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(15)北海道 凍死事件 背景にある いじめ問題 の詳細! (1)~(25)まで

※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。
この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。
爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。
名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

家族は「イジメのない世の中になることを切に願う」

 今年4月22日、旭川市西川将人市長は総合教育会議を開き、2019年当時は「イジメはなかった」としていたY中学校の調査結果を見直し、改めて、当時「イジメがあったのかどうか」再調査すると記者団に発表した。西川市長は教育長に旭川市教育委員会とY中学校側の対応を改めて調査するよう指示。医師や臨床心理士、弁護士らに委託して、第三者で作るいじめ防止等対策委員会を設置し、調査を開始する方針を示した。

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爽彩さんの家族は、旭川市の発表を受けて、次のようにコメントを出した。

「娘はわずか14年という短い人生に幕を閉じました。娘は生前、勉強したり、絵を描いたりすることが大好きな子でした。中学1年生の頃イジメに悩まされながらも必死で生きてきました。家族としては、旭川市の調査が進み、これまで明らかにされなかった情報が開示され、真相が一刻も早く究明されることを願っております。そして何よりもイジメのない世の中になることを切に願います」

 市の調査によってイジメの全容が解明され、二度とこのような悲しい事件が起きないよう、行政の誠実な対応を待ちたい。 

 

怒号飛び交う90分
「ふざけんな」
「おぞましい」

 

旭川14歳少女イジメ凍死事件がついに国会審議の俎上に載せられた。
4月26日、萩生田光一文科大臣は音喜多駿参議院議員の質問にこう答えた。

「本事案については、文科省として4月23日に旭川市教育委員会及び北海道教育委員会に対し、事実関係等の確認を行い、遺族に寄り添った対応を行うことなど指導、
助言を行った」

爽彩さんが亡くなった公園に置かれた献花 

 

萩生田大臣は
「事案が進まなければ政務三役が現場に入る」

 今年3月、旭川で当時14歳の廣瀬爽彩(さあや)さんが凍死して見つかった事件の背景に凄惨なイジメがあったことについて、「文春オンライン」では4月15日からこれまで9本の記事を掲載し、詳報を続けてきた。
爽彩さんが通っていたY中学校では、これまで「イジメはなかった」としていたが、
報道を受けて22日には旭川市がイジメの再調査に乗り出すことを公表。
だが、冒頭の発言の後、萩生田大臣はさらに、

文科省としても必要な指導、助言を行っていくことが重要であると考えており、
今後なかなか事案が進まないということであれば、文科省の職員を現地に派遣する。
或いは私を含めた政務三役が現場に入って直接お話する。
ただ、一義的には少し時間がかかり過ぎじゃないかと」と述べ、旭川市の対応に釘をさした。
旭川市の再調査の発表を踏まえたうえで、その調査に迅速な対応がとられない場合は、本省の職員あるいは政務三役を直接現地に派遣する可能性に言及したわけだが、これは「イジメ対応としては、かなり踏み込んだ発言」(全国紙政治部デスク)と見られている。

4月26日に開かれたY中学校の臨時保護者説明会

 しかし、その一方で、渦中の旭川市の教育現場では、いまだに煮え切らない対応が続いている。
取材班は4月26日、萩生田大臣の答弁が行われた同日の夜に臨時に開催されたY中学校の保護者説明会の様子を取材。
保護者説明会では、学校側は相変わらずの隠ぺい体質を貫き、イジメの実態については何も明らかにしなかった。
保護者達は反発し、怒号が飛び交う「大荒れ」の展開となった――。

Y中学校、臨時の保護者説明会の告知

「文春オンラインの報道が出てから学校には問い合わせの電話が殺到。
取材活動も過熱し、地元メディアがY中学校の生徒に直接コンタクトしようと声がけをするなど保護者から不安の声が上がっていました。
学校側が自主的に説明の場を設けたというより、開かざるを得なかったというのが本当のところです」(Y中学校関係者)

 

 

爆破予告でパトカーも出動

平日夜にもかかわらず保護者100名が詰めかけた

 19時から校内の体育館で行われた保護者会では厳戒態勢が敷かれた。
体育館の入口では教員らが在校生名簿と保護者の名前を照合し、部外者を完全にシャットアウト。
不測の事態に備えて、パトカー数台が警戒に当たるなど、学校周辺には異様な雰囲気が漂っていた。

 平日の夜にも拘わらず、体育館には100名ほどの保護者が詰めかけた。
取材班は出席した複数の保護者から現場の様子を聞き取った。

 パイプ椅子に座った保護者の前に校長と教頭が立ち、体育館の横の壁に沿ってPTA会長、教育委員会のカウンセラー、爽彩さんの当時の担任教師を含めた各学年の教員20名ほどが直立不動の姿勢で並んでいたという。

保護者会が行われたY中学校の体育館 

 

当時別の中学校在籍だった校長が、何度も頭を下げて説明

 19時、開始の時刻を過ぎると、重々しい空気の中、校長がまずマイクを取った後、深々と頭を下げ、爽彩さんに向けたお悔やみの言葉を口にした。
なお、この校長は昨年4月にY中学校に赴任したばかり。
爽彩さんがイジメを受けた2019年は市内の別の中学校に在籍していた。
校長はこう述べた。

「本校の対応に対するご意見やご指摘が続いており、生徒や保護者の皆様にはご不安な思いやご心配をおかけしております。
そのような中、生徒の不安解消や、安心安全を確保するために、その一助になることを願い、本会を開催させていただきました」

 校長は何度も頭を下げ、今後の措置として、在校生の心のケアのために個別面談を実施することや教育委員会からスクールカウンセラーを招聘することなどを説明したという。

対応していた教頭、当時の担任教師は同様の言葉を述べるのみ

 続いて、6月に起きたウッペツ川飛び込み事件の後から、爽彩さんの家族への対応窓口となった教頭と、当時の担任教師が、揃って同様の言葉を述べた。

「本校に在籍していた生徒が亡くなったことに関しまして、心から残念であり、言葉になりません。ご冥福をお祈り申し上げます。
また、ご遺族の方にはお悔やみを申し上げます。
本校生徒の保護者の皆さんにご心配、ご不安な思いをさせておりますことに、お詫び申し上げます。
報道に関する部分につきましては、今後予定させていただいている第三者委員会において、誠心誠意対応させていただきます。
今、私ができることですが、保護者の皆様にできることに一生懸命努力していきたいと考えています。よろしくお願いいたします」

 

質疑応答で担任教師は下を向くだけ

 その後、20分ほどで学校側の説明は終わり、次に保護者による質疑応答の時間となった。最初にマイクを持ったのは同校に3年生の子供を通わせている母親だった。
この子供のクラス担任を今務めているのは、爽彩さんの母親がイジメの相談をしてもまともに取り合わなかった当時の担任教師である。
質問した母親はまず「亡くなった子の担任だった先生に何を子供は相談するのか? 
担任を代えてください」と訴え、涙で声を震わせながらこう続けた。

「担任の先生が(爽彩さんの母親からイジメの)相談を受けたときに
『今日わたしデートですから、明日にしてもらえませんか』って言ったというのが報道で出ていますよね。
小耳に挟んだ話ですけど、先生がお友達にLINEで
『今日親から相談されたけど彼氏とデートだから断った』って送ったっていう話をちらっと聞いたんですよ。
本当に腹が立ちました。
そういうことも言ったかどうか全部はっきりして欲しいです」

 当時の担任教師は前に立っていた同僚の後ろに隠れるようにして、下を向くだけで、一言も答えない。
代わりに校長が「いまの質問にここで即答はできない。
申し訳ございません。検討します」と答えた。