岐阜市 中3自殺 「いじめへの組織対応怠る」
岐阜市立中三年の男子生徒=当時(14)=が昨年七月に自殺し、市教育委員会の第三者委員会が同級生のいじめが主要因と指摘した問題で、岐阜県教委は二十三日、いじめへの十分な組織的対応を行わなかったなどとして、同中学の男性校長(57)ら三人を減給の懲戒処分とした。昨年九月に退職した当時の男性担任(33)は懲戒処分相当とされた。
県教委によると、校長は減給十分の一(三カ月)、男性教頭(51)と学年主任の男性教諭(42)は減給十分の一(二カ月)。当時の担任は減給十分の一(六カ月)相当となった。
第三者委が昨年十二月に取りまとめ、学校側の対応を「組織として対処する意識がなかった」と批判した報告書に基づき、県教委は校長ら十三人から聞き取りを実施。いじめ防止対策推進法などでは、教職員間でいじめに関する情報の共有や引き継ぎ、記録の作成、保存が求められているが、不十分だったと認定した。
その上で、いじめと疑われる情報を管理職に報告せず抱え込んだとして、当時の担任を最も重い処分とし、組織の体制整備が不十分だった責任があるとして、校長を次に重い処分とした。
県教委に対し校長は「責任を痛感している」とし、当時の担任は「男子生徒が苦しい思いをしている中で、救ってあげられなかった。本当に申し訳ない」と話したという。
男子生徒は昨年七月、自宅近くのマンションから飛び降り自殺。第三者委は同十二月、金銭要求やビンタなど三十四件のいじめが自殺の主要因とする報告書を取りまとめた。