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(20)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

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中学校校長がイジメ否定の文書を全保護者に配っていた

 

「本日、旭川市いじめ防止等対策委員会における調査の実施についてご報告をさせていただきました。冒頭私からこの調査に関係する、亡くなられた生徒のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆さまに対しまして哀悼の意を表し、お悔やみを申し上げる次第であります。改めまして市民の皆さま、大変多くの方々に多大なご心配をおかけしておりますことに深くお詫びを申し上げます」

 5月14日に開かれた北海道・旭川市議会の経済文教常任委員会冒頭。市教育委員会の黒蕨真一教育長が報道陣の前で深々と頭を下げると、無数のフラッシュが浴びせられた。

市議会の様子

三者機関が調査結果をまとめるのは11月

 文春オンラインでは、4月15日から掲載し、今年3月、旭川市内の公園で当時14歳だった廣瀬爽彩さんが、凍死した状態で発見された事件の背景には、Y中学校に通う上級生らからの凄惨なイジメがあったことについて詳報を続けてきた。爽彩さんが通っていたY中学校は、これまで「イジメはなかった」と繰り返してきたが、報道を受けて、改めて再調査に乗り出すことを公表した。

5月14日に開かれた委員会で、市教委は、本事案をイジメの「重大事態」として対処し、第三者機関である「旭川市いじめ防止等対策委員会」で調査を実施することを改めて表明した。5月中にも調査に着手し、事件に関係した生徒等へのアンケートや、聞き取り調査を行い、11月末をもって調査結果をまとめるという。

 

イジメ凍死事件への質問が相次ぎ、会は3時間以上の異例の長さに

 経済文教常任委員会は約30分程度で閉会となるのが通例だが、この日は、爽彩さんのイジメ凍死事件に関する質問が市議会議員から相次ぎ、会は3時間以上にわたる異例の長さに及んだ。
煮え切らない市教委の答弁に対して、市議らからの質問は厳しさを増していった。

 13時から市役所の会議室で行われた委員会には、多くの地元メディアや傍聴する市民が集まり、緊迫した空気に包まれていた。

会議は冒頭、市教委側からの報告が5分ほど行われ、続いて市議らによる質疑応答の時間となった。
最初に質疑に立った菅原範明市議からは、「イジメの有無における学校の判断、市教委の対応」についての質問が投げかけられた。

 

萩生田文科大臣がしっかりと調査するよう指示を促した

「この事案については文春オンラインが隠蔽の疑いがあるとして記事に取り上げました。(4月26日には)参議院においてもこの事案の問題の重要性が指摘され、萩生田文科大臣におきましても真相究明にあたって道教委や旭川市教委にしっかりと調査するよう指示を促したということであります。
世間では学校また、市教委の対応のまずさ、不手際が大きな社会問題となっていたのではないかとの推測がある。
学校、市教委の対応はどうだったのか?」(菅原市議)

 

 それに対し、市教委の担当者はこう答えた。

「当該学校では事案発生後すぐに当該生徒及び関係生徒からの聞き取りを行うと共に、警察の対応状況も確認しております。
当該学校においては、事案発生の経緯や生徒同士の関係性等に関する情報から、イジメと認知するまでには至らなかったものの関係児童生徒への聞き取りの内容や学校の対応状況などについて、その都度教育委員会から報告を受けております」(市教委の担当者)

 

市教委は改めて、イジメと断定しなかった経緯を述べた。
菅原市議は続けて、こう質問を続けた。

報道と市教委の認識に大きな相違点があるのはなぜか?

「イジメの重大事態の疑いがあるとされ、西川(将人)市長は記者会見において今回、文春オンラインの報道と市教委が認識している内容と大きな相違点があると確認をされておりました。
その認識の根拠となる書類というのは存在しているのでしょうか。
また、今後相違点の事実などをどのようにして確認していくのか」

「本事案に関わり当該生徒や関係児童生徒が在籍をしていた学校が作成をいたしました聞き取りの内容や、指導の状況、警察と連携した内容等についての記録や、当該生徒の転校先の学校が作成をいたしました当該生徒の状況や学校の対応等についての記録がありまして、これらを本事案に対するこれまでの教育委員会の認識の根拠としているものでございます。

教育委員会では各学校からの報告内容をまとめた資料を作成しておりまして、これらの資料につきましては全て旭川市いじめ防止等対策委員会に提出をしてまいりますので、その調査の中で事実関係等明らかにしていく所存であります」(市教委の学校教育部長)

 

 

わいせつ画像拡散、自慰行為強要があったが、イジメと認定せず

 爽彩さんはわいせつ画像を拡散され、イジメグループから自慰行為を強要された。
続いて質問に立った高花えい子市議はそうした事実があったにもかかわらず、これを今までイジメと認定してこなかった学校や市教委の「判断基準」について疑問を呈した。
高花市議はそのうえでさらに市教委に「イジメの概念についてどう考えているか」と質問した。

「イジメにつきましては、国は当該児童生徒と一定の人的関係にあり、他の児童生徒と行う心理的または物理的な影響を与える行為により当該児童生徒が心身の苦痛を感じているものと定義しており、教育委員会におきましても平成31年2月に作成した旭川市いじめ防止等基本方針において国と同様の定義をしております」(市教委の担当者)

「児童生徒が心身の苦痛を感じていればイジメに該当されるという認識であると受け止めてよろしいですか?

