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いじめ「重大事態」過去最多 骨折や視力障害…など

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全国の小中高校などで起きるいじめのうち、命の危険にも結びつく「重大事態」が急増している。文部科学省の調査によると、平成30年度の重大事態の発生件数は前年度より128件増え、過去最多の602件に上った。最初は悪口程度だったのが放置され、次第にエスカレートするケースも少なくないようだ。階段で背中を押す、トイレの床を拭かせようとする…。被害児童のSOSは、なぜ見過ごされたのか-。

 

■骨折や視力障害に

 「もはや『いじめ』という言葉で片付けられるものではない…」

 今年6月、大阪府吹田市の小5女児の保護者がこう訴えた。

 女児がいじめを受けたのは1、2年生の頃。市教委の第三者委員会がまとめた報告書によると、同級生の男児5人から体格を中傷するようなあだ名をつけられた上、ボールをぶつけられる、私物を壊される、掃除用具入れに閉じ込められる、階段の途中で体を押される、自宅に上がり込まれて暴力をふるわれる…といった、悪質な行為が1年半にわたり繰り返された。

 関係者によると、女児は学校のいじめアンケートで被害を訴えたが、情報は共有されなかった。その結果、骨折したり心因性視力障害、心的外傷後ストレス障害を発症したりし、学校に行けなくなってしまった。

 どうしてここまで放置されたのか。大阪府教育庁の担当者らによると、女児の学級では複数の児童トラブルがあり、女児へのいじめが見えにくくなっていた上、担任の教員が一人で抱え込んでしまったことが、原因の一つだった。

 「被害児童からのSOSはどのような形で出るかわからない。教員が個人で解決しようとせず、組織で対応するよう指導している」と、担当者は話す。

■5年連続で悪化

 平成23年に大津市で起きた中2男子のいじめ自殺事件を受け、25年に制定されたいじめ防止対策推進法では、重大事態として心身などに大きな被害が出る「1号事態」と、長期欠席を余儀なくされる「2号事態」を規定している。

文科省がまとめた小中高校と特別支援学校の問題行動・不登校調査によれば、30年度の1号事態発生件数は270件(前年度191件)、2号事態は420件(同332件)で、いずれも過去最多だった。

 とくに1号事態は5年連続で増加しており、25年度の3倍以上に。1号と2号をあわせた学校種別の重大事態発生件数は小学校188件(同145件)、中学校288件(同224件)、高校122件(同102件)、特別支援学校4件(同3件)-となった。

 文科省では「憂慮すべき状況だ」と警戒を強める。

■具体的な対策を

 いじめ問題に詳しい教育評論家の武田さち子さんは「はたから見ればいじめに見えない場合でも、子供が苦しい立場に立っていることもある」と指摘。軽微な事案が見過ごされて深刻化し、重大事態になる恐れがあると注意を呼びかける。

 典型的なのが、今年3月に発覚した茨城県牛久市の問題だ。市教委などによれば、市内の小4女児(当時)は、もとは同じ塾に通う仲良しだった同級生から筆箱を勝手に開けられたり、バッグの中にしまっていたお菓子を見られたりし始めた。さらに、えんぴつで顔をたたかれたり、トイレの床ふきを要求されたり。やがて不登校状態となり、重大事態と認定された。武田さんは「いじめのすべてが発覚しているわけではない。全国の重大事態の調査結果を文科省で集約して対策に役立てるなどして、同じようないじめが繰り返されないようにしなければならない」と話した。