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専門知識を持ったカウンセラーの視点をもっと学校現場で生かすべき

「最近、クラスで悪口を言われ、休みがちな子がいる」

 

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 関東地方の公立中学校で週1回開かれている教育相談部会。校長や教頭、各学年の担当教諭、養護教諭らが会議室に集まり、「気になる生徒」について報告し合う。

 担当教諭の一人が「悪口の内容がはっきりしない」などと説明すると、臨床心理士の資格を持つスクールカウンセラーは「事実を詰めましょう。ほかに成績が急に落ちたり、服装が乱れたりしないか、よく注意してください」と助言した。

 「情報を一人で抱え込まず、学校全体で問題に対処する」。各地の学校でいじめ被害が相次ぐなか、校長は職員会議などでそう繰り返している。

 この公立中には、カウンセラーが2週間に1度、訪れている。不登校やいじめに悩む生徒や保護者に対する面接、教員や養護教諭との情報交換を行うほか、教室に入れず校内の相談室に通う生徒らと一緒に昼食をとり、話を聞く。「第三者のカウンセラーだから相談できること、気付けることもある。毎日でも情報交換をしたいぐらい」と校長は語る。

 同校で以前、突然、不登校になった3年の男子生徒がいた。同級生の話から無料通話アプリ「LINE(ライン)」で何らかのトラブルがあったことはうかがえたが、学校側はあまり深刻に捉えていなかった。母親との面談で、生徒が「自分の部屋の前に机や本棚を並べてバリケードを築いた」と聞いたカウンセラーはピンと来た。

 「ネット上の陰口ぐらいでは見られない強いおびえがある」。注意を促された学校側が聞き取りを進めると、LINEでの発言を巡り、生徒が同級生数人に囲まれ、「家に押しかけるぞ」とすごまれていたことがわかった。その後、状況を把握した母親や教員らの見守りによって生徒は徐々に元気を取り戻した。

 昨年度、スクールカウンセラーは国の補助事業で全公立小中高校、特別支援学校約3万5000校のうち約2万2000校に7344人が配置された。複数校を掛け持ちし、各校を1~2週間に1度訪れるケースが主流だ。

 岩手県矢巾やはば町で7月、いじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺した問題では、生徒は担任教諭と交わす生活記録ノートにいじめ被害を示唆する内容を書き込んでいた。

 だが、学校の調査報告書によると、「からかい」などと受け止めた教諭は、校長やスクールカウンセラーに相談せず、学校内で情報が共有されていなかった。岩手大の山本奨教授(学校臨床心理学)は「いじめなどの兆候を見逃さないために、専門知識を持ったカウンセラーの視点をもっと学校現場で生かすべきだ」と指摘する。