「イジメの理解に当たっては何よりイジメを受けた側の心情に寄り添って判断することが重要であると認識しており、一定の人的関係にある児童等が行う行為により心身の苦痛を感じているものにつきましてはイジメに該当するものと考えております」(市教委の担当者)

「では、この度の当該生徒はイジメの被害に遭ったと認識することになりますが、そう理解してよろしいですか?」(高花市議)

「本事案につきましては把握した事実関係や、その中で得た事実発生の経緯、生徒同士の関係性等に関する情報から判断しました。

結果、イジメと認知するまでには時間がかかったと報告を受けており、市教委といたしましても関係機関と情報交換するなどして事実関係を精査したが、イジメと判断するまでには至らなかったところであります」(市教委の担当者)

 

警察は「近くの中学校で厄介な性被害、とんでもない事件があった」

爽彩さんがネットの友人に最後に送ったLINE

 能登谷繁市議は、「当時小学校に通っていた保護者の方にもお話を伺いました。

『2019年8月に警察の方が訪ねてきて、近くの中学校で厄介な性被害、とんでもない事件があった』と聞いていたそうです。
容易にいじめと判断できると考えられますが、それでも市教委はイジメと判断できなかったのでしょうか」と、切り込んだ。市教委の担当者は、

教育委員会に関しましては、本事案は警察と連携し、対応することが必要だったことから学校の事案発生報告を受け、ただちに警察との連携を開始するとともに、各学校における対応状況を把握しながら助言等を行い当該生徒と保護者への支援を行っていたところであります。

市的にはイジメの認知には至っていないというところであります」
と回答した。さらに質疑は続いた。

 

ウッペツ川飛び込み事件を「イジメではない」と判断した人物は?

 

「(2019年6月に爽彩さんが地元のウッペツ川に飛び込む事件を起こしたことについて)これは『イジメではない』ということは誰がどのように判断したんでしょうか?」(能登谷市議)

 

「当該学校におきましては、先ほど申し上げました児童生徒等からの聞き取りですとか、警察の対応状況について管理職や関係する教職員によって情報整理いたしまして、最終的には(当時のY中学の)校長が判断したところでございます」(市教委の担当者)

 

「第三者による調査でやるから何も言えない」で通るのか?

教育委員会が把握していた事実と既に報道された内容に相違があったということですが、どの部分がどの報道と違うのですか? 
文春オンラインのことですか? 
それは調査委員会を立ち上げる動機となる重大なことなので、しっかりとご説明いただきたい」(能登谷市議)

 

「今後の第三者による調査への影響を考慮し、具体的には申し上げることはできませんが、保護者と学校との関係性や当該生徒と関係生徒との関係性といったことに相違があったと認識してございます」(市教委の教育指導課長)

「保護者と学校のことも違う。生徒間のことも違うということですよね。
『第三者調査でやるから何でも言えない』っていうのは、それは通るんだろうか。
当時の判断は決裁済みでしょ? 
教育委員会として公的な判断をされたんですよね。
説明責任があるんじゃないですか?」(能登谷市議)

「当時の判断と現在の判断の違いということでありますが、現時点においては教育委員会としてもイジメの認知には至っていないところですが、我々の当時の認識等含めまして、そこにもしかしたら間違いがあったかもしれないということも前提といたしまして、そのことにつきましても第三者による調査の中で検証していただき、そのことを受け止めてまいりたいというふうに考えております」(市教委の教育指導課長)

Y中学校は地元紙報道に「謂れのない誹謗中傷」とプリントを配布

 能登谷市議によれば、2019年6月に、爽彩さんがウッペツ川に飛び込んだ事件を起こしたことは地元紙の「メディアあさひかわ」(2019年10月号)でも報じられた。

しかし当時、Y中学は保護者宛にプリントを配布し、メディアあさひかわの記事は「ありもしないこと」だと、否定したのだという。能登谷市議はこう質問した。

「当時ですね、中学校からこの雑誌の記事は事実ではない旨のプリントが配布されました。

これも保護者から聞かせていただきました。
そのプリントはですね、学校長が発出していますが、『地元情報誌に本校に関わる記事が掲載されました。ありもしないことを書かれたうえ、謂れのない誹謗中傷をされ驚きと悔しさを禁じ得ません』と、公文書とは思えない、学校長の心情まで書かれています。市教委はこの内容を把握していましたか?」(能登谷市議)

 

 

教育委員会は目を閉じて耳をふさいで知らないふりをしたとしか思えない

「当時、学校長とPTA会長との連名により保護者の方に宛てられた文書の内容については把握をしておりませんが、その文書の趣旨等については聞いているところでございます。

その文書の趣旨といたしましては、当時月刊誌で学校名も含めまして掲載されたことにより当該生徒と当時在籍していた子供たちの登下校の安全ですとか子供たちの不安や悩み、そういったことの解消のため学校としての取り組みについて保護者に説明するために書いた文書であるという趣旨については伺っているところでございます」(市教委の教育指導課長)

「全く解せませんね。教育委員会は目を閉じて耳をふさいで知らないふりしてこれをやり過ごそうとしていたとしか思えませんよ、はっきり言って。2019年4月から母親が『イジメられている、調べてください』と訴えている。

せめてこの6月の川に飛び込んだ時点でイジメとして対処していれば、命まで失うことはなかったんではないですか。

はっきり言って初動ミス。

学校任せにせず最初にしっかりとした調査を教育委員会として責任を持ってやっていれば子供の大事な命まで失うことはなかったのではないか」(能登谷市議)

 いじめがあった公園

黒蕨真一教育長は次のように語った。

「当該生徒が行方不明になられた際には私も早期に無事に発見されることを切に願っておりました。

亡くなられたことは極めて残念でならないことでございます。
これまでの一連の学校、それから教育委員会の対応につきましても調査機関の中で検証していただき、尊い命を救える手立てはなかったのかということを追及していくことが重要ではないかというふうに思っております」

 学校や教育委員会の隠蔽体質に対して、3時間にわたって厳しい追及が続いたが、市教委は「第三者委員会の調査」を理由に詳細を語るのを避け続けた。

 

