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いじめの自殺が多い9月1日

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内閣府がまとめた18歳以下の自殺者数のデータによると、2013年までの42年間で亡くなった人が最も多いのは「9月1日」だ。長い夏休みを終え、久しぶりの登校日に当たることから、いじめを受けている子どもたちに取って、プレッシャーが最も重くのしかかる日だとされている。背景には、学校で顔を合わせなることなくコミュニケーションを取ることができる、LINEなどSNSの存在があることも大きい。

 

 AbemaTV『AbemaPrime』では、今、中高生の間で深刻化する"LINEいじめ"に焦点を当て、家族などを取材した。

中高生たちに話を聞くと、

 

 「グループから嫌だなと思う人を強制的に抜けさせる」(中1)

 「その子以外の人でグループを作って悪口を言ったりとか。イジメかどうかは分からないが、急にグループから外すというのもある。」(高3)

 「『○○君うざくない?』『明日無視しようぜ』みたいな感じのことをLINEで言ってきて、それに乗らなかったら、自分もその子にいじめられる。それが集団でのいじめにつながっちゃうということがよくあった」(高1)

 

 と、いじめに発展しかねないコミュニケーションが日常的に起こっていることを伺わせる。

 

 高校生と共同でLINEのコミュニケーションを研究している加納寛子・山形大学准教授が入手した実際のやりとりによれば、「手が滑った」など、誤操作で退会させてしまったかのような言い訳をしながら、グループから外したあとで個人の悪口を言い合い、再び招待して"遊ぶ"ようなケースもある。メッセージ=言葉だけでなく、やりとりの文脈の中で巧妙に不安に陥れ、暗にいじめを行うという実態もあるのだ。

 

■被害者遺族「文字は何度も見ることができるので、どんどん傷ついていく。」

 先週末、青森市で自ら命を絶った中高生ら18人の写真や遺族のメッセージなどを紹介する展示会が開かれた。新学期を迎える子どもたちの命の危険を訴えるのは、長年いじめ問題に取り組んで来た「ジェントルハートプロジェクト」の小森美登里さんだ。小森さん自身も19年前、娘の香澄さんをいじめによって亡くしている。「やはりこの時期に(展覧会を)やって、メッセージを子どもたちに見て頂いて、『もう1回頑張ってみよう、自分1人じゃないかも』と思ってほしい」と話す。

 「娘の死をまだ受け入れたくないというか。認めたくない」。展示会に参加した葛西剛さんも、自殺で我が子を亡くした遺族の一人だ。去年8月、当時中学2年の娘・りまさんが線路に入り、自ら命を絶った。りまさんを撮影した写真は地元の写真コンテストで最高賞を受賞したが、被写体が故人であることを理由に内定を取り消されたことも報じられた。それから1年、葛西氏は娘のことを思わない日はない。

 りまさんが受けていた"LINEいじめ"。トーク画面には中傷する文章が並び、自死を促すようなものもあった。葛西さんは「『死ね』という言葉は一番心に刺さる言葉。普段使うような言葉じゃないが、SNSでは当たり前のように使われてしまう」と話す。

 3年前、海に身を投げて命を絶った大森七海さん(当時高校2年)も、LINE上でいじめを受けていた。七海さんの母親は「『存在自体がうざい』『自殺迷惑』とか。文字は何度も見ることができるので、どんどん傷ついていく。口では言えないことでも、文字はその時の気分が簡単に出てきちゃう」と話す。七海さんは携帯を見るのが怖く、家に帰っても一切触らない時期もあったという。

 

■いじめを受けている中学生の母「思春期も重なるので、判断が難しい」

 現在進行系でいじめの被害に苦しむ中学生の母親がAbemaPrimeの取材に応じた。

 埼玉県内の公立中に通う息子が、部活でのトラブルを機にLINEグループから外され、練習もほとんど1人で行うという状況に追い込まれたのだという。LINEには「迷惑してるんです」「しねかす」「ごみおつ」など、存在を否定するようなメッセージが送られてきたほか、信頼していた友達からも約束をドタキャンされた。

 「突然LINEグループから外されて、何かの間違いだと思ってすぐに入り直させてもらったんですけど、またすぐに外されて。何が理由なのか、原因なのかわかりませんでした。」

 

 いじめはエスカレートし、暴力にも発展した。肘で顔を殴られたり、首を絞められたりしたこともあったという。

 

