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いじめに苦しんだ少女、憧れの作家を心の支えに

いじめに苦しんでいた少女は、憧れの作家を心の支えに生き抜いた。やがて自らも書き手となり、初の長編小説「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を射止めた。吉報に瞳からピュッと涙が噴き出た。

「雲の上の賞だと思っていたので信じられない。本当にうれしいと、あんなふうに泣けるんですね」

 体形のやゆや暴言を受けるいじめは小学5年から始まった。居場所がない教室の片隅で広げていたのが氷室冴子さんの小説。まぶしい人ばかりが描かれ、つらい学校生活を乗り切れた。当時、日記には苦悩をつづった。それを読んだ母親が驚いて学校に訴え、地獄の日々は幕を下ろす。文章には現実を変える力があることを知った。作家になって氷室さんに会い感謝したい。そう決意した。

 だが、専門学校を出た後すぐ働き始め、結婚、出産…と日常に忙殺され、いつしか夢を置き去りにした。転機は28歳。憧れの氷室さんが51歳で亡くなった。早すぎる死の衝撃に自らを責めた。

 「私、何してるんだろう。自分が嫌になったんです」

 家事や子育て、パートもしながら携帯小説を書いた。離婚して、シングルマザーとなっても書き続けた。そして受賞作。虐待に苦しんだ主人公のように、助けを求める声を届けられない人たちの魂の叫びに心を寄せて書いた。教室の片隅で息を殺した、あの頃の自分の声にも耳を澄ましたのだろう。かつて支えてくれた小説の力を次の世代へ。

 「今いじめられている人たちの励みになれば」。41歳。福岡県京都郡在住。

 

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