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いじめ加害者のヒドすぎる手口 恐喝

「こたえろっっってんだよゴミ」中1女子を追い詰めて“30万円恐喝”

ショッピングモールで繰り返されたカツアゲ

 阿部氏は昨秋、中1女子・サユリ(仮名)の父親から相談の電話を受けた。

「娘が不登校になった。しばらく理由を話さなかったが、ようやく口を開いてくれて、同級生から30万円ほど恐喝されたことを告白した。おとなしい子だが、そんな目に遭っていたことを聞いて、ショックを受けてる。どうしたらいいだろうか?」

 いじめ防止対策推進法では、「いじめにより生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」を「重大事態」と定義している。30万円という金額はどう考えても尋常ではなく、「重大事態」に該当することは明白だ。

 阿部氏は「消される前にチャットの履歴や画像といった、いじめの証拠を保存してほしい」と父親に話した。犯罪とも言えるような悪質ないじめを、加害者に認めさせて学校を動かすには状況証拠では足りず、目に見える明確な証拠が必要だ。

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サユリの住まいである九州の地方都市へ行くことは難しかったため、他にできることがあれば教えて欲しいという父親に、阿部氏はこんな助言をした。

「お父さん、加害者側の人間を一人見つけることはできますか? 娘さんから味方になりそうな子を聞き出して、接触するんです。『あなたのことは明かさないから、知ってることを教えてほしい』と言うと、罪悪感を持っていれば必ず話してくれます。一度話すと加害者グループを裏切ったことになり、こちらにつく他なくなるので、その人物から徹底的に情報を吸い出すのが、証拠集めには一番です」

うまくいくか分からないと不安を口にしていた父親だが、娘のことを思う気持ちが彼を動かしたのだろう。娘への聞き取り、加害者グループへの接触によって、サユリが受けていたいじめの実態が見えてきた。

「お前は制服着てるから、どこの中学かすぐバレるからね」

 主犯格はミカ(仮名)とユイ(仮名)という女子2名。いつも5~6人の生徒を引き連れており、2人は勉強もスポーツも出来るクラスの中心的な存在だという。学校帰りに「遊び行こう」とミカたちに言われると、サユリは断れない。まずミカの家に行くと、カバンや財布、スマホの中身までチェックされて、バッグを置いていくよう指示される。

 その後、連れて行かれるのは、中高生の溜まり場になっているショッピングモールだ。ミカたちがモール内のショップをまわり、カゴいっぱいに欲しいものを詰め込むと、「あとは払っておいてね」と言って、サユリに1万円近く払わせる。サユリの肩に腕を回しながら、ユイが引きずるように引っ張っていくこともあった。

 ミカを始めとする加害者グループは、全員私服に着替えているが、サユリだけ制服のままだ。「何かトラブルあったら、全部サユリのせいにするから。お前は制服着てるから、どこの中学かすぐバレるからね」と脅されていた。それでも一度、耐えかねて、ショッピングモールのトイレの窓から逃げたというから、心理的に相当追い詰められていたようだ。

「殴る蹴るの暴行があったわけではないから、逃げればよかったと言う人もいるかもしれないが、その認識は誤りです。ミカの自宅に荷物を置いてるので、遊び終わるまでサユリは行動を共にせざるを得なかった。いわば軟禁状態だったんです」(阿部氏)

 カラオケボックスに連れて行かれて、1人置き去りにされて全員分の料金を払わされたこともあったという。最初の5~6万円程度は自分の貯金で支払えたが、底をつくとサユリは親の財布からお札を抜き取るようになった。それが原因で親子ゲンカにもなったが、それでも親を心配させたくないと、いじめのことは気づかれないように振る舞っていた。

