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(19)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

 

 

【音声動画公開】旭川Y中学校「臨時保護者会」

 

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イジメ調査の第三者委員会リストに“問題人物”

北海道・旭川市で今年3月、市内の公園で亡くなっているのが発見された廣瀬爽彩(さあや、当時14歳)さん。爽彩さんの死の背景にイジメがあったかどうかを再調査するために旭川市教育委員会は5月中旬にも外部有識者による第三者委員会を立ち上げる予定だ。

「文春オンライン」では、教育委員会が選定した第三者委員会のメンバー候補のリストを独自入手。同リストには、爽彩さんがイジメを受けていた時に在籍していた、Y中学校の校長と近しい立場の人物が含まれていた。この人選に遺族側は猛反発している。

遺族側は「大学院教授」と「臨床心理士」に反対

 文春オンラインでは4月15日から12本の記事を公開し、爽彩さんの死亡の背景にY中学校の上級生らからの凄惨なイジメがあったことを報じた。その記事が反響を呼び、旭川市にイジメの再調査を求める声が殺到した。

 4月22日、西川将人市長が旭川市の教育長に旭川市教育委員会とY中学校側の対応を改めて調査するよう指示。医師や臨床心理士、弁護士らに委託して、第三者で作る「いじめ防止等対策委員会」を設置し、再調査を開始する方針を示していた。

爽彩さんの遺族は、爽彩さんへのイジメが行われた2019年4月からY中学校に「娘はイジメられているのではないか」と訴え続けてきた。Y中学校側はその都度不誠実な対応を取り続け、イジメの事実を認めてこなかったが、ようやく行政が重い腰を上げたのだ。

 市の教育委員会は、今年4月末に爽彩さんの事件をイジメがあった疑いがある「重大事態」と認定。第三者委員会による全容の解明に期待が高まりつつあった。

 だが、遺族側は市教委から提示された第三者委員会のメンバーの人選について不信感を募らせているという。旭川市役所関係者が打ち明ける。

「市の教育委員会は5月中旬に第三者委員会のメンバーを決定して、年内には調査結果を公表する予定でしたが、大幅に遅れる可能性が高くなりました。第三者委員会のメンバーは大学院教授を中心に臨床心理士、小児科医、社会福祉士の4名で組織する予定でしたが、事前に遺族側にその人選を伝えたところ、遺族側は大学院教授と臨床心理士が第三者委員会のメンバーに入ることに強く反対したのです」

「大学院教授g氏」が候補者リストに

 遺族側がこの2人のメンバー入りを問題視したのは、彼らが完全な「第三者」とは言えないからだ。

 まず、臨床心理士のf氏については、2019年6月に爽彩さんがウッペツ川へ飛び込んだ事件直後に搬送された旭川市内にあるA病院の臨床心理士でもある。

「遺族側は、f氏は、爽彩さんを診断した医師とは別ではあるものの、同じA病院勤務であることから、第三者の立場で調査に当たることは難しいのではないかと疑問を呈したようです」

さらに遺族側が「著しく公平さを欠く人選」として異議を唱えたしたのが、大学院教授g氏が候補者リストに入っていたことだった。g氏は第三者委員会のとりまとめ役を担う予定とされていた。

g氏は「学校人事を牛耳る最大派閥出身」

「g氏は過去に旭川市内の小学校の校長を務めたことがある人物です。校長退任後は、北海道教育庁で長年、イジメ問題や自殺、生徒指導などに携わってきました。しかし、2019年当時、爽彩さんが凄惨なイジメを受けていたにもかかわらず『イジメとして認識はしていない』と判断し、保護者会に弁護士の同席を求めた被害者側の要望を拒絶したY中学校校長とg氏は北海道教育大学旭川校の同窓生でもあります。

旭川市内の学校の元校長という同じ立場を経験しており、さらに北海道教育大学旭川校の同窓生という間柄で、果たして中立な立場で調査が行えるのか。こうした疑念を遺族側は強く持ったのです」(同前)

 旭川市内の中学校に勤務する現役の教員はこう指摘する。

旭川市の教員の半数以上はY中学の当時の校長とg氏が卒業した北海道教育大学旭川校の出身といえます。同大学のOB会は市内の小中学校の人事を牛耳っている最大派閥です。派閥内の繋がりや結束は強く、同じ派閥内の人物が第三者委員会に入った場合、何らかの忖度が働かない調査などできるはずがありません。私がこれまで勤務したことのある学校の校長の8割が北海道教育大学旭川校出身でした。管理職を目指す教員や出世願望のある教員は先輩OBの言うなりで、逆らうことなど一切できる環境ではありません」 

遺族は「1人でも遺族側が希望する人を」

 爽彩さんの遺族に「第三者委員会」の人選案について聞くと、憤りを隠さずにこう語った。

「f氏とg氏が第三者委員会のメンバーに入ることを拒否したことは事実です。同じ旭川市内の教員経験者で、大学も同じ同窓生という間柄では、偏ったり、かばう可能性もあり、適切な調査が行えるかどうか疑問を感じました。平等で公平で利害関係のない人を選出しなくてはならない第三者委員会なのに、この人選には違和感しかありませんでした。

旭川市が要請するメンバーだけでなく、1人でもいいので遺族側が希望する人を第三者委員会に入れていただきたいです。第三者委員会には、どちらに偏ることなく、適切な調査を行っていただけることを信じて待ちたいと思っています」

市教委も「直接人間関係を有する者はよくない」

 旭川市教育委員会に第三者委員会の人選案について問い合わせると以下の回答があった。

「今回の第三者委員会のメンバーは、この事案のために新たに人選したものではなく、以前から設置していた委員会のメンバーを提示したものでした。国のガイドラインでも、本件に関わる調査においては事案の関係者等、直接人間関係を有する者についてはよくないというのは理解しているので、ご指摘のあった2名については、この調査には関わらないことにしております。現在、第三者委員会は4人ですが、今回の事案に関しては早急に迅速に進めなければならないということもあり、人数も増やすことを考えていて人選中です」

5月14日の午後1時から開かれる旭川市の経済文教常任委員会では、「旭川市いじめ防止等対策委員会における調査の実施について」話し合われる予定だ。旭川市は真摯に遺族と向き合う必要があるだろう。