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学校に行くべきではないのは"いじめっ子"

子どもの自殺率は、夏休み明けの8月下旬から9月1日にかけて最も高くなる。タレントの中川翔子さんは、いじめに悩む子どもたちに向けて著書『死ぬんじゃねーぞ!!』を執筆し、8月上旬に刊行した。いじめについて言及する著名人は少なくない。

お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは26日、ツイッターで子どもたちに向け、「命を断ちたくなるくらいなら無理して学校に行かなくていい 学ぶ場所や学ぶコトは今、通ってる学校以外にもある。だから命を断ちたくなるくらいなら無理して学校に行かなくていい」と呼びかけた。

一方、女優の"はるかぜちゃん"こと春名風花さんは25日、ツイッターで「毎年この時期になると『無理して学校に行かなくて良いんだよ』というツイートがタイムラインに溢れます。一見優しい言葉に見えますし、緊急対応としても間違いではありません」と述べた上で、

「でも、『学校に行かなくてもいいんだよ』と言うメッセージは、本来、いじめている側にかけるべき言葉です」

投稿している。

「学校に残さなければならないのはいじめをしていない子どもたち」

春名さんはいじめの加害者に「他人の学ぶ権利を邪魔するのならば、学校には来ないでください。いじめなんてせず、真面目に学校に通いたい人達の迷惑になります」といい、被害者には「あなたがたには堂々と学校に行く権利があります。誰にも遠慮せず学ぶ権利があります。その事を絶対に忘れないでください」と呼びかけた。

「学校から追い出されるべき生徒は、いじめを受けた子どもではありません。学校に残さなければならないのはいじめをしていない子どもたちです。『つらいなら学校なんて行かなくて良いんだよ』と、いじめられた側を追い出して、何事もなかったように学校生活を送ろうとする人達を、僕は絶対に許せない」

春名さんは、集団生活を送る上で、他人の権利を侵害しないという「最低限のマナーを守れる人だけが学校で学ぶ権利を有していると思う」と綴る。さらに、

不登校になると勉強が遅れたり、社会復帰すら出来なくなったりする。なぜ被害者が今後の人生の不利益を被らなきゃいけないの、転校しろとか不登校になれとか逃げろとか、何で被害者にばかり言うの?って悔しく思うんです」

不登校の先に受け皿が用意されているなら不登校でも良いと思います。けれど現状は、いじめで不登校を選択した末に学歴もなくひきこもり、社会復帰すらままならない子が大勢いる。なのに、いじめた子の大半はいじめた事すら忘れ、普通に楽しく学校を卒業し人生を謳歌している。僕はそれが納得いかない」

とコメントしている。

乙武さん「『学校なんて行かなくていい』だけで終えてしまうのは思考停止だったかも」

春名さんは翌26日、前日のツイートに補足をした。昔はいじめられても無理して登校する生徒が多かったが、近年「行かなくていい」という声が増え、それに救われる生徒が出てきたという。しかし「いつしかそれだけが正解になり、『いじめられるのがイヤなら学校に行かなきゃ良いのに』とか『被害者を転校させて全て解決!』ってなった」と現状を分析する。

いじめの被害者は学校に行かないことで一時的に救われはするが、「遅れた勉強を取り戻すのに苦労したり、進学や就職の幅が狭まったり、人目が怖くて外に出られなくなったり、茨の道を歩まなければならない」と改めて訴える。解決策については、

「とりあえず子どもたちに『みんな仲良く』とか『友達100人できるかな』って教えるのをやめて、『ムカつく奴とは距離を置け!』とか『つるまないとトイレに行けないやつより1人で牛丼屋に入れる奴の方がカッコイイ!』みたいな、大人の人づきあいを教えたいです。みんな仲良くなんてやめちゃえと。笑」

とコメント。一連のツイートに対して、タレントで作家の乙武洋匡さんは「いじめられてる子に『学校なんて行かなくていい』だけで終えてしまうのは、たしかに思考停止だったかもしれない」と投稿している。

春名さんのツイートのリプライ欄には「同感です。なぜいじめる側の権利を保護しなければならないのか?」など納得の声が相次いだ。一方で、いじめ加害者であろうとも「排除はよくない」といった声も寄せられている。