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女の子のアイデアに世界中から称賛!「ネットいじめ」なくしたい…

小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「プリンス堀潤のそもそもキーワード」。今回は「ネットいじめ」について一緒に考えます。

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 23万7921件。みなさんはこの数字が何を表しているか想像がつきますか? これは2016年度に全国の小学校で把握された「いじめ」の件数です。これに中学や高校、特別支援学校などの数を合わせると32万3808件にのぼり、いじめとして把握された件数は過去最多となりました。

この連載を読んでくれているみなさんのなかにも、いじめられている、もしくは友達がいじめにあっているのを知っているという人がいるかもしれません。

 ぼくも小学校や中学校のころ、親の仕事の都合で関東や関西の間を何度も転校したときにいじめにあったことがありました。いじめに苦しんでいるのは、あなただけではありません。

 今、多くの大人たち、国や企業がこのいじめの問題をなんとかしようと知恵を絞っています。

 しかし悩ましいのは、表からは見えにくいインターネットを使ったいじめ「ネットいじめ」の存在です。ネットが普及しだした2000年代の初めごろから、すでに子どもたちの間でネットの掲示板を使って相手の悪口を書いたりする行為はあったといいます。「学校裏サイト」など、親や先生には見られないよう秘密のサイトをつくって、特定の同級生の悪口を書いたり、仲間はずれや嫌がらせをしたりするような行為が深刻化していきました。

 さらにTwitterやLINEなどSNSが広がりを見せるにつれて、より陰湿で巧妙な手口で、写真や動画などを使った嫌がらせも見られるようになりました。

 今や小学生でも4人に1人がスマートフォンを持つ時代です。東京都の調査では、都内の小学校~高校等で確認された「パソコンや携帯電話等を使った嫌がらせ」の16年度の件数は、15年度の2倍弱まで増えていることもわかっています。

 最近、国や企業、自治体などがいじめ対策に取り組み始めています。ただ、ネット上にいったん出回ってしまった書き込みなどは、そう簡単には消すことができず、そもそもいじめを未然に防げないというジレンマがあります。

どうにかしてネットいじめを未然に防ぐことはできないか。最近、アメリカに住む女の子のアイデアが、世界中の人々から称賛を受けて話題になったので紹介します。ぼくはいじめの問題を考えるときにいつも思います。いじめられているほうも、いじめているほうも心に余裕がなくなっている。だからこそ、どちらでもないあなたが力を貸してあげてほしいと。子どもたちの笑顔は、私たち大人にとっても希望です。(ジャーナリスト・堀潤

【ネットいじめをなくすアプリReThinkとは?】

(1)アメリカの17歳の起業家、トリーシャ・プラブさん。彼女は13歳のときに、ネットいじめで自殺した少女のニュースに衝撃を受け、自分ができることを考え始めたといいます。

(2)その結果たどり着いたのが、スマートフォン向けのアプリ「再考(ReThink)」の開発です。このアプリは、メールやTwitterなどで特定の相手に攻撃的なメッセージを送ろうとすると、それを察知して「このメッセージは他人を傷つけるかも。本当に投稿しますか?」と、表示されるのです。

(3)トリーシャさんたちの試験では、このメッセージが表示されることで、10代の子どもや若者たちの93%が、SNSヘの投稿を途中でやめたといいます。

【国や企業の対策は?】

 国は2016年度から「ふざけ合い」や「けんか」など、これまではいじめとしてカウントしてこなかったような行為も「いじめ」として認知し、早い段階から子どもたちをサポートしていこうと実態把握の強化に乗り出しています。

 また、ネット上でさまざまなサービスを提供する企業の側も、少しずつ対策に乗り出しています。人の心をひどく傷つけたり、恐怖を与えるような嫌がらせの言葉を発見したら、それを削除したり、書き込んだ本人のアカウントを使えなくしたりしています。

 最近では自治体が「いじめ対策」として、電話やメールではなく、LINEの短い文字を使って子どもたちの相談に乗る取り組みが注目を集めました。

【今回のポイント】
●全国の小中学校、高校、特別支援学校などを合わせたいじめの数は32万3808件と過去最多に。
●インターネット上のいじめが急増。TwitterやLINEなどSNSの広がりが原因とみられる。
●国やインターネット上のサービスを提供する企業が、いじめ対策に取り組み始めている。