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「自殺後もいじめまだある」解決遠く…

いじめを苦に男子生徒が飛び降り自殺したとみられるマンション=24日午前8時21分、岐阜市長良西野前

いじめを苦に男子生徒が飛び降り自殺したとみられるマンション=24日午前8時21分、岐阜市長良西野前

 

トイレで土下座をさせられる、2万円以上の金銭を要求される、蹴られる、殴られる、首を絞められる―。岐阜市の市立中学校3年の男子生徒(14)がいじめを苦に自殺したとみられる問題で、第三者組織の市教育委員会いじめ問題対策委員会は、男子生徒が受けたいじめは34件に上ったと認定した。さらにいじめは生徒が自殺する1カ月ほど前から激しくなり、教員の連携不足がいじめを止められなかった。背景には何があったのか。

 第三者委の聞き取り調査では、いじめを見聞きした生徒は89人。学校にいじめを訴えたのは、5月末に担任にメモを渡した同級生の女子生徒と、6月に学校のアンケートでいじめられていると指摘した生徒の2人だった。

 亡くなった生徒の同級生の男子は「いじめを訴えたら(加害者が)塾や部活、クラス、友達のネットワークで、言った人を見つけ、いじめられるという雰囲気があった」と、いじめを訴えづらい環境だったと話す。報告書でも「いじめを訴えることは大変に勇気がいることで、中には『ちくり(告げ口)』として逆にいじめられてしまう場合もある」と記されており、いじめが表面化しにくい現実があった。

 だとすれば、アンテナを張っていじめを発見しなければならないのは教員だ。だが、いじめを目撃した教員はいなかったとされる。報告書では、教員はいじめに敏感になる必要性があるが「多忙では実現しにくい」と指摘した。

 男子生徒の通っていた中学校は、岐阜大の教育実習生を受け入れる教育実習校で、研究発表会を行う研究校にも指定されている。将来が嘱望された若手教員らが集まる教育熱心な学校。市立中学校の元教員は「実習校では授業などの準備に追われ、午前7時に出勤し、翌日午前3時に帰宅する教員もいる」と多忙な現場の実情を語る。別の元中学校教員は「業務量が多すぎる上、成果を出さないといけないというプレッシャーの中で仕事をしている。生徒と向き合う時間が確保できていない」と問題視する。

 第三者委の橋本治委員長は23日の答申後の記者会見で、いじめが激化した理由について「いじめの数が増えて日常化し、当たり前になった。もう一つは、激しくなる途中でいじめを見つけて介入するチャンスはあったが、教員の対応が不十分で止められなかった」と2点を挙げた。

 2人の生徒の「告発」が、学校が組織的に対応しなかったために生かされなかったことの教訓は大きい。男子生徒の同級生は「学校にいじめはまだある」と、問題発生後もいじめが存在する現状を打ち明ける。市教委と学校には、問題解決の本気度が問われている。