逃げ回っても桜は咲く。いじめ解決法
1月13日・14日に大学入試センター試験が行われましたが、福島県のJR郡山駅構内に掲げられた「受験生に向けたメッセージ」が話題となっています。今回の無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、2年前にも同じく郡山駅の黒板に書かれ大きな感動を生んだ激励メッセージから「道はひとつではない」という言葉を取り上げ、いじめに悩む被害者やその家族にエールを送っています。
センター試験
2016年、センター試験初日のJR郡山駅の黒板の手書きメッセージが話題になりました。内容を一部引用させていただきます
平成28年1月 受験生のみなさまへ
いつもJR東日本郡山駅をご利用いただきありがとうございます。今、このメッセージを書いている私も、数年前はみなさんと同じように受験生でした。その頃、私には夢がありました。
(略)
残念ながら、あの頃抱いていた夢は叶えることができませんでしたが、道はひとつではありません。みなさんが今持っている夢や目標のために、ぜひ全力で取り組んでほしいと思います。きっと何かが見えてくるはずです。郡山駅社員一同、心より応援いたしております。
「道はひとつではない」という言葉の中に温かみが伝わってきます。いじめの相談の中には、高校3年生の秋に転校したという子もいました。秋に開かれた文化祭で実行委員長として文化祭を大成功に導いたばかりでしたが転校に踏み切らざるを得なかったのです。文化祭の活躍に嫉妬した同級生からの執拗ないじめと、何度も相談したのに守ってくれなかった学校が信用できなくなったのです。
すでに決定していた大学への推薦を棒に振った上での、11月という受験生としては考えられないような時期での転校でした。そして4月になって連絡が入りました。
「受験して第一志望の大学に入りました。私の母校は、2年半も通ったあの高校ではありません。ほんの少ししか在学しなかったですけど、今年卒業した学校が私の母校です」
こんなことを話してくれたのです。また、ある国語の先生は、
「実は、私も高校に行ってないんです。中学の時にいじめられて不登校になって。怖くて、高校には行きませんでした。高卒認定試験を受けて大学に入ったんですよ。今、教師していることが、不思議ですよね」
という方もいらっしゃいます。
不登校になっても道は開ける、そう教えてくれる子供たちがいます。「いじめ」と戦うというということは、「自分なんかだめなんだ」という気持ちに負けないということでもあります。保護者としては、時には転校だって悪くないし、不登校を選ぶのも、「いじめ」と戦うひとつの方法なんだと伝えてあげることが必要になります。