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いじめで不登校に、なのに「重大事態に該当しない」と…調査せず!

福島市立小学校で2018~20年、いじめを受けた男子児童(当時)が不登校になって適応障害と診断された事案に対し、市教育委員会が、いじめ防止対策推進法で定める「重大事態」に該当しないとして、第三者委員会による調査を実施していないことがわかった。保護者は第三者委による調査を要請しているが、市教委は応じていない。識者は「誤った法解釈。直ちに重大事態として調査を実施すべきだ」と指摘している。

 同法は、いじめで児童の心身に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当期間欠席を余儀なくされている疑いがある場合は、それを「重大事態」と定義。文部科学省は、運用指針で第三者委を設置して調査するよう求めている。

 これに対し、市教委は調査開始の前提として、同法や市条例の条文にある「疑いがあると認めるとき」「必要があると認めるとき」との記載を根拠に、調査の必要性を判断するのは学校や市教委だと主張している。

 保護者らによると、児童は5、6年生だった18年4月~今年2月、複数の同級生から悪口を言われ、無視されるなどのいじめを受けた。児童は6年の2学期から休みがちになり、2月上旬以降は登校しないまま卒業。適応障害と診断され、現在も通院している。中学校進学後も不登校が続き、自傷行為もあったという。

 学校は同月、保護者の訴えで初めていじめを認識。学校と市教委は校内で調査し、周囲の児童によるいじめを認める調査結果をまとめた。ただ、内部調査にとどまり、保護者が8月、第三者委による調査を要請したところ、市教委は応じられないと文書で回答した。

 回答書では、理由について〈1〉いじめた相手や時期、場所が具体的に立証されていない〈2〉いじめと適応障害との因果関係が不明――を挙げた。市教委学校教育課の横山貴英課長は読売新聞の取材に「法にのっとって適切に対応し、事実確認の結果、重大事態に該当しないと判断した。保護者の申し立てには真摯しんしに対応してきたつもりだ」と述べた。

 文科省の運用指針は第三者委による調査について「重大事態の『疑い』が生じた段階で調査を開始しなければならない」とし、児童や保護者から申し立てがあった場合は、学校が「いじめの結果ではない」「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態として対応するよう求めている。いじめ問題に詳しい千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「福島市教委は法の趣旨を曲解している。調査の必要性は、学校や設置者の教育委員会に委ねられているわけではない」と話している。

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 保護者や被害児童は今月、読売新聞の取材に応じた。

 児童は現在の中学校ではいじめを受けていないが、ほとんど通えない状態が続いているという。「小学校時代のことが全てよみがえってきて、怖くて学校に行けない。(第三者委の調査で)真実が明らかになってほしい」と話している。