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「いじめは自殺つながる危険行為」司法が初判断

最高裁の決定を受け、会見する男子生徒の父親(25日午後2時31分、大津市・滋賀弁護士会館)

いじめは自殺につながる危険な行為-。今や社会が当然のこととして共有する危機感を認める初の司法判断が確定した。2012年の提訴から9年近く、法廷でいじめ根絶を訴え続けた父親(55)は25日、大津市内で会見し、「二度と悲惨ないじめ自殺が起きないことを願う。判決がいじめ問題の解決につながってほしい」と改めて訴えた。

 「いじめ自殺をめぐる司法判断にとって大きな転換点。今後の被害者救済に大きく道を開く」。遺族側代理人の石田達也弁護士は判決確定の意義を強調した。この訴訟以前、同種の裁判では、いじめと自殺の因果関係や、加害者側が相手の自殺を予見する可能性が否定され、被害者側が敗訴する例が多かったという。石田弁護士は今回の判決が判例となり、「今後訴訟に臨む被害者側の立証のハードルが下がる」と評価する。

 しかし、遺族側にとっては釈然としない面も残る。二審判決は、男子生徒が自ら自殺を選んだなどとして過失を相殺し、加害者側の賠償額をまず計4千万円に減額した上で、市が遺族側に和解金を支払った点などを考慮し、最終的な額を一審判決の約10分の1とした。石田弁護士は「自殺は自分の意思ではなく、追い詰められ選択の余地がなくなり起こる。一般的な考えと司法のずれは問いたかった」と悔しさをにじませた。

 このいじめ問題を機に、男子生徒の死から2年後の13年、いじめ防止対策推進法が施行された。しかし、父親は「法施行以降、一度も見直しがされず、その間にも多くの子どもが命を落とし、不登校を余儀なくされている」と、子どもたちを取り巻く現状を憂う。今後も法改正を働き掛け、教員がいじめを深く理解するための仕組みづくりなどを問い続けていくつもりだ。

 男子生徒の自殺から9年3カ月が過ぎた。父親ら遺族は、今も元同級生らから直接の謝罪さえ受けていない。「判決を重く受け止め、今からでも遅くはないので罪と向き合い猛省してほしい」と、厳しい表情で語りかけた。

 最後に長年の法廷闘争を振り返り、「息子がやり抜いた。天国に行ってもなんとかして変えたかったのだと思う」と声を詰まらせた。そして、「短い人生だったがこんな大きな問題を社会に知らしめ、よくやったねと褒めてやりたい」と涙した。