遺族は「言葉がみつかりません」

 6月以降には次の委員会が開かれ、再び旭川14歳少女凍死事件について、議題に上がる予定だ。

爽彩さんの遺族は文春オンラインの取材にこう答えた。

 

「転校した後に学校がそのような書面を配布していたことは知りませんでした。
(学校側は)どうして嘘をつき続けるのだろうかと思います。
保護者会でも同じでしたが、言えることと言えないことはあると思いますが、イジメのことに関わることはすべて『第三者委員会の調査のため』という言葉で答えないというのは少し違うのではないかと感じています」

爽彩さんが幼い頃の写真

 

事件からは既に2年が経過し、加害者らの記憶は薄れ、口裏合わせや証拠隠滅の危険性もある。捜査権のない第三者委員会の調査で、遺族の理解が得られる検証結果が出せるのだろうか。

今後の旭川市教育委員会の対応に注目が集まる。

 

(19)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

 

【音声動画公開】旭川Y中学校「臨時保護者会」

 

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イジメ調査の第三者委員会リストに“問題人物”

北海道・旭川市で今年3月、市内の公園で亡くなっているのが発見された廣瀬爽彩(さあや、当時14歳)さん。爽彩さんの死の背景にイジメがあったかどうかを再調査するために旭川市教育委員会は5月中旬にも外部有識者による第三者委員会を立ち上げる予定だ。

「文春オンライン」では、教育委員会が選定した第三者委員会のメンバー候補のリストを独自入手。同リストには、爽彩さんがイジメを受けていた時に在籍していた、Y中学校の校長と近しい立場の人物が含まれていた。この人選に遺族側は猛反発している。

遺族側は「大学院教授」と「臨床心理士」に反対

 文春オンラインでは4月15日から12本の記事を公開し、爽彩さんの死亡の背景にY中学校の上級生らからの凄惨なイジメがあったことを報じた。その記事が反響を呼び、旭川市にイジメの再調査を求める声が殺到した。

 4月22日、西川将人市長が旭川市の教育長に旭川市教育委員会とY中学校側の対応を改めて調査するよう指示。医師や臨床心理士、弁護士らに委託して、第三者で作る「いじめ防止等対策委員会」を設置し、再調査を開始する方針を示していた。

爽彩さんの遺族は、爽彩さんへのイジメが行われた2019年4月からY中学校に「娘はイジメられているのではないか」と訴え続けてきた。Y中学校側はその都度不誠実な対応を取り続け、イジメの事実を認めてこなかったが、ようやく行政が重い腰を上げたのだ。

 市の教育委員会は、今年4月末に爽彩さんの事件をイジメがあった疑いがある「重大事態」と認定。第三者委員会による全容の解明に期待が高まりつつあった。

 だが、遺族側は市教委から提示された第三者委員会のメンバーの人選について不信感を募らせているという。旭川市役所関係者が打ち明ける。

「市の教育委員会は5月中旬に第三者委員会のメンバーを決定して、年内には調査結果を公表する予定でしたが、大幅に遅れる可能性が高くなりました。第三者委員会のメンバーは大学院教授を中心に臨床心理士、小児科医、社会福祉士の4名で組織する予定でしたが、事前に遺族側にその人選を伝えたところ、遺族側は大学院教授と臨床心理士が第三者委員会のメンバーに入ることに強く反対したのです」

「大学院教授g氏」が候補者リストに

 遺族側がこの2人のメンバー入りを問題視したのは、彼らが完全な「第三者」とは言えないからだ。

 まず、臨床心理士のf氏については、2019年6月に爽彩さんがウッペツ川へ飛び込んだ事件直後に搬送された旭川市内にあるA病院の臨床心理士でもある。

「遺族側は、f氏は、爽彩さんを診断した医師とは別ではあるものの、同じA病院勤務であることから、第三者の立場で調査に当たることは難しいのではないかと疑問を呈したようです」

さらに遺族側が「著しく公平さを欠く人選」として異議を唱えたしたのが、大学院教授g氏が候補者リストに入っていたことだった。g氏は第三者委員会のとりまとめ役を担う予定とされていた。

g氏は「学校人事を牛耳る最大派閥出身」

「g氏は過去に旭川市内の小学校の校長を務めたことがある人物です。校長退任後は、北海道教育庁で長年、イジメ問題や自殺、生徒指導などに携わってきました。しかし、2019年当時、爽彩さんが凄惨なイジメを受けていたにもかかわらず『イジメとして認識はしていない』と判断し、保護者会に弁護士の同席を求めた被害者側の要望を拒絶したY中学校校長とg氏は北海道教育大学旭川校の同窓生でもあります。

旭川市内の学校の元校長という同じ立場を経験しており、さらに北海道教育大学旭川校の同窓生という間柄で、果たして中立な立場で調査が行えるのか。こうした疑念を遺族側は強く持ったのです」(同前)

 旭川市内の中学校に勤務する現役の教員はこう指摘する。

旭川市の教員の半数以上はY中学の当時の校長とg氏が卒業した北海道教育大学旭川校の出身といえます。同大学のOB会は市内の小中学校の人事を牛耳っている最大派閥です。派閥内の繋がりや結束は強く、同じ派閥内の人物が第三者委員会に入った場合、何らかの忖度が働かない調査などできるはずがありません。私がこれまで勤務したことのある学校の校長の8割が北海道教育大学旭川校出身でした。管理職を目指す教員や出世願望のある教員は先輩OBの言うなりで、逆らうことなど一切できる環境ではありません」 

