「陰口はよくない」 LINEスタンプでいじめ防止!
マートフォンの無料通信アプリ「LINE(ライン)」をきっかけにいじめが生まれている現状を受け、小学校の前校長やクリエイターらがラインで使うイラスト(スタンプ)を作成した。心地よい会話を促し、いじめ防止に役立てるのが狙いで、全国の児童・生徒から募ったデザインを大阪在住の漫画家が加工。今月1日から販売を始めたところ、大人でも身近に使えると話題になっている。
(芦田彩)
ラインは知人同士やグループで、文字やスタンプを用いて会話を楽しむもので、子供たちの間でも広がっている。
今回、中心となって企画したのは、起業家らが仕事場を共有するコワーキングスペース事業などを手がける「Kaeru(カエル)」(大阪市中央区)代表取締役の大崎弘子さん(39)。ラインのやりとりが原因で、いじめや事件が起きている現状を知り、子供自身がいじめ防止の方法を考える必要があると思いついた。
昨夏、小学生から高校生までの児童・生徒にデザインを募集。以前から親交のあった、広報代行会社経営などを経て民間人校長となった市立敷津小(同市浪速区)の山口照美前校長らも招き、189点の応募から40点を選出。同市在住の漫画家、平(へ)井(い)太(た)朗(ろう)さんが着色などのアレンジを加えた。
スタンプの名称は「『みんなで作ってみた。』スタンプ」。ラインのメッセージが読まれているにもかかわらず返信のない状態「既読スルー」が、「無視している」と受け取られ、いじめにつながる原因の一つになっていると知った大崎さんは「後で返事するね!」などのイラストも採用。他にも「陰口はよくない!」「いじめあかんで!」「今の、すげー傷ついた」という直接的な表現のものや、「ひとりじゃないぞう。」といった前向きになれるものなどバラエティー豊かだ。40点1セットを120円で販売。利益は青少年のいじめ根絶などに取り組む団体に寄付する。
大崎さんは「大人でも使える内容なので、気持ちよいコミュニケーションに役立てて」と話している。