「男らしく」過ごしました。
バイクを盗んで走り出したり、ほかにもいっぱい悪さをしたりしました。
男友達とバカやるのが楽しかった。
自分を出さずに「男らしく」生きれば、周りも納得してくれました。

ただ、高校生になって、緑色の髪で教室に行ったら、周りに全然そんな人がいなくて……。すぐヤンキーをやめました。「ファッションヤンキー」だったんですね(笑)

高校3年の頃、バンドマンに憧れて、文化祭でドラムデビューしました。
当時、「X JAPAN」とか「黒夢」とかビジュアル系がはやっていて、「バンドやってるから」と言えば女装もできるし、髪も堂々と伸ばせた。

生まれ育った大阪は「おもろいやつやったらOK」という雰囲気だったので、本音をごまかすのに一役買っていたと思います。
無理して明るいキャラをつくるのとかは難しいかもしれないけど、違う一面を見せることでうまいこと世渡りができたりもします。

だから悩んでいる若い人たちには、「いきなり100%でなくていい、まずは60%くらいの自分らしさで生きられる場所をみつけられたら大丈夫。あとからパーセンテージは増やせるから」って伝えたい。

  

ゲームきっかけに自分と向き合う

――性と向き合うきっかけは?

22歳のとき、偶然手に取った恋愛アドベンチャーゲーム北へ。~Diamond Dust~」で性同一性障害のキャラクターに出合いました。
自分の性を隠していて、自分らしく生きられないという描写がいっぱい出てきました。

「自分のことだ」と衝撃を受け、もう逃げられないなと思った。
その後すぐに、女性の体に近づけるためのホルモン治療を始めました。30代になって、タイに行って性別適合手術を受けました。

――大人になった今、改めて思うことは?

10代のうちは、自分自身に向き合うことを避けていました。
小学生くらいのときから、「性は多様性なんだよ」という情報を得られる教育があればよかったなと思います。
そうすれば「自分の性から逃げなくていい」と思えたのかも知れません。

  

「性」の知識、マンガで伝える

――今年3月に出した「性転換から知る保健体育」では、性感帯から就労問題まで、幅広いテーマを扱っていますね。描き始めたきっかけは?

最初は、女性になっていく自分の体に何が起こっているのかを知りたいというのがきっかけでした。医者に話を聞いたり、独学で解剖学を学んだりするうちに、「なるほど」と思うことが多くって。その知識をマンガで伝えたいと思いました。

性のことって、「恥ずかしい隠すべきこと」とされてしまって、正しい知識を得られる機会が少ないですよね……。自分もそうでした。
ネット環境のない当時ですら、小学校高学年になると裏山に捨てられたエロ本をみんなで読みましたし、特に男子諸君はアダルトビデオ(AV)で独学もしていました。

現在では女性向けAVもありますが、ほとんどが男性向け。
本当に知りたいと思うことの情報源が、AVや漫画といったアダルトコンテンツしかないので、偏った知識になってしまうのだと思います。

たとえば周りの女性たち約50人にインタビューしましたが、挿入されて気持ちいいと感じる人ばかりではありません。
こういうことは女性になって初めて分かりました。
「今までの認識はなんだったんだろう」と愕然としましたよ。

AVには「女性はこうであってほしい」という男性の夢が投影されていると感じます。
AV男優の技を見て「神技だ!」とあがめるだけじゃなくて、医学的に体の構造を学ぶアプローチも必要。そんな思いを込めて、作品を描きました。



  

アウティング」だけはやめて

――教職員向けの講演もしていますね。先生や周りの人たちに伝えたいことは?

本人の意思とは関係なく、性のことを勝手に暴露する「アウティング」だけはやめてほしいです。

私も飲み会で、友だちに「こいつ、こう見えて元男だから」と紹介されたことがありました。
「おもろいから、仲良くしてやってな」という軽い気持ちだったんだと思いますが、自分のことは自分で言うから言わないで、と思います。

私みたいに、みんなが性のことを公表している訳じゃないです。
もしオープンにしていない生徒が、先生から「そうなの?」と聞かれたり、周囲に言いふらされたりしたら、どう思うでしょうか。

自分のデリケートな部分をバラされたら、誰だって「もうここにはいたくない」と思ってしまうのではないでしょうか。

クラスで「性の多様性」について扱うにしても、当事者がいる教室だけでやると「このクラスにはもしかして当事者がいるのかな……」と分かってしまいますよね。
一つのクラスだけじゃなくて、全校集会のときに話すとか、色々工夫はできると思います。

「いつでも相談を受け付けますよ」という雰囲気を出しつつ、本人から相談されるまでは、そっと見守るのがいいかな。

 

学校における暴力調査 セアラー州

ラテンアメリカ社会科学大学院(Flacso)が実施した学校内における暴力に関する調査で、セアラー州では調査対象となった約3500人の学生の半数以上が校内で何らかの種類の暴力を経験しているという結果が示された。ジアリオ・ド・ノルデステが1日付で伝えた。

 この調査は2016年から17年にかけて、公立中等教育校の1年生および2年生(年齢層は13~19歳)を対象に行われたもの。同州都フォルタレーザ市の25校がこの調査に参加した。

 調査結果によれば、同市の学校における最も一般的な暴力行為は罵り・悪口で、13%の生徒から報告された。その次に多いのは喧嘩とネットいじめ(インターネット上で行われるいじめ行為)で6%となっている。調査結果ではネットいじめについて、オンライン社会に関連した新たな現象と指摘している。

