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道徳の教科化(3)いじめ キーワードは何?

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善悪の線引きは難しい

 道徳が教科化された背景には、いじめ問題の深刻化がある。いじめ抑止に向け、小学校では「公平、公正、社会正義」(低中学年)▽「相互理解、寛容」(中学年)▽「よりよく生きる喜び」(高学年)などを学ぶ。どんな授業なんだろう。

   ◇   ◇

 「いじめ」と「いじり」。この言葉から、あなたは何をイメージしますか。そしてその違いは?

 北九州市八幡西区にある市立浅川小学校。4年1組を担任する森麻惟子教諭は11日、そんなテーマで道徳の授業に取り組んでいた。

 あらかじめクラス28人にアンケート。集約結果を2枚の紙にまとめ、みんなに示した。

 〈いじめ=無視する、独りぼっちにする、暴力、仲間はずれ…〉

 〈いじり=ちょっかいを出す、ツッコミ、面白い失敗を笑う…〉

 境界線はどこに?

 教科書を朗読しながらの授業が始まった。

 〈授業で間違った答えを言った男の子を他の子が笑った。笑われた男の子が嫌な思いをしているのなら、その行為はいじりではなく、いじめだと指摘する女の子。主人公の級友は考え込む〉

 グループ学習では、二つの言葉が、「違う」「迷う」「違わない」の三つのうちどれが自分の考えに近いか、その理由を含め、小さなホワイトボードを使って話し合った。10分弱で9個のボードが黒板に並んだ。

 1人の児童が言った。「いじめといじりは結局同じなのでは」。同調意見が相次ぐと、森教諭は「でも先生は失敗した時、笑ってほしいんだけどなー」。「えー、ダメやろー」「別にそういう人がいてもいいんじゃない」。子どもたちの反応はさまざまだった。

 「人はそれぞれであり、いろんな考え方に触れさせたいな、というのを意識しました」

   ◇   ◇

 友達と仲良く生活するために今後、どこに気を付けていきたい?

 議論が一段落すると、森教諭は児童たちにそう問い掛け、ノートに書くよう求めた。

 発言を求めると、多くの手が挙がった。森教諭は子どもたちの意見の中から「人それぞれ感じ方は違う」「相手の気持ちを考える」という二つの言葉を拾い、ハートで囲った。「ハートのキーワード」と呼び、授業での学びのポイントを毎回まとめているのだという。

 授業で子どもたちからどんな発言が飛び出すかは予測不可能。想定したキーワードが出てくるとも限らないのだが「予測以上に子どもが考えているという気づきもある」。級友の発言を受け、子どもたちの心に変化が生じ、それがキーワードになっていくことも少なくない。

 そのキーワードを森教諭は教室の壁に次々と貼っている。それは子どもたちの学びや心の変容の足跡であり、何かの瞬間、その言葉の意味を思い起こし、学級集団づくりやいじめ抑止にもつながっていったらいい、と考えている。

 浅川小では20年以上、道徳教育の授業研究に取り組む。この日の授業を見守った大竹ひとみ校長は「子どもと一緒になって考え、議論し、悩みながら一つの方向性に導いていく。結論ありきではなく、より良い生き方に近づけていく。そんな道徳の授業ができればいいですね」。

 「いじめはいけない」「いじめは悪だ」と口で言うのは簡単だ。いじめを黙認し、加担することも簡単だ。でも、「いじめ」と「いじり」の線引きと同様、善悪の判断は突き詰めていくと難しい問題だ。

 決めつけず、うのみにせず、子どもたち自らが考え続ける道徳の授業へ。先生と子どもたちの模索が続いていた。

 

いじめ、小学校で増加傾向 文部科学省の直近調査(2016年度)では、全国小中高校のいじめ認知件数は約32万3800件で、増加傾向にある。とりわけ小学校では約8万6千件増え、低年齢化が進んでいる。中学生のいじめ自殺がクローズアップされがちだが、12年度からは小学校での認知件数が、中学校を大幅に上回る傾向が続いている。

 いじめの構図として、被害者、加害者、聴衆(はやし立てる)、傍観者(見て見ぬふり)の4層構造が知られる。いじめ抑止に向けては、加害者への指導はもちろんだが、傍観者をどう動かしていくのかが大きな鍵を握り、道徳教育の効果が期待されている。