遺族は「1人でも遺族側が希望する人を」

 爽彩さんの遺族に「第三者委員会」の人選案について聞くと、憤りを隠さずにこう語った。

「f氏とg氏が第三者委員会のメンバーに入ることを拒否したことは事実です。同じ旭川市内の教員経験者で、大学も同じ同窓生という間柄では、偏ったり、かばう可能性もあり、適切な調査が行えるかどうか疑問を感じました。平等で公平で利害関係のない人を選出しなくてはならない第三者委員会なのに、この人選には違和感しかありませんでした。

旭川市が要請するメンバーだけでなく、1人でもいいので遺族側が希望する人を第三者委員会に入れていただきたいです。第三者委員会には、どちらに偏ることなく、適切な調査を行っていただけることを信じて待ちたいと思っています」

市教委も「直接人間関係を有する者はよくない」

 旭川市教育委員会に第三者委員会の人選案について問い合わせると以下の回答があった。

「今回の第三者委員会のメンバーは、この事案のために新たに人選したものではなく、以前から設置していた委員会のメンバーを提示したものでした。国のガイドラインでも、本件に関わる調査においては事案の関係者等、直接人間関係を有する者についてはよくないというのは理解しているので、ご指摘のあった2名については、この調査には関わらないことにしております。現在、第三者委員会は4人ですが、今回の事案に関しては早急に迅速に進めなければならないということもあり、人数も増やすことを考えていて人選中です」

5月14日の午後1時から開かれる旭川市の経済文教常任委員会では、「旭川市いじめ防止等対策委員会における調査の実施について」話し合われる予定だ。旭川市は真摯に遺族と向き合う必要があるだろう。

 

 

(18)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

暴力団と関わりがあるようにネットで騒がれた

 旭川市内で、自動車店「GARAGE VOX」を営む宮川匠さん(48)一家はネットであらぬ疑いをかけられ、東容疑者から電話で“直撃”を受けた。
宮川さんの息子は爽彩さんをイジメた加害生徒であるC男が通ったZ中学校の卒業生だ。

今回のイジメ事件の報道があってから、どういうわけか宮川さんの息子は加害者グループの一員だったと「断定」され、家族全員の実名や自宅の住所まで晒され、犯罪者集団のような扱いを受けた。

 しかし、宮川さんの息子は加害生徒のグループとは学年も違い、
爽彩さんと関わりがないことは、爽彩さんの遺族も断言している。
宮川さんが語る。

 

「うちは21年間、地道に真面目に商売をしてきました。
それなのに暴力団と関わりがあるようにネットで騒がれ、東容疑者にそうした間違った情報を拡散されてしまったため、仕事にも影響が出ています。
東容疑者は先週末、突然店に電話をかけてきました。
そして、私の息子をイジメの加害者扱いした上で、『取材させてくれ』と迫ってきました。
『うちは関係ないので(家に)来ないでくれ』
『そんなに話をしたいなら第三者がいる警察の前で話をしよう』と伝えると、
そこで電話は切れました。

 東容疑者は結局、店にはやってきませんでしたが、自身のツイッターで一方的に店の写真を公開すると、息子の顔写真が晒されました。
息子は『事件の主犯』扱いされ、『さすがにこれは酷い』と電話で伝えたら、ツイッター上から息子の顔写真は削除されました。

 ですが、既に東容疑者の投稿した息子の写真や名前がネット掲示板や別のユーチューバーによって次々と拡散されてしまいました。
今でも毎日のように嫌がらせの電話が店にかかってきます。
見慣れない、地方ナンバーの車が店の前をウロウロするようにもなりました」

 

取材中に宮川さんをあざ笑うようないたずら電話が…

「主犯扱い」されてしまった宮川さんの息子も肩を落とす。

「事件とは全く関係ない僕の友人までネットで晒されていて、犯人扱いをされています。僕は事件があった公園がどこであるかすら知らないし、爽彩さんの顔も知りません。
そもそも(爽彩さんがイジメを受けた際に在籍していた)Y中学の人間との関わりもなかった」

宮川さんの息子は加害者グループの一人と勘違いされ、顔写真まで晒されてしまった

 取材班が宮川さんに話を聞いている間にも、
宮川さんの店にイタズラ電話がかかってきた。

 

「また……来ました」

 宮川さんが重い腰を上げて、受話器をとると、電話の向こうからはあざ笑うような声が聞こえてきた。

「多くの書き込みは既に削除され、東容疑者本人からの謝罪は一応ありましたが、
あとの祭りです。
謝って消せばいいという問題じゃない」

 

宮川さんは深いため息をついた。

 

dさんは爽彩さんとトラブルになったことはあるが…

 ネットに実名を晒された無関係な生徒は、宮川さんの息子だけではない。
事件当時、Y中学校に通い、爽彩さんがY中学校を転校した後も、彼女を支えた数少ない友人であるdさんも、ネット上では、「犯人グループ」の一人として名指しされている。
dさんの実名が広く晒されてしまったのは、ある人気ユーチューバーの生配信中に飛び込みで電話出演した「Y中学校の同級生」を名乗る人物の発言がきっかけだった。

この人物が、dさんが「犯人グループの一人」であると“匂わせた”ことから、ネット上で一気に実名が拡散してしまったのだ。

dさんは疲れた表情を見せながら、話をしてくれた。

「僕は、2019年4月、爽彩さんがY中学校に入学した当初に、彼女と親しくさせてもらっていました。
その際に、爽彩さんに対してトラブルを起こしてしまったことがあります。

そのことについては、爽彩さんから後日許してもらい、爽彩さんのお母さんにも説明して、理解してもらっています。

爽彩さんがdさんへ送った絵

 僕は爽彩さんのイジメ事件には一切関わっていません。
むしろ僕もイジメグループのある人物からパシリまがいなことをさせられていた時期がありました。
イジメのことがあって、爽彩さんがX中学校に転校してからも、時々、手紙のやり取りをして、互いに励まし合っていたんです。

