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脳科学者が語る!いじめをやめられない人間の本性と対策

ヒトは「いじめ」をやめられない 中野信子著

「いじめ」はどうしてなくならないのか。学校でのいじめはもちろん、大人の社会でも、企業やママ友グループ、スポーツチーム、地域コミュニティなどでも、いじめやそれに類する行動が見られる。先日の選挙では、政権をおびやかすほど勢いのあった新党の党首が「排除」という言葉を口にしたがために一気に失速するという一幕もあった。また、支持政党の異なる人たちが小競り合いをする様子がニュース映像で流れた。

 このような集団と排除にまつわる問題を脳科学の視点からながめると、いじめはなくならないという一見悲観的な結論へと導かれる。「社会的排除は、人間という生物種が、生存率を高めるために、進化の過程で身につけた『機能』なのではないか」ということだ。こうした人間の生物学的な本質を、テレビでもおなじみの脳科学者である著者がわかりやすい言葉で解説してくれる。

 その内容はかなり衝撃的で、たとえば、「愛情ホルモン」ともいわれるオキシトシンがいじめの原因になっているという。他にも、セロトニンドーパミンなど、好感や快楽をつかさどる脳内物質がいじめに関係しているそうだ。

 つまり、「いじめが止まないのは、いじめが『やめられないほど楽しい』ものだから」と脳が認識しているからなのだ。

 人間が本質的に「いじめをやめられない」のなら、どうすれば回避できるのか。著者は具体的な対応策もいくつか提案している。「個性を伸ばす」という時代のニーズにあった教育をおこなうことがいじめを減らすのに効果的といった話などはとても魅力的だ。しかし、教師が単独でおこなえることばかりではなく、学校や地域を巻き込まなければならないことも多い。この書をきっかけに、社会全体が思いきった改革に動き出すことを期待する。