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「芸能人からいじめ被害受けた」 韓国で告発

韓国で芸能人らから過去にいじめや暴力を受けたという告発が相次いでいる。加害者とされた俳優らが過ちを認めて活動を休止する一方、告発が虚偽だったケースも。ドラマの撮り直しやCM中止など影響は業界全体に広がり、スポーツ界に続く芸能人の暴力問題が収束する兆しはない。(ソウル・中村彰宏)

◆スポーツ界から飛び火

 一連の問題は今年2月、バレーボール韓国代表の双子姉妹からいじめを受けたと、小・中学校時代の後輩が訴えたことが発端だった。姉妹は謝罪したが、韓国バレーボール協会は代表の資格を剥奪。告発は他のスポーツ選手だけでなく、芸能界にも飛び火した。
 「暴力や脅迫、侮辱、悪口など、あらゆる校内暴力を受けた」「BB弾の銃でバスから下校中の生徒を撃って笑っていた」。中学時代の同級生から暴露されたのは、人気俳優のジスさん(28)。ドラマを中心に活躍していたが、「苦痛を受けた方に心から謝罪する。弁明の余地はない」とする自筆の謝罪文を出していじめを認め、兵役を理由に活動を休止した。
ジスさんがいじめを認め、謝罪したことを伝える韓国の新聞

ジスさんがいじめを認め、謝罪したことを伝える韓国の新聞

 芸能人をめぐる#MeToo(ミートゥー)運動は収まらず、女優のシム・ウヌさんや男性アイドルグループ「ストレイキッズ」のメンバーが学生時代のいじめや暴力を認めて謝罪。ネット上には芸能人の加害者リストも掲載され、10人以上の名前が挙がっている。

◆多くが否定、虚偽の告発も

 芸能人の多くはいじめの事実を否定しており、告発が虚偽だったケースもある。しかし、イメージ重視の放送局や広告に起用する企業は対応に追われる。加害者とされた芸能人が出演する番組や広告を相次いで中止。ジスさんが主演していたドラマ「月が浮かぶ川」は撮り直しを迫られ、制作会社は所属事務所を相手取って30億ウォン(約2億9000万円)の損害賠償を求める訴えを起こした。
 韓国芸能マネジメント協会など4団体は「芸能人になる前の行為としても、事実なら責任を負わなければならない」とした上で、「根拠のない告発に対しては芸能人を保護し慎重に対応する」と、降板や放送中止など性急な対応に自制を求める声明を発表。韓国紙の芸能記者は「番組出演の契約に、いじめが明らかになった場合は賠償金を支払うなどの条項を設ける動きもある」と明かす。

熾烈しれつな学歴社会が要因?

 韓国社会では20年ほど前から学校でのいじめや暴力が表面化。被害者を支援する財団が2019年に実施した調査によると、小中・高校生の11.2%が被害を受けたと回答した。
 原因とされるのが、日本以上に熾烈な学歴社会だ。子どもたちは有名大学を目指して幼少から厳しい競争にさらされる。人権教育団体でいじめ問題に取り組む裵慶乃ペギョンネさんは「入試が人生を左右する不安から大きなストレスを抱え、いじめにつながる」と指摘する。
 芸能人への告発が相次いでいるのは「テレビなどで目にする機会が多く、つらい記憶が呼び覚まされるから。自分は苦痛を味わっているのに、なぜ良い生活をしているのかとの思いもある」と裵さんは話す。会員制交流サイト(SNS)の普及で、かつての被害者が訴えやすくなったことも背景にあるようだ。