 

実名を出され、犯人扱いされるのはさすがに辛い

 ただ、爽彩さんと僕との関係性を知らないY中学校の同級生からは、トラブルをおこした僕は犯人グループと一緒に見えたのかもしれません。
爽彩さんがウッペツ川に飛び込んだときも、学校や警察に呼ばれて事情を聞かれました。
でも、僕はあの現場にはいなかったし、一切関わりはありませんでした。

 爽彩さんが受けた酷い出来事について、僕はむやみに広めたくなかったので、爽彩さんのことはこれまであまり語らずにいました。

ですが、イジメ事件について報道があってから、真相を知らない同級生が、ネットの人たちに乗せられて憶測で言いたいことを話すのには耐えられない。
実名を出され、犯人扱いされるのはさすがに辛いです」

爽彩さんが亡くなる2か月前にdさんへ送った手紙

 亡くなる2カ月前にdさんの元へ送られてきた爽彩さんからの手紙には、dさんへの感謝の言葉と共に絵が描かれている。
dさんがイジメ事件には関わっていないことは先ほどの宮川さん同様、爽彩さんの遺族が断言した。

現在dさんは、ノイローゼ気味となり、連日不眠に悩まされている。
宮川さんやdさんは既に警察や弁護士に相談しており、被害届を出すことを考えている。

 

 元埼玉県警刑事部捜査第一課所属で、
デジタル捜査班班長をつとめた佐々木成三氏が解説する。

 

「事件とは無関係であるにもかかわらず、
実名や顔写真などの個人情報を流した場合は名誉毀損罪及び侮辱罪に問われる可能性があります。
また(宮川さんのように)、店舗に繰り返し何度もイタズラ電話がかかってくるケースでは業務妨害罪にも該当する。

間違った情報であっても、どんどん拡散されてしまうのはツイッターなどの特性ですが、そうした『名誉毀損』の書き込みをリツイートしただけでも、民事裁判を起こされた場合は、損害賠償の対象になり得ます。
また、嫌がらせをする目的で待ち伏せをしたり、つきまとう行為は迷惑防止条例違反に該当します。
ただ、現在ネットで横行している“晒し行為”の一番怖い点は、それが名誉毀損にあたることを拡散している当人が分かっていないこと。

つまり当人に違法性の認識が低いことですね」

ネットリンチは形を変えたイジメ。
遺族は望んでいない

 今回、取材に応じてくれた宮川さんやdさんの他にもあらぬ疑いをかけられ、犯人グループの一員として実名や写真をネット上に晒された無関係の生徒は複数存在する。
爽彩さんの親族が胸の内を吐露した。

「事件を知ってくださった方々が爽彩のことを考えてくださるのは本当にありがたいです。ですが、今はこれからはじまる第三者委員会の調査の結果を信じて待ちたいと思います。
ネットリンチもまた、形を変えたイジメであり、我々は望んでいません。
事件と関係のない方までもがネット上に晒されてしまう現状に胸が苦しくなります」

 亡くなる直前、ネットが家庭以外の唯一の居場所だった爽彩さん。
ネットを通して新たな「被害」が生まれてしまうことは彼女も決して望まないだろう。

 

(17)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

 

 

無関係の旭川市民を晒しまくる“迷惑ユーチューバー”被害続出【1名逮捕】

旭川市がこんなに早く、爽彩がイジメを受けていたかどうかを再調査すると決めたのは、(文春オンラインの)記事が出てからのネットの反響がとても大きく、多くの抗議の声が上がったからだと思います。
そうした声が上がったのは本当にありがたいのですが、一方で、行き過ぎた言動がいまネットを中心にあふれており、異常だと思うことがあります。
正直、少し冷静になっていただけたらと思う部分もあります」
(爽彩さんの遺族の支援者)

 


ユーチューバーが旭川に現地入り。
ついに逮捕者が出る騒ぎに

 

 爽彩さんが受けた「イジメ」の全容解明に向けて、少しずつ動き出した一方で、日に日に“過激さ”を増しているのがネット空間だ。
ある匿名掲示板では、イジメを行った加害者グループメンバーの実名や住所の割り出しが盛んに行われ、事件とは全く関係のない人物の実名や住所までも晒されている。
さらに複数のユーチューバーが、旭川に現地入りし、市民への迷惑行為が横行した結果、ついに逮捕者が出る騒ぎにまでなった。
こうした騒動が頻発していることに対して、爽彩さんが生前通ったY中学校の生徒や保護者、そして爽彩さんの遺族らから戸惑いの声が出ているのも事実だ。

 

「今以上の炎上騒ぎになる」と迫ったユーチューバー

 4月26日、旭川中央警察署は神奈川県相模原市に住む自称ユーチューバー「折原」こと、東優樹容疑者(25)を強要未遂の疑いで逮捕した。
東容疑者は爽彩さんの知人女性に対して、SNSを通じ、無理矢理話を聞こうとした疑いがもたれている。

東容疑者のTwitter

「北海道警によると、東容疑者は
『話を伺わせてもらえませんか』
『今以上の炎上騒ぎになると思います』と爽彩さんの知人女性にSNSで発信した。
『話をしなければ、今以上の炎上騒ぎになる』と迫った点が強要行為にあたると判断されました。
さらに東容疑者は、爽彩さんの知人に対する付きまとい行為も激しく、
裏どりもしっかりとできていないうちに、相手の顔写真や住所までいきなりSNSで公開したり、
実際に相手の職場を訪れ、“直撃”を行っていました。
こうした行為を問題視した警察は東容疑者を逮捕前からマークしていた」(地元メディア記者)

 

