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心救われた『居場所』

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いじめや不登校、子どもの貧困。子どもを取り巻く環境は変化し、さまざまな問題が複雑に絡み合う。子どもを支える役割は学校や家庭だけではない。不登校を経験した会津地方の祐輔(17)=仮名=は「僕みたいな人が集まれる居場所が増えてほしい」と訴える。地域住民は手を差し伸べられるのか。こどもの日を機に考える。

 鶴ケ城にほど近い会津若松市の中心部。ビルの5階に祐輔の「学校」がある。NPO法人寺子屋方丈舎が運営する通信制高校に通い始めて3年目。理事長の江川和弥(52)は祐輔に対し「本年度いっぱいで卒業だな。大変だけど、挑戦できることもプラスだぞ」と笑顔で言葉を掛ける。

 小学1年生で発達障害と診断された。不登校になったきっかけは中学2年生の時のいじめだという。

 理由なく先輩にからかわれ、暴力も振るわれた。次第に同級生や後輩からもいじめを受けるようになり、学校への足が遠のいた。中3になると、ほとんど学校に行けなくなった。学校を休めば、家では5歳上の兄の暴力が怖い。両親は少年が幼い頃に離婚。父子家庭で育ち、父は祖母の介護で忙しかった。「学校にも家にも逃げ場がない」。少年には心落ち着く居場所がなくなっていた。

 同じ境遇の友達

 高校進学を諦めかけていた中3の冬、担任からNPO法人通信制高校を紹介され、その年の春に「高校生」になった。

 いじめへの不安もあったが、2週間ほど過ぎ、仲の良い友達もできた。「自分と同じ境遇の人がいる」。心が落ち着くのを感じた。時には安心感から友達をからかい、友達を傷付けてしまって反省することもある。江川は「自分の存在に気付く大事な時間。それを繰り返して大人になる」と目を細める。

 今は年上の同級生とアニメやコスプレの話をするのが一番の楽しみ。さまざまな事情を抱えた子どもに食事を提供するこのNPO法人の子ども食堂では、他の子どもと料理もする。「好きなことを話せる場所はここだけ。なくなったらつらい」

「関係性の貧困」 子どもの居場所にもなる子ども食堂を全県に広げようと、ノウハウを持つNPOなどが拡大を目指している。子どもを取り巻く問題を巡っては、地域から孤立して支援が遅れる「関係性の貧困」との指摘もあり、専門家からは「子どもへの声掛けが重要」との声も上がる。

 祐輔は学校と家庭以外の居場所を見つけ、心が救われたと実感している。大好きだという車に関係する仕事に就きたいという夢もできた。
 もう一つ、かなえたい夢がある。「ここに来て自分が変わることができた。将来こういう学校をつくって、自分と似た境遇の人を助けたい」