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休校中の子どものいじめ予兆を探る

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全国の小中高校などが臨時休校に入り、1週間が経とうとしています。特にこれからの時期、子どもを守るために、親が気を付けるべきことは何でしょうか。犯罪やいじめから命を守る方法を研究しているステップ総合研究所所長の清永奈穂さんに話を聞きました。

●緊張感が切れる時期にいじめやいさかいが増えてくる

 全国の多くの学校が3月2日から休校になっています。清永さんは「休校が始まってから10日目以降の子どもたちの様子が心配です」と話します。なぜなのか、詳しく聞いていきましょう。

 「子どもたちは休校直後の10日間くらいは、緊張感があるので先生からの『休校の間も生活リズムを崩さないように朝はきちんと起きて、プリントを学習しよう』といった注意などを意識して生活できます。『できるだけ外出しないように』という注意にも我慢できます。しかし、自由に外に出られず、友達とも楽しく過ごせず、見えないウイルスが近くにあるかもしれないといった不安と抑圧の中で10日間も頑張るのは、子どもたちにとって通常の長期休暇とは全く異なった状況です。そのため、10日間くらいたつと、制約のある生活に我慢ができなくなり、緊張感も保てなくなってきます」

 すると、子ども同士のトラブルやSNSのトラブルが発生しやすくなります。抑圧されたエネルギーは内向きに発散されるので、子ども同士のいじめが発生するリスクが高まります。例えばちょっとせきをした子を「ばい菌」と呼ぶようないじめが起こったりする可能性があるのだそうです。いじめにならなくてもカードやゲームを介したトラブルが起こりやすくなります。高学年になると、大人からは見えにくいSNSを使った陰湿ないじめなどが起きる可能性もあります。

元のペースに戻そうかと思っても、子どもの変化には気を付けて

 親の状況にも変化が出てきます。「最初は緊張感や社会的なプレッシャーがあるので、子どもを優先できるかもしれません。しかし10日間くらいたつと次第に、『留守番させても大丈夫そう』と安心したり、『これ以上仕事を犠牲にできない』と働き方を元のペースに戻すこともあると思います。留守番に慣れてくると大丈夫そうに見えるかもしれませんが、子どもは不安やストレスを抱えています。この時期もゆったりとした気持ちで子どもをよく見て、子どもに変化がないか気を付けてあげましょう」

 子どもの変化に気づくには、家族で何かを楽しむ時間を持つことがよいそうです。「短時間でもいいので、トランプやボードゲーム、卓球、バドミントンなど向かい合ってできる遊びをしてみるといいですね。遊びながらだと、『そういえば学童でこんなことを言われて悲しかった』といった本音がぽろっと出てきます。それによって子ども同士のいさかいや事件の前兆などをキャッチできるので、大きなトラブルになる前に対応できるでしょう」

 高学年になるとネットのトラブルも心配です。「スマートホンやタブレットを使わせている場合は、休みの間にSNSやネットゲームを通して新しい交友関係が生まれている可能性があります。SNSでは悪意のある人がこんな風に近づいてくるという具体例を教えておくことが大切です」(参考記事:SNSに潜む悪は子の心の隙間を狙っている)

休校中の子どもとの接し方

・ゆったりとした気持ちで子どもをよく見る。

・親子で向き合って遊び、本音を話しやすい雰囲気をつくる。

気を付けたい子どもの様子・休みの間、子どもがどういう行動を取っているか。これまでと違う行動はないか。

・新しい遊びの空間、新しい交友関係(SNS・ゲームなどネットも含む)に行っていないか。

・子どもの身の回りにトラブルの前兆はないか。

休校からの時期と子どもと親の状況

■休校から10日目くらい

・子どもの状況:状況への不安感があるが、緊張感もあり、生活リズムを守ろうとする。

・親の状況:できるだけ子どもを優先する。子どもは安心感を得やすい。

■10日目から13日目くらい

子どもに変化が出たり、トラブルの予兆が出たりしやすい=グレーゾーンの時期

・子どもの状況:緊張感を保てなくなり、制約のある生活に我慢ができなくなってくる。不安感もある。

抑圧されたエネルギーを発散させようと、子ども同士のいじめや嫌がらせ、SNSトラブルの予兆が起こる。

年齢が上がると居場所を求めて繁華街に出ていくようになり、ゲームセンターやカラオケなどでのトラブルも起き出す。

・親の状況:留守番をさせても大丈夫そうだと思い、働き方など元の生活に戻す人も出てくる。そのため子どもの変化や予兆に気づきにくくなる。

これまでよりさらに注意して子どもの話を聞いたり、様子を見たりして、トラブルなどの予兆がないか気を付けたい。

■14日目以降

いじめやトラブルが発生する可能性が高まる=ブラックゾーンの時期

 この前に予兆をつかみ、対策しておく。トラブルが発生したら、学童や小学校の先生、警察などに速やかに相談する。

怪しい人の見分け方を子に教えよう。親は地域をパトロールして

 休校中は犯罪にもいつもよりさらに気を付けてほしいと清永さんは話します。「もともと暖かくなる春先は、犯罪が増える時期です。しかも、休校によってPTAや地区のパトロールがなくなり、地域の見回りも取りやめになるなどしています。地域の防犯力が弱くなった中を子どもたちは、普段よりも小さな集団や1人で移動しているので、そのすきを突いて、犯罪を起こそうとする人が出てくることが考えられます」

 「学童の行き帰りや公園、家の近くでじっと見ている人やしつこく話しかけてきたり、ついてきたりする人がいたら、すぐに親や周りの大人に言うように子どもに話しておきましょう。親は警察や学校に相談してください。怪しい人の見分け方もこの機会に復習しておくといいですね」。清永さんは下記のような「はちみつじまん」という標語を作成し、防犯教室などで伝えています。参考にするとよいでしょう。

怪しい人の五つの特徴  「はちみつじまん」

1.しつこくなにかと「は」なしかける

2.理由もないのに「ち」かづいてくる

3.あなたが来るのを道のはしや車のかげで じっと「み」つめてくる

4.いつまでもどこまでも「つ」いてくる

5.あなたがくるのを「じ」っと「ま」っている

6.こういう人に会ったら「ん?」と注意

 犯罪を起こそうとしている人は、人の目を嫌います。親は通勤途中や子どもの送り迎え、買い物の際にできる「瞬間パトロール」で、地域の防犯力を高め、犯罪の前兆をつかむことが大切です。「気になることがあれば、地域やPTAで共有しましょう。緊急性があると思ったら110番に連絡をしてもよいです。そこまでではないかもと思ったら、地域の警察署や♯9110番(警察相談専用電話)に連絡するとよいでしょう」

「瞬間パトロール」の方法

・通勤途中など日常生活の範囲内で、地域の様子を見る。

・街に変わったことが起きていないか、アンテナを立てて見る。

・困っていそうな子、遅い時間に街を歩いている子がいたら声をかける。

・怪しい人がいたら、安全な距離を確保したうえで、二度見する。

 今は社会不安が高まり、大人でも不安感からイライラしたり、ストレスを抱えたりしています。内にこもったエネルギーは、家庭内で爆発する恐れがあります。そのため、清永さんは、今後親から子への虐待が起こってくるのではと心配しています。「新型コロナウイルスの感染を予防することはとても大切です。その際に、必要以上に警戒することの弊害は、親子にとって非常に大きいです。予防のための正しい知識を得て、それ以外はできるだけ普段通りの生活を送るように心掛けることが、子どもの安心感や安全につながるでしょう」