青髪にゼブラ柄の毛皮コート姿の東容疑者が爽彩さんの自宅へ

 東容疑者の迷惑行為は、旭川に入ってから加速し、遺族や事件に関係ない人をも巻き込んでいった。23日深夜、自身のユーチューブにあげた動画では、

「俺は慎重に調べている」

「デマの情報に気をつけている」

「被害者遺族のもとへ行くつもりはない」

「全てを晒す」

 など、自信満々に活動を報告していた。

爽彩さんの母親の自宅を訪れた東容疑者。画像は遺族の支援者提供

 この際に「被害者遺族のもとへ行くつもりはない」と語っていたが、
4月25日、爽彩さんの母親の自宅にも訪れた。
インターフォンのカメラには、
青髪にゼブラ柄の毛皮コートを着た東容疑者の姿が記録されていた。

 

(16)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

「報道されている言葉が本当であれば、ふざけんなって思います」

 

 爽彩さんが加害生徒から受けた凄惨なイジメの実態を報じた文春オンラインの記事について、その真偽を問う質問も集中した。

「報道されていることは事実なんですか? 
過剰なんでしょうか?
子供に『お母さん私どうしたらいいの?』と言われて正直悩みました。
先生方は命の大切さとおっしゃっていましたが、言葉の重みというものも子供達に伝えて欲しいです。
報道されている先生が発した言葉が本当であれば、ふざけんなって思います。
今回報道されなかったら誰も何もしなかったのか」(在校生の母親)

 

 校長はこう答えた。

「言葉の重みというものにつきましては、本当に重く受け止めて参りたいと思っております。今回の報道に関わる部分ですけれども、当時の学校の対応に関わる部分の中で、食い違っている部分もあります。その部分も含めてこの後の第三者による調査の中でしっかりと検証されていくと思っております」

 

学校側はイジメについて子供たちに「話はしていない」

 爽彩さんが受けたイジメの事実について、これまでY中学校は保護者、在校生らに詳しい説明をしてこなかった。
ネットで事件を知った子供から事件について聞かされた保護者たちは混乱していた。質疑応答は白熱していった。

 

「今回の件について、生徒たちには学校からどのように説明しているのでしょうか。
子供に質問された時に私たち親はなんて答えればいいんでしょうか、教えてください!」(在校生の母親)

「今回の件につきましては、先ほども申し上げましたように、
今後第三者による調査によりまして学校の対応を含めて色々な面が明らかになったら、今後学校としてどういうふうにして受け止めて、指導にいかしていかなければならない。
そのことをしっかりと受け止めて参りたいと思っております」(校長)

 

スマホタブレット、パソコンでどんどん情報が入ってきて、
子供たちは私が教えなくてもネットを見て知っていくという状態です。
学校側は今日この説明会があるまで子供たちに対して何の説明をして、
どういう対応をしたんですか?」(3年生の母親)

「この事案に関わるお話は公表できない事になっておりますので、お話はしておりません。学校が行っている対応は警察と連携しながら登下校の時に巡回をしていただくとかですね、安全安心に関わる部分の対応を行ってきているところであります」(校長)

 

 

「Y中学校を爆破する」と脅迫電話が…

 実はこの日の朝、何者かが市役所に「Y中学校を爆破する」と脅迫電話をかけてきたという。
そのため、市は警察と相談し、この日は学校周辺をパトカー数台が一日中警戒に当たるなど、終日緊張感に包まれていた。
保護者からはこの点についても不安の声が出た。

 

 

「今日、爆破予告が入っていたというのは本当ですか?」(1年生の母親)

 

「今お話にありました爆破予告と言いますか、そういうような愉快犯は市役所の方にそういう情報が入っていたということは聞いております」(校長)

 

「私は不安を抱えたまま子供を送り出しましたし、学校に行った子供も不安だったと思います。
そういう(爆破予告の)事実があったら、まず(爆弾が校内にないか)確認して大丈夫なのか、少し登校時間をずらすとかできないのか、せっかくメールを登録しているのでご連絡いただきたいです」(1年生の母親)

 

「わかりました。警察、教育委員会と連携してですね、施設も一度全部点検していただいて、安心だということでこのまま対応させていただいております」(校長)

 

学校側の煮え切らない態度に、飛び交う怒号

 いつしか会場には怒号が飛び交うようになっていたという。
学校側の煮え切らない態度に怒り、途中退席する保護者も大勢出るなど、保護者会は大荒れとなった。
保護者の非難の矛先はイジメ問題の当事者でありながら、今回の保護者会には姿を現さなかった前校長や当時対応にあたった現教頭に向けられた。

 

「2年前にいた校長先生は、今日この場にいらしてないんですか? なぜですか?」
(1年生の母親)

 

「来ておりません。お気持ちはよくわかるんですけども、いま本校の職員でないので、そのような状況にはならなかったです。
大変申し訳ございません」(校長)

 

「最初に、報道に対しての説明をするという話で開始しましたよね。SNSでの誹謗中傷、(子供は)当然みんなSNSや報道も見ている。文春オンラインの記事の内容を見て僕は涙が出た。この学校に子供を通わす親として、本当に大丈夫なのかと。
それに事件に関して何の説明もない。
『第三者委員会』を繰り返して、あのおぞましい行為をイジメじゃなかったと判断している学校。
この中途半端な説明会でどれだけみんなが納得すると思いますか。
そしてやるからにはきちんと記者会見して、イジメはなかったと言えるくらい胸張っていてくださいよ。
教頭先生、生徒のスマホ画面をカメラで撮ったそうじゃないですか。
これも第三者委員会じゃなくては分からないことなんでしょうか」(在校生の父親)

 

教頭は「私自身は法に反することはしていない」と主張

 

「……」(教頭)