 「毎日のように隠れて見に行っていた。私の目の前でも叩かれたり突き飛ばされたりしていた。顧問にその都度相談したが『気をつけてみる』ということだった。首を締められた時にはさすがに危ないと思ったので、警察に相談したこともあった」。

 

 息子は中学2年2学期からは学校にはほとんどいけなくなってしまった。自宅に引きこもりがちになり、自ら命を絶とうとしたこともあった。転校することも考えたが、転校先でまたいじめに遭うことを心配しているのだという。

 

 「今年4月からは学校に少しずつ行けるようになったんですけど、5月には通学靴にマジックで『死ね』って書かれるということが起きました。子どもが勇気をもって告白してくれて、先生にも相談してくれたのですが、学校側は自分たちの保身を考えて公にしないようにしている節があります。LINEでのトラブルは他にも起きているみたいなのですが…」。

 

 現在、志望校を目指し、塾にも通っている。しかし、一部の生徒からの嫌がらせはまだ続いている。9月1日の始業式を前に、母親は「行きたくないような雰囲気が見えたりする。でも私が心配すると思って、行きたくないとは言わない。子どもたちには、親に心配かけたくないという気持ちも大きいと思う」と話す。

 

 「中学生くらいになると思春期も重なるので、子どもの様子が変わっても、反抗期なのか、それとも悩みがあってなのか、判断が難しいと思います。学校にもきちんと対応していただきたいと思いますが、親も出来る限り目を離さないようにして、会話を増やすようにして察知できるようにしています。携帯電話は私にもちゃんと見えるような約束のもとで使わせています」。

 

■LINE自身も対応策、地域の大人も積極的関与を

 いじめの問題に詳しい全国WEBカウンセリング協議会理事長の安川雅史氏は、「目の前に相手がいればある程度ブレーキがかかるが、文字のやり取りではなかなか難しく、簡単に『死ね』といった言葉を使ってしまう。また、LINEグループの場合、一人が誰かをターゲットにすると、他の人も同調して、集団でいじめるようになっていく」と話す。

 「夏休み中の方がスマートフォンに触っている時間が長くなる。そこでエスカレートする傾向がある。SNS上のいじめは学校を休んでも続く。だから逃げ道がないと思いがち。しかし思い切って環境を変え、人間関係をリセットすることがで変わるかもしれない」。

 自殺対策に取り組むNPO法人ライフリンク」代表の清水康之氏も「自殺対策基本法が2006年にできて以降、中高年・高齢者の自殺者数、自殺率は減ってきている。その一方で19歳以下、20代の自殺率はほぼ横ばいの状態」と指摘した上で、「いじめの対象に自分はなりたくない、そのための一番の方法はいじめる側にまわっておけばいい、ということになる。今の子どもたちにとって、LINEを使うのをやめるわけにはいかない。また、学校以外の居場所の選択肢がなかなか見えないのも、精神的に追い込まれてしまう原因」と話す。

 「学校がつらくてもココがあるよ!」プロジェクトに参加するNPO法人東京シューレ」がフリースクール3カ所(東京都北区、新宿区、千葉県流山市)を無料開放するなど、一時的に現実的な逃げ場を提供する試みもある。

 また、子どもにとって危険なワードが入ったメッセージが届くと親に通知が送信される「Filii」(フィリー)や、いじめを見たり、聞いたりした時に匿名で教育委員会に報告できる「STOPit」というアプリもあり、「STOPit」はすでに25校が導入し、1万2000人が利用しているという。また、LINE自身もいじめ防止に取り組んできており、長野県、大津市と協力し、LINEを使った相談窓口の試験導入を決めている。安川氏も「24時間体制などになっていけば、かなり有効な手段になりえると思う」と話す。

 しかし、SNS、LINEはあくまでもツールに過ぎず、いじめが根本的に無くなるわけではない。 

 

 清水氏は「いたちごっこになるとしても、徹底的にいたちごっこをすればいい。同時に、いじめが起きる環境、要因を社会、地域から取り除いていかないといけない。大人がどう関わるかが問われている」と指摘。「保健師による出前授業やスクールロイヤーとの連携、子どもたち同士での議論を通じてルールを決めさせる。そして、これらの取り組みを学校の先生だけに押し付けるのではなく、地域の大人も入り込んで、助けていくべきだ」とした。