 繰り返された恐喝行為が、積もり積もって30万円に膨れあがったのだ。

家の前にタムロして「出て来いよ、ぶっ殺すぞ」

 2人からの遊びの誘いを断ろうとしていても、LINEのメッセージが膨大に届く。

〈あさだよぉぉぉぉぉぉぉお〉
〈起きてー!!!〉
〈今日あそぶんでしょぉぉぉおぉぉお????〉
〈集合11時だよぉぉぉぉぉおぉ〉
〈ねぇぇぇぇえぇぇえええ〉
〈もっ、もしかして寝坊???〉
〈ねぇぇぇぇえぇぇえ〉
〈しゅうごうもうすこしだよぉぉぉおぉ???〉

サユリさんが実際に受け取っていたLINEのメッセージ

 この他にも、中1の女生徒の言葉とは思えないヤクザまがいの恫喝がえんえんと送られて、大量に同じスタンプを連打で送りつける“スタンプ爆弾”が行われることもあった。

〈無断で切ってんじゃねぇよ〉
〈どこおるんや〉
〈ごみ〉
〈まじで調子乗んなよ〉
〈返事しろ〉
〈おい返事しろ馬鹿が〉

サユリさんが実際に受け取っていたLINEのメッセージ

 サユリの家の前にミカとユイが先導した集団でタムロして「出て来いよ、ぶっ殺すぞ」などとプレッシャーを加えたり、仲のいい先輩とサユリが一緒にいることを知ると、その先輩に電話がかかってきて「サユリ、今どこにいますか?」と追跡してくることもあった。

 ストーカーのように粘着質で、支配的な2人の意に反する行動を取れば、何をされるか分からない。サユリは嫌々ながらも、従うしかないという洗脳状態に陥っていったのだ。

「ここまでの証拠を集めたのなら、次は学校側にぶつける段階です。いじめの内容から考えて重大事態になるのは間違いない。教育委員会に第三者委員会を設置して、調査報告書を作成するよう求めるようにお父さんにアドバイスしました」(阿部氏)

 ようやく学校側は動き始めたが、その対応には不可解な点が多かった。ミカとユイをはじめとする9人の加害生徒達には30分程度の聞き取りしかしなかったのに対して、サユリには1回4時間もかけて、7回も聴取を行ったのだ。

 それは聴取というより説得というべきもので、「お金を出したお前も悪いんじゃないか。あまり大ごとにするものではない。ミカたちのことを許してやってほしい」という話をされたという。

“見て見ぬふりをしたい”というのが教師の本音

 出来上がった調査報告書は、「こたえろっっってんだよゴミ」「殺すぞ」「ネタと思っとるかもしれんけどガチやけんな」といったLINEでの攻撃的な文言はカットされており、サユリが受けたいじめの被害について矮小化したものだったという。

「お父さんは激怒していましたが、私はよくあることとして受けとめました。教師にとって、いじめ問題を認めることは業務の増大を意味します。当然、解決にあたらなければならなくなりますから。簡単に言えば、面倒臭いわけです。だから“見て見ぬふりをしたい”というのが、彼らの本音なんですよ」(阿部氏)

 さらに判明した事実があった。ユイの親は、なんと教職員の幹部クラスだった。いじめ問題に学校組織がどう対応するかを熟知していたユイの親は、弁護士を立てて我が子を完全にガード。学校からのその後の聞き取りを一切拒否して、転校してしまったのだ。

「腐った親だなと心底、思いました。そうやって庇うことが親心と思うのでしょうが、その結果、子供が自分の間違いに気づいて反省する機会を失ってしまう。こういう子供は、またいじめを繰り返す可能性が高い。そのことを考えると暗澹たる気持ちになります」(阿部氏)

 サユリは、学校や教育委員会の対応、第三者委員会の不誠実さなどの二次被害で、学校というものへの信頼感を喪失してしまったという。

「本来であれば、これほどの事例は全国的に報道されるべきです。ところが第三者委員会が事なかれ主義をとって、具体性に欠ける被害を矮小化した調査報告書を出した。彼らの行為は糾弾されるべきだと、私は思います。現在、お父さんのさらなる証拠集め、書面作りをサポートして、市長に再調査を求めているところです。サユリさんのためにもいじめの真相が公になり、加害者に罰が下ることを願っています」(阿部氏)