「今あったお話にこの場でお答えできないことが本当に心苦しいですけども、
私どももお話できない状況になっておりますので本当に申し訳ございません」(校長)

 

「教頭先生にお話はしていただけないのでしょうか?」(在校生の母親)

 

すると、教頭はこう答えた。

「私の方からお話できることは、第三者委員会の調査の中では、私の知っていることは全て誠実にお伝えさせていただきたいと思っております。
1つだけ今回の報道等に関することは、個別の案件に関わることですのでお答えすることができませんが、私自身は法に反することはしていないということはお伝えさせていただきたいと思います。このあと捜査を受けることになるか分かりませんけども、しっかりと対応していきたいと思っております。現段階では私のお話は以上です」(教頭)

 

教頭、担任教師は一度も頭を下げることはなかった

 1時間30分に渡って行われた保護者会は20時30分に終了。
20名を超える保護者から学校側に厳しい意見が突き付けられたが、
学校は「第三者委員会の調査」を理由にほとんどの回答を拒否。
保護者からは「何のための保護者会だったのか」
「まったく意味がなかった」などの声が洩れたという。

 事件当時を知らない校長は何度も陳謝し、保護者に頭を下げたが、
爽彩さんや母親が必死に助けを求めた
教頭、担任教師は一度も頭を下げることはなかったという。

 

 

爽彩さんの幼少期の写真

 爽彩さんの遺族は、文春オンラインの取材に対して以下のコメントを寄せた。

「事前に連絡はなく、説明会のことは知りませんでした。
どんな説明会だったのかはわかりませんが、ほかの関係のない子供たちが巻き込まれてしまっているのは、とても辛いです。
学校に対しては、イジメと向き合って、第三者委員会の調査に誠実に向き合っていただきたいです」

 保護者会の翌日の4月27日、旭川市教育委員会は定例会議で「女子生徒がイジメにより重大な被害を受けた疑いがある」と、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」に認定。5月にも第三者委員会による本格的な調査を始めると発表した。
Y中学校の誠実な対応が求められるだろう。

 

 

 会議を終え、取材に答える北海道旭川市西川将人市長(右)
と黒蕨真一教育長=22日午後、旭川市役所 

 

 

(15)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

家族は「イジメのない世の中になることを切に願う」

 今年4月22日、旭川市西川将人市長は総合教育会議を開き、2019年当時は「イジメはなかった」としていたY中学校の調査結果を見直し、改めて、当時「イジメがあったのかどうか」再調査すると記者団に発表した。西川市長は教育長に旭川市教育委員会とY中学校側の対応を改めて調査するよう指示。医師や臨床心理士、弁護士らに委託して、第三者で作るいじめ防止等対策委員会を設置し、調査を開始する方針を示した。

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爽彩さんの家族は、旭川市の発表を受けて、次のようにコメントを出した。

「娘はわずか14年という短い人生に幕を閉じました。娘は生前、勉強したり、絵を描いたりすることが大好きな子でした。中学1年生の頃イジメに悩まされながらも必死で生きてきました。家族としては、旭川市の調査が進み、これまで明らかにされなかった情報が開示され、真相が一刻も早く究明されることを願っております。そして何よりもイジメのない世の中になることを切に願います」

 市の調査によってイジメの全容が解明され、二度とこのような悲しい事件が起きないよう、行政の誠実な対応を待ちたい。 

 

怒号飛び交う90分
「ふざけんな」
「おぞましい」

 

旭川14歳少女イジメ凍死事件がついに国会審議の俎上に載せられた。
4月26日、萩生田光一文科大臣は音喜多駿参議院議員の質問にこう答えた。

「本事案については、文科省として4月23日に旭川市教育委員会及び北海道教育委員会に対し、事実関係等の確認を行い、遺族に寄り添った対応を行うことなど指導、
助言を行った」

爽彩さんが亡くなった公園に置かれた献花 

 

萩生田大臣は
「事案が進まなければ政務三役が現場に入る」

 今年3月、旭川で当時14歳の廣瀬爽彩(さあや)さんが凍死して見つかった事件の背景に凄惨なイジメがあったことについて、「文春オンライン」では4月15日からこれまで9本の記事を掲載し、詳報を続けてきた。
爽彩さんが通っていたY中学校では、これまで「イジメはなかった」としていたが、
報道を受けて22日には旭川市がイジメの再調査に乗り出すことを公表。
だが、冒頭の発言の後、萩生田大臣はさらに、

文科省としても必要な指導、助言を行っていくことが重要であると考えており、
今後なかなか事案が進まないということであれば、文科省の職員を現地に派遣する。
或いは私を含めた政務三役が現場に入って直接お話する。
ただ、一義的には少し時間がかかり過ぎじゃないかと」と述べ、旭川市の対応に釘をさした。
旭川市の再調査の発表を踏まえたうえで、その調査に迅速な対応がとられない場合は、本省の職員あるいは政務三役を直接現地に派遣する可能性に言及したわけだが、これは「イジメ対応としては、かなり踏み込んだ発言」(全国紙政治部デスク)と見られている。

4月26日に開かれたY中学校の臨時保護者説明会

 しかし、その一方で、渦中の旭川市の教育現場では、いまだに煮え切らない対応が続いている。
取材班は4月26日、萩生田大臣の答弁が行われた同日の夜に臨時に開催されたY中学校の保護者説明会の様子を取材。
保護者説明会では、学校側は相変わらずの隠ぺい体質を貫き、イジメの実態については何も明らかにしなかった。
保護者達は反発し、怒号が飛び交う「大荒れ」の展開となった――。