 この調査ではまた、生徒が直面している差別の形式についても分析されている。全体の25%のケースでは被害者生徒の居住地区が差別の理由となっており、その他、19%が人種や肌の色、18%が宗教、17%が政治的な好み、11%は身体的な障害だったという。さらに調査では、性別や同性愛嫌悪、人種差別も、様々な種類の暴力に関連した危険要因として指摘されている。

 校内の環境も懸念されている。2都市でアンケート調査を受けた生徒達の90%は、喧嘩、身体的暴行のほか、盗難や強盗、麻薬密売に起因した暴力が起きたと報告している。

 暴力が起きた時の行動に関して、誰にも話さないと答えた生徒の割合は16%だった。この場合に生徒達が示す感情は、17%がストレス、そして14%が悲しみだという。

 この調査によると、州都の生徒達が、暴力の問題に対処する事の難しさに関して、社会が対応してくれないと感じると、不幸な状況により、自傷行為や自殺につながる可能性もあるという。またこうした状況は、生徒達の学力にも影響を与えている。

 Flacsoの青少年・公共政策分野を担当する社会学者ミリアン・アブラモバイ教授は、校内暴力が学習の困難や、不登校、そして退学などの結果に繋がっているとし、「若者達が、学校内で学び続けたいという気持ちと同時に、学校との関係で問題が起きている」と述べている。同教授によれば、セアラー州の生徒達と共に働いた1カ月間に、自傷行為や自殺を試みた生徒達の動機が、多くの場合にインターネット上の中傷に関連したものだったという驚くべき報告が明らかになっている。

 

「自殺するくらいなら学校から逃げろ」の副作用

「わが子がもし、いじめをうけたら…」と親なら一度は心配になる。いじめについての議論は収まらず、対策案はいくつも出されている。しかし、いじめがなくなる気配はない。なぜなのか。

 データをもとにいじめ対策を語っている本はとても少数だと嘆くのは、『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』(荻上チキ/PHP研究所)。本書は満を持して登場した、データをもとにした客観的いじめ対策本だ。

 どのようないじめ対策を講じるべきか。「いじめっ子を厳罰化する」「道徳教育でいじめを抑制する」というのはよく聞く対策だが、本書は、これら子どもの内面ばかりに着目した対策は「部分的かつ感情先行型」であり、効果は薄いと切り捨てる。

「自殺するくらいなら学校から逃げろ」という意見にも、半分賛成、半分批判のスタンスだ。この意見には副作用がある。

 つまり、学校から逃げた児童・生徒にはどういう手段で教育の機会が確保されるのか、という視点が抜けており、大人が「学校以外の教育オプションが充実している社会」を実現させない限り、この方法では学校から逃げた児童・生徒にとって本質的な解決にはならない。そもそも、全ての児童・生徒は安心して教育を受ける権利を持っており、日本において主要な教育の場である学校は児童・生徒にとって安全・安心な環境でなくてはならない。

「自殺するくらいなら学校から逃げろ」の副作用は、この視点がないがしろになり、教育自体が「自己責任化」されてしまいかねないことだ。本書は、あくまで緊急避難用としての方法であれば、という条件で肯定している。

「部分的かつ感情先行型」ではない、客観的データに基づくいじめ対策とは、どのようなものだろうか。本書が提案しているのは、従来の「心理的アプローチ」による対策ではなく、環境を改善するという「環境的アプローチ」による対策だ。

 そもそも、いじめと環境は強い関係を持つ。例えばいじめの発生場所について、日本では最も多いのが「教室」だが、イギリスやオランダ、ノルウェーでは「校庭」となる。日本では10分程度の休み時間は「むやみに他のクラスに行かない」「他の学年の階に行かない」「教室から出ない」といった暗黙の、または明確化されたルールがあるが、イギリス等ではルールが違う。ノルウェーでは環境的アプローチのいじめ対策として「校庭に監視員を置く」などの措置が取られるが、日本の環境には適さない。

 本書のデータから、日本における児童・生徒たちの、環境による抑圧された状況が見えてくる。

特定のメンバーと半日近く同じ空間に居続けなくてはいけない。そして、個人でできるストレス発散の選択肢が狭められている環境なのです。

 本書は、次のように分析する。過剰管理に置かれた環境で、児童・生徒たちはクラスメイトとのコミュニケーションしか許されていない状態で、ストレスを発散するために仲間をいじる、からかうという行為をとる。本書は、「そもそも、こういう行為が発生しやすい空間・環境なのだ」という視点の重要性をことさら強調している。

 本書は、データから「体罰が日常的に行われている」「過剰な生徒指導が行われている」「抑圧的な雰囲気が充満している」「同調圧力や相互監視の空気で満ちている」などいじめの起こりやすい環境を紹介し、そこから逆に、いじめが起こりにくい環境を次のように考察している。

わかりやすい授業をする

多様性に配慮する

自由度を尊重する

自尊心を与えていく

ルールを適切に共有していく

教師がストレッサーにならず、取り除く側になる

信頼を得られるようにコミュニケーションをしっかりとる

 当たり前のような内容だが、これらがいじめ対策と直結する、という認識が重要そうだ。

 家庭でできるいじめ対策も掲載されている。根拠あるいじめ対策の数々は、いじめ問題を真剣に考える読者を納得させるはずだ。