Y中学校、臨時の保護者説明会の告知

「文春オンラインの報道が出てから学校には問い合わせの電話が殺到。
取材活動も過熱し、地元メディアがY中学校の生徒に直接コンタクトしようと声がけをするなど保護者から不安の声が上がっていました。
学校側が自主的に説明の場を設けたというより、開かざるを得なかったというのが本当のところです」(Y中学校関係者)

 

 

爆破予告でパトカーも出動

平日夜にもかかわらず保護者100名が詰めかけた

 19時から校内の体育館で行われた保護者会では厳戒態勢が敷かれた。
体育館の入口では教員らが在校生名簿と保護者の名前を照合し、部外者を完全にシャットアウト。
不測の事態に備えて、パトカー数台が警戒に当たるなど、学校周辺には異様な雰囲気が漂っていた。

 平日の夜にも拘わらず、体育館には100名ほどの保護者が詰めかけた。
取材班は出席した複数の保護者から現場の様子を聞き取った。

 パイプ椅子に座った保護者の前に校長と教頭が立ち、体育館の横の壁に沿ってPTA会長、教育委員会のカウンセラー、爽彩さんの当時の担任教師を含めた各学年の教員20名ほどが直立不動の姿勢で並んでいたという。

保護者会が行われたY中学校の体育館 

 

当時別の中学校在籍だった校長が、何度も頭を下げて説明

 19時、開始の時刻を過ぎると、重々しい空気の中、校長がまずマイクを取った後、深々と頭を下げ、爽彩さんに向けたお悔やみの言葉を口にした。
なお、この校長は昨年4月にY中学校に赴任したばかり。
爽彩さんがイジメを受けた2019年は市内の別の中学校に在籍していた。
校長はこう述べた。

「本校の対応に対するご意見やご指摘が続いており、生徒や保護者の皆様にはご不安な思いやご心配をおかけしております。
そのような中、生徒の不安解消や、安心安全を確保するために、その一助になることを願い、本会を開催させていただきました」

 校長は何度も頭を下げ、今後の措置として、在校生の心のケアのために個別面談を実施することや教育委員会からスクールカウンセラーを招聘することなどを説明したという。

対応していた教頭、当時の担任教師は同様の言葉を述べるのみ

 続いて、6月に起きたウッペツ川飛び込み事件の後から、爽彩さんの家族への対応窓口となった教頭と、当時の担任教師が、揃って同様の言葉を述べた。

「本校に在籍していた生徒が亡くなったことに関しまして、心から残念であり、言葉になりません。ご冥福をお祈り申し上げます。
また、ご遺族の方にはお悔やみを申し上げます。
本校生徒の保護者の皆さんにご心配、ご不安な思いをさせておりますことに、お詫び申し上げます。
報道に関する部分につきましては、今後予定させていただいている第三者委員会において、誠心誠意対応させていただきます。
今、私ができることですが、保護者の皆様にできることに一生懸命努力していきたいと考えています。よろしくお願いいたします」

 

質疑応答で担任教師は下を向くだけ

 その後、20分ほどで学校側の説明は終わり、次に保護者による質疑応答の時間となった。最初にマイクを持ったのは同校に3年生の子供を通わせている母親だった。
この子供のクラス担任を今務めているのは、爽彩さんの母親がイジメの相談をしてもまともに取り合わなかった当時の担任教師である。
質問した母親はまず「亡くなった子の担任だった先生に何を子供は相談するのか? 
担任を代えてください」と訴え、涙で声を震わせながらこう続けた。

「担任の先生が(爽彩さんの母親からイジメの)相談を受けたときに
『今日わたしデートですから、明日にしてもらえませんか』って言ったというのが報道で出ていますよね。
小耳に挟んだ話ですけど、先生がお友達にLINEで
『今日親から相談されたけど彼氏とデートだから断った』って送ったっていう話をちらっと聞いたんですよ。
本当に腹が立ちました。
そういうことも言ったかどうか全部はっきりして欲しいです」

 当時の担任教師は前に立っていた同僚の後ろに隠れるようにして、下を向くだけで、一言も答えない。
代わりに校長が「いまの質問にここで即答はできない。
申し訳ございません。検討します」と答えた。

 

 

(14)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

《テンションあげるの難しいですね》
失踪当日のメッセージ

  爽彩さんが家を飛び出し、失踪した2月13日、
爽彩さんはbさんに午前中から失踪直前に至るまでLINEメッセージを何度も送った。

「午前中までは何気ない、いつものテンションだった」とbさんは語る。

 以下は失踪当日、bさんに爽彩さんから送られてきたメッセージの抜粋だ。

《おはよ》(9時10分)

 

《テンションあげるの難しいですね》(9時10分)

 

《おべんきょ頑張れ》(13時49分)

 この日、bさんは大学受験の当日だったため、返信をできずにいた。
爽彩さんの糸が切れたのは、その日の夕方のことだった。

《ねえ》(17時26分)

 

《きめた》(17時26分)

 

《今日死のうと思う》(17時26分)

 

《今まで怖くてさ》(17時28分)

 

《何も出来なかった》(17時28分)

 

《ごめんね》(17時28分)

 

《既読つけてくれてありがとう》(17時34分)

失踪直前に爽彩さんがbさんへ送ったLINEメッセージ
失踪直前に爽彩さんがbさんへ送ったLINEメッセージ

 同様のLINEを、bさん以外の他の友人数名にも送り、爽彩さんはスマートフォンの電源を切った。
後にbさんが返信をしたものの、そのメッセージに「既読」のマークはつくことはなかった。

この日の旭川の気温はマイナス17度。
凍てつく寒さの中、爽彩さんは薄着で夜の公園へと出向いた。
彼女の遺体が発見されたのは、それから38日経った3月23日のことである。

イジメがあった公園 ©文藝春秋

 前出のaさんは「彼女はずっと苦しんで耐えてきたんです」と、絞